労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  西日本重機 
事件番号  福岡地労委昭和49年(不)第7号 
福岡地労委昭和49年(不)第19号 
申立人  総評・全国金属労働組合福岡地方本部博多古賀地域支部 
申立人  総評・全国金属労働組合福岡地方本部 
被申立人  西日本重機 株式会社 
命令年月日  昭和50年 7月29日 
命令区分  一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む) 
重要度   
事件概要  会社職制が、分会ないし分会員にリボン、腕章の取りはずしを要求したり、ビラを配布した分会長に警告したり、組合役員2名を営業所に配転し、これについての上部団体からの団交申入れを拒否し、さらに一時金計算に当り、ストを欠勤扱いにして別組合より低額支給した事件で、ビラ配布に対して威迫して支配介入しないこと、ストを欠勤扱いとした措置の取消しおよび陳謝文の交付を命じ、リボン等の取りはずしを要求、配転およびこれについての地本からの団交申入れ拒否については棄却した。 
命令主文  主     文
1 被申立人会社は、西日本重機分会分会長X1の昭和49年3月4日したビラ配布に対し、後 日責任を追及する旨威迫して、同分会の活動に支配介入してはならない。
2 被申立人会社が昭和49年夏季一時金につき、西日本重機分会の決行したストを欠勤扱いし た措置を取り消し、右措置がなかったものとして取扱わなければならない。
3 被申立人会社は申立人等に対し、それぞれ下記陳謝文を交付しなければならない。
4 申立人等のその余の申立を棄却する。
                 記
              陳  謝  文
  当社は西日本重機分会分会長X1の昭和49年3月4日したビラ配布に対し、後日責任を追 及する旨威迫して同分会の活動に支配介入し、昭和49年夏季一時金につき、西日本重機分会 員の決行したストを欠勤扱いして、不利益取扱いをし、以て不当労働行為をしたことを陳謝 します。
                              昭和 年 月 日
                             西日本重機株式会社
                              代表取締役 Y1
   総評・全国金属労働組合福岡地方本部博多古賀地域支部
    執行委員長 X2 殿
   総評・全国金属労働組合福岡地方本部
    執行委員長 X3 殿 
判定の要旨  0210 リボン・ワッペン等の着用
分会が行なったリボンないし腕章の着用によって、職務遂行上、支障を来たしたものと認めるべき証拠はなく、たとえサービス会社であっても、その色彩、形状、着用の態様からみても、社会的に容認し得ない程度の奇異感及び不快感を客先に与えたものとも思われないので、本件リボン等の着用が正当な組合活動であると認められる。

0200 宣伝活動
3020 組合活動への制約
分会長が行ったビラ配布行為は、始業時間前及び休憩時間中に従業員控室で行なったもので、使用者の労働指揮権は及ばず、かつ経営秩序を乱し、企業活動に支障が生じたとは認められないので、かりに事前に会社の許可を受けなくとも本件行為は正当な組合活動と認められる。

1204 スト・カット
会社が採用した一時金の計算方法は、組合が結成され、ストという事態が想定されていない場合の算式であって、組合のストを欠勤扱いとみなしてそのまま適用し、分会員を別組合員と比べて不利に扱ったことは合理性に乏しく、本件会社の措置は分会のストに対する制裁として行なわれた不利益扱いである。

1300 転勤・配転
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
分会副委員長および執行委員に対する転勤命令は、組合活動にさしたる支障を与えていないこと、業務上の必要性あるいは、人選上最適人者として又は、勤務成績が抜群であること等からみて、業務上の必要性に基づきなされたものと認められ、不当労働行為を構成しない。

2215 上部団体参加否認
会社が申立人本部の団交申入れに応じなかったことについては、申立人本部と同支部は別個独立の団体で、別個の団交権を有するとしても、別件和解協定で、組合側交渉員は分会役員及び支部役員1名とすることについて会社及び申立人支部が了承していたのであるから、会社が同方式によって団交を行えばよいと考えたことは無理からぬところであり、これを不当労働行為とすることはできない。

2610 職制上の地位にある者の言動
2621 個別的示唆・説得・非難等
分会のリボンないし腕章の着用に対して、会社職制が分会および分会員に取りはずしを要求したことは、右着用が就業規則に違反すると誤解して、単にやめるよう要求したにとまり、着用者を威嚇し、処分していないのであるから、右要求は、使用者に許された言論の自由の範囲内に属すると認められる。

2620 反組合的言動
ビラ配布の時間帯および配布場所等から正当な組合活動と認められる分会長のビラ配布行為の対して、文書をもって、後日責任を追及すると警告したことは一種の威嚇であって、使用者に許容される言論の自由の範囲を逸脱したもので、支配介入にあたる。

業種・規模  一般機械器具製造業 
掲載文献  不当労働行為事件命令集56集197頁 
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
中労委昭和50年(不再)第62号 再審査棄却(初審命令をそのまま維持)  昭和53年 7月 5日 決定 
福岡地裁昭和50年(行ウ)第27号 請求の棄却   昭和53年 5月16日 判決 
福岡高裁昭和53年(行コ)第22号 控訴の棄却  昭和54年 3月13日 判決 
最高裁昭和54年(行ツ)第85号 上告の棄却  昭和58年 2月24日 判決 
 
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