労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  富里商事 
事件番号  千葉地労委 昭和56年(不)第5号 
申立人  ノースウェスト航空日本支社労働組合 
被申立人  富里商事 株式会社 
命令年月日  昭和57年 3月24日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  ストライキ参加組合員に対し警告等を発したことが争われた事件で、警告等を取り消し、この警告等がなかったものとして取り扱うこと、今後同様の行為をしてはならないこと及びポスト・ノーティスを命じ、弁護士費用を含む金銭負担の補償等の申立てについては棄却した。 
命令主文  主     文
1 被申立人は、申立人の別記(省略)組合員29名に対し、各昭和56年6月22日付け文書をもってなした警告並びに通告をそれぞれ取り消し、この警告並びに通告がなかったものとして取り扱わなければならない。
2 被申立人は、今後、申立人が団体交渉開催の実現を目的として実施するストライキに、申立人の組合員が参加したことの故をもって、参加組合員に対し、前項と同趣旨又は類似の警告並びに通告をしてはならない。
3 被申立人は、本命令書交付後1週間以内に、下記文言を記載した文書を申立人の代表者に交付するとともに、同文言を縦1メートル、横2メートルの白紙の全面にかい書で明りょうに墨書し、被申立人の経営する成田インターナショナルホテル(千葉県印旛郡富里村七栄650-35所在)の従業員食堂の壁の見やすい位置に10日間き損することなく掲示しなければならない。
                記
             陳  謝  文
 当社は、団体交渉開催の実現を目的として、貴組合が昭和56年6月13日から同月21日まで実施したストライキに、後記貴組合員各位(29人)が参加したことの故をもって、参加者各位に対し、それぞれ、昭和56年6月22日付け文書をもって、警告並びに通告をしましたが、今般、このことが労働組合法第7条1号及び3号に該当する不当労働行為であると、千葉県地方労働委員会において認定されました。
 当社は、このことを貴組合及び後記参加者各位に対し深く陳謝するとともに、今後再びこのようなことを繰り返さないことを固く約束いたします。
              (参加者氏名略)

   昭和 年 月 日
ノースウェスト航空日本支社労働組合
 中央執行委員長 X1 様
           富里商事株式会社
            代表取締役 Y1
(注:年月日は、交付文書にあっては交付の日を、掲示文書にあっては掲示の日を、それぞれ記載すること。)
4 その余の申立は棄却する。 
判定の要旨  0413 ストライキ(含部分・指名スト)
1400 制裁処分
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
企業支部が会社の団交応諾を求めてストライキを実施したのに対し、会社側が企業支部は正式に申立人組合に加入していない、規約が不備である、スト権が確立されていない、目的が不当であるからストとは認められず職場放棄であるとして、参加した組合員に対し警告等を発したことについて、目的、方法、手続ともに正当なものであり、警告等は組合員に不利益を与え組合の弱体化を図るものであるとされた例。

4601 「抽象的不作為命令」を命じた例
4610 P.Nに併せて文書手交を命じた例
スト参加者に対する警告についての救済に当たり、同警告がなかったものとしての取扱いを命ずるとともに、組合脱退勧奨、団交拒否等を行っている会社の態度からみて、今後におけるかかる警告の禁止とポスト・ノーティスを併せて命ずることが必要であるとされた例。

4603 その他
弁護士費用を含む金銭上の負担の補償等を求める申立てが棄却された例。

業種・規模  旅館、その他の宿泊所 
掲載文献  不当労働行為事件命令集71集281頁 
評釈等情報   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委 昭和57年(不再)第19号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和58年 8月 3日 決定 
東京地裁 昭和58年(行ウ)第131号 請求の棄却  昭和59年10月18日 判決 
東京高裁 昭和59年(行コ)第62号 控訴の棄却  昭和60年 4月30日 判決 
最高裁 昭和60年(行ツ)第142号 上告の棄却  昭和61年 1月24日 判決 
 
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