労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  学習研究所 
事件番号  東京地労委 昭和50年(不)第9号 
東京地労委 昭和50年(不)第39号 
申立人  全学研労働組合 
被申立人  株式会社 学習研究所 
命令年月日  昭和53年 3月 7日 
命令区分  全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない) 
重要度   
事件概要  組合員8名に対し営業部門へ長期応援出向・配転等を命じ、これを拒否したり、指名ストを行ったことを理由に懲戒解雇し、組合三役4名を指名ストを企画し実行させたことを理由に懲戒解雇し、組合役員2名を暴行脅迫・業務妨害等を理由に懲戒解雇した事件で、組合員8名の応援出向・配転・解雇の撤回、原職又は原職相当職への復帰、バックペイ、指名スト期間中の賃金相当額の支払い、及び組合役員の解雇撤回、原職復帰、バックペイ、ポスト・ノーティスを命じた。 
命令主文  1 被申立人株式会社学習研究社は、X1、X2に対する懲戒解雇および昭和49年9月1日以降7次に亘る教育事業本部組織開発室応援出向命令を撤回して、同人らを原職に復帰させ、昭和49年9月18日以降解雇の日までの賃金の不就労控除額および解雇の日の翌日以降原職に復帰するまでの間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
2 被申立人会社は、X3を配転前の原職相当職に復帰させ、解雇の日の翌日から原職相当職に復帰するまでの間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
3 被申立人会社は、X4、X5、X6、X7および細谷晶X8に対する懲戒解雇および編集総務部市場開発室への配転を撤回し、X4、X5、X6を配転前の原職または原職相当職に、X7、X8を原職に復帰させ、X4およびX5に対しては昭和49年12月26日以降の、X6に対しては昭和50年1月10日以降の、X7に対しては2月17日以降の、X8に対しては4月14日以降の、いずれも解雇の日までの間の賃金の不就労控除額および解雇の日の翌日以降原職または原職相当職に復帰するまでの間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
4 被申立人会社は、X9、X10、X11、X12、X13およびX14を原職に復帰させ、解雇の日の翌日から原職に復帰するまでの間に受けるはずであった賃金相当額を支払わなければならない。
5 被申立人会社は、本命令受領の日から1週間以内に、55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に下記のとおり明瞭に墨書して、本社正面玄関付近の従業員の見易い場所に、10日間掲示しなければならない。
              記
                    昭和 年 月 日
   全学研労働組合
   委員長 X15 殿
               株式会社 学習研究社
               代表取締役 Y1
 当社が、貴組合員2名に組織開発室応援出向を命じたこと、同5名に市場開発室配転を命じたこと、同14名を懲戒解雇したことは、いずれも不当労働行為であると、東京都地方労働委員会で認定されました。今後このような形で貴組合員に不利益を与え、貴組合の運営に介入することはいたしません。この文書は、同地方労働委員会の命令により掲示するものであります。
(注、年月日は掲示の日を記載すること)
6 被申立人会社は、前各項を履行したときは、すみやかに当委員会に文書で報告しなければならない。 
判定の要旨  0413 ストライキ(含部分・指名スト)
X1ら2名の応援出向及びX4ら5名の配転が不当労働行為であると認められる以上、組合がそれを拒否するために指名ストを行ったことは労働組合の「正当な活動」に該当する。

4407 バックペイの支払い方法
本件指名ストは応援出向及び配転を拒否すると共に解雇を避けるために当該受命者のみに指令されたもので、不就労そのものを目的としたものではなく、しかも指名スト期間中の賃金相当額の支払を差し控えるべき特段の事情もない以上、本件救済としては、指名スト期間中の賃金相当額の支払いを命ずることが相当である。

0600 暴力行為
1400 制裁処分
出勤途上の職制に対する暴力行為等を理由に組合役員X13を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

0700 職場規律違反
1400 制裁処分
業務妨害を理由に組合役員X14を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

1102 業務命令違反
1400 制裁処分
応援出向命令を拒否したことを理由に組合員2名を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

1102 業務命令違反
1400 制裁処分
配転命令及び配転先での就労拒否を理由に組合員X3を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

1102 業務命令違反
1400 制裁処分
人員縮小に藉口した配転命令を拒否したことを理由に組合員3名を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

1102 業務命令違反
1400 制裁処分
別組合から労組に加入した組合員X7を配転命令拒否を理由に懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

1102 業務命令違反
1400 制裁処分
組合活動を理由とした配転命令について、これを拒否したことを理由に組合役員X8を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

0421 幹部責任
1400 制裁処分
応援出向と配転を拒否するための指名ストを企画、立案、卒先指揮した責任を追求して組合幹部5名を懲戒解雇したことが不当労働行為とされた例。

業種・規模  出版・印刷・同関連産業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集63集219頁 
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
中労委昭和53年(不再)第16号 一部変更(初審命令を一部取消し)  昭和56年 9月16日 決定 
東京地裁昭和56年(行ク)第118号 一部認容  昭和57年 4月30日 決定 
東京高裁昭和57年(行ス)第14号 一部認容  昭和58年 5月 9日 決定 
最高裁昭和58年(行ト)第11号 全部却下  昭和58年 7月21日 決定 
 
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