概要情報
事件名 |
ニチバン |
事件番号 |
中労委 昭和54年(不再)第17号
中労委 昭和54年(不再)第43号
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再審査申立人 |
ニチバン 株式会社(第17号・第43号事件) |
再審査被申立人 |
合成化学産業労働組合連合ニチバン労働組合(第17号・第43号事件) |
再審査被申立人 |
合成化学産業労働組合連合ニチバン労働組合藤井寺支部(第17号事件) |
命令年月日 |
昭和57年 3月17日 |
命令区分 |
一部変更(初審命令を一部取消し) |
重要度 |
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事件概要 |
会社が組合員に対し、会社再建の協力意思確認のため、誓約書名簿への署名を求めたことが争われた事件で、ポスト・ノーティスを命じた初審命令について使用者から再審査の申立てがなされ、同一事案についてそれぞれ各工場ごとに異なる内容のポスト・ノーティスを命じることは適当でないとして、大阪、愛知の両地労委が命じたポスト・ノーティスの内容を統一変更し、その余の再審査申立ては棄却した。 |
命令主文 |
主 文 1 中労委昭和54年(不再)第17号事件(初審大阪地労委昭和52年(不)第83号)及び中労委昭和54年(不再)第43号事件(初審愛知地労委昭和52年(不)第4号)に係る各初審命令主文第1項を次のとおり変更する。 再審査申立人は、縦80センチメートル、横1メートルの模造紙に下記のとおり明瞭に墨書し、大阪工場、安城工場のそれぞれの正門付近の従業員の見易い場所に7日間掲示しなければならない。 記 当社が、昭和52年9月下旬から同年10月上旬にかけて、貴組合の組合員に対し、企業再建に係る誓約書名簿への署名を求めたことが、貴組合の裁判闘争を防害し、阻止しようとしたものとして、労働組合法第7条第3号に該当する不当労働行為であると中央労働委員会によって認定されました。よって、今後このような行為を繰り返さないようにいたします。 昭和 年 月 日 ニチバン株式会社 代表取締役 Y1 合成化学産業労働組合連合 ニチバン労働組合 中央執行委員長 X1殿 合成化学産業労働組合連合 ニチバン労働組合藤井寺支部 支 部 長 X2殿 (注)大阪工場の場合は、( )内を併記すること。 2 その余の各再審査申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
3106 その他の行為
会社が組合員に対し、会社再建に当たって再建協力の意思確認のため誓約書名簿への署名を求めたことにつき、署名活動が会社による労働時間延長の一方的実施に組合が抗議し裁判で争うこととしたことを契機として行われたことから、組合の裁判闘争を嫌悪する会社が個々の組合員に対して会社方針の遵守を誓約させることにより裁判闘争を妨害し、阻止することを目してなされた不当労働行為であるとされた例。
4613 P.Nのみを命じ、他の救済の必要性を認めなかった例
同一内容の事案について、安城工場と大阪工場ごとにそれぞれ異なる内容のポスト・ノーティスを命じるのは適当ではないとして、初審大阪、愛知の両地労委が命じたポスト・ノーティスの内容を統一変更した例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
不当労働行為事件命令集71集612頁 |
評釈等情報 |
労働判例 1982年7月15日 386号 72頁 
中央労働時報 1982年6月10日 684号 30頁 
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