概要情報
事件名 |
大手前高松高等(中)学校 |
事件番号 |
東京地裁昭和59年(行ウ)第10号
|
原告 |
学校法人 倉田学園 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
大手前高松高等(中)学校教職員組合 |
判決年月日 |
昭和63年 7月27日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、学校法人倉田学園が、昭和55年度冬季ボーナスに関する組合からの団体交渉申入れに対し、団体交渉の出席者及び開催場所を理由として、団体交渉を拒否したことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審の香川地労委は、団交応諾を命じたところ、学園から再審査申立てがなされ、中労委は、初審命令の主文の一部を変更したほかは初審命令を維持した。学園は、これを不服として行政訴訟を提起したが、東京地裁は学園の請求を棄却した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
6330 審査手続の違法
組合資格審査の手続に瑕疵があり又は審査の結果に誤りがあったとしても、使用者はそのことにより何ら法律上の利益を害されないから、右瑕疵を理由として救済命令の取消を求めることはできない。
2251 一方的決定・実施
組合の再三の団交要求にもかからわず、これに応ずることなく一方的にボーナスを支給し、組合員が受領したからといって、ボーナスに関する交渉事項が解決済みとなったものとは解されない。
2240 説明・説得の程度
団交で組合が収支概算等の資料を提出して説明するよう求めたことは無理からぬところであり、学園が資料の提出に支障があるとすれば、その所以を説明すべきであるのに、その努力を払わずに団交を拒否したことは正当な理由がない。
2244 特定条件の固執
ボーナスの査定に関する2回の団交の対応は、学園が自己の立場を固執するあまり、十分な説明をなさなかったものであり、交渉義務を尽くしているとはいえない。
2121 被解雇者
労使間に交渉委員の資格に関する特約がないのであるから、組合が副委員長を交渉委員に指名することは許され、学園が被解雇者である同人の出席する団交を拒否することは許されない。
2212 交渉の場所・時間
団交場所を学園内とすることの施設管理上及び教育上の支障について組合に説明したこともないのであるから、学園が団交場所を学園外に指定してそれに固執し、団交に応じないことは正当な理由がない。
|
業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集23集220頁 |
評釈等情報 |
労働判例 524号 23頁 
労働経済判例速報 1336号 3頁 
|