労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  学習研究社 
事件番号  中労委 昭和53年(不再)第16号 
再審査申立人  株式会社 学習研究社 
再審査被申立人  全学研労働組合 
命令年月日  昭和56年 9月16日 
命令区分  一部変更(初審命令を一部取消し) 
重要度   
事件概要  組合員8名に営業部門へ応援出向・配転等を命じ、これを拒否したり指名ストを行ったことを理由に懲戒解雇し、組合三役4名を指名ストを企画実行させたことを理由に懲戒解雇し、組合役員2名を暴力行為・業務妨害等を理由に懲戒解雇したことが争われた事件で、組合員8名の応援出向・配転・解雇の撤回、原職又は原職相当職への復帰、バック・ペイ及び指名スト期間中の賃金相当額の支払い、組合役員6名の解雇撤回、原職復帰及びバック・ペイ並びにポスト・ノーティスを命じた初審命令中、組合役員X1に関する部分については不当労働行為にあたらないとして取消し、その余の再審査申立ては棄却した。 
命令主文  1 本件初審命令主文第4項中、「X2およびX1」を「およびX2」に改め、同第5項の記中「14名」を「13名」に改める。
2 再審査被申立人全学研労働組合のX1に関する救済申立てを棄却する。
3 その余の本件再審査申立てを棄却する。 
判定の要旨  0413 ストライキ(含部分・指名スト)
X3らの指名ストは、不当労働行為である配転命令を拒否する正当な行為であり、従って労組三役4名が同人らに対し指名スト実行を指名した行為も、正当な組合活動であるとされた例。

0700 職場規律違反
1103 背信行為
組合役員X1に対する懲戒解雇は、同人が業務妨害し、会社の対外的信用を失墜する行為を理由としてなされたもので、不当労働行為ということはできず、これに反する初審判断が取り消された例。

0600 暴力行為
出勤途上の部長に対する暴力行為等を理由に組合役員X2を懲戒解雇したことが、不当労働行為に当たるとした初審判断が相当とされた例。

0421 幹部責任
0700 職場規律違反
指名ストを企画立案し、率先指揮したこと及び部長らとのトラブルの責任を理由として、中心的活動家であるX4を懲戒解雇したことが不当労働行為になるとされた例。

1102 業務命令違反
1301 出向
組合活動家2名に対し、組合活動に支障をきたす応援出向を指示したことが労組を嫌悪し弱体化を企図した不当労働行為であると判断されている以上、同人らの出向拒否を業務命令違反として懲戒解雇に付したことも不当労働行為であるとされた例。

1102 業務命令違反
1300 転勤・配転
X5に対し異職種への配転を強行したことが労組の弱体化を企図して同人が労組員であるが故になした不当労働行為と判断されるものであり、配転命令が不当労働行為である以上、配転命令拒否を業務命令違反として懲戒解雇したことも不当労働行為であるとされた例。

1102 業務命令違反
1300 転勤・配転
X6ら3名に対する配転命令及びそれを拒否したことを理由とした懲戒解雇も上記と同理で、不当労働行為であるとされた例。

1102 業務命令違反
1300 転勤・配転
X7ら2名に対する配転命令及びそれを拒否したことを理由とした懲戒解雇も上記と同理で、不当労働行為であるとされた例。

0421 幹部責任
指名ストが正当な組合活動である以上、その実行を指令した労組三役4名を違法行為を指令したとして懲戒解雇に付したことは、不当労働行為になるとした例。

3900 「不利益の範囲」
X3ら2名に対する編集部門から営業部門への応援出向は、本来の業務を長期にわたりはなれるものであり、不利益なところがないとはいえないとして、会社の主張を斥けた例。

4407 バックペイの支払い方法
本件指名ストは、不当労働行為である応援出向及び配転命令を拒否するための行為であり、さらに、原職場及び旧職場で就労したとしても、出向・配転先での就労拒否を理由として懲戒解雇される恐れがあったためになされたものと認められるため、本件指名スト期間中の救済としては、同期間中の賃金相当額の支払いを命ずることが相当であり、これと結論を同じくする初審命令が相当であるとされた例。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集70集696頁 
評釈等情報  中央労働時報 1981年12月10日  675号 37頁 

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
東京地労委 昭和50年(不)第9号/他 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和53年 3月 7日 決定 
東京地裁 昭和56年(行ク)第118号 一部認容  昭和57年 4月30日 決定 
東京高裁 昭和57年(行ス)第14号 一部認容  昭和58年 5月 9日 決定 
最高裁 昭和58年(行ト)第11号 全部却下  昭和58年 7月21日 決定 
 
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