労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  東京地裁平成28年(行ウ)第168号
沖縄セメント工業不当労働行為再審査命令取消請求事件
原告  X株式会社 
被告  国(処分行政庁・中央労働委員会) 
被告補助参加人  Z1労働組合 
被告補助参加人  Z1労働組合Z2地方本部(以下「組合」という。) 
判決年月日  平成29年8月28日 
判決区分  棄却 
重要度   
事件概要  1 本件は、X会社が、① 組合からの平成24年8月18日付け、9月10日付け及び同月21日付けの人事考課制度等の問題を議題とする団体交渉(「団交」)の申入れ(「本件制度団交申入れ」)に応じなかったこと、② 組合との間の平成24年11月20日、同年12月5日及び同月20日の平成24年冬季一時金要求等についての団交(「本件一時金団交」)において誠実に対応しなかったことが労働組合法(「労組法」)第7条第2号の不当労働行為であるとして、沖縄県労委に救済申立てがあった事件である。
2 初審沖縄県労委は、X会社の対応はいずれも不当労働行為に当たらないとして、上記救済申立てを棄却したところ、組合らは、これを不服として、再審査を申し立てた。
3 中労委は、①上記救済申立てを棄却した初審沖縄県労委命令の取消、②人事考課制度等の問題を議題とする団交申入れへの速やかな応諾、③一時金に関する団交において、組合員各人の査定の根拠を具体的に説明して、誠実に交渉すること、④文書交付、を内容とする救済命令を発した。
4 X会社は、これを不服として、東京地裁に再審査命令の取消を求める行政訴訟を提起したが、同地裁は、X会社の請求は理由がないことから、これを棄却した。 
判決主文  1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用は(補助参加費用を含む。)原告の負担とする。 
判決の要旨  1 本件制度団交申入れにおけるX会社の対応の不当労働行為該当性
 組合は、本件制度団交申入れによる団交は、一時金の増額等を直接要求するために行われる団交とは趣旨が異なり、一時金等の交渉とは別個に団交を行うよう求めていたにもかかわらず、X会社は、人事考課制度による査定結果は一時金提示額の根拠の一部であるから、その査定結果の開示の可否については一時金交渉と抱き合わせでなければ交渉に応じないとの主張を繰り返すのみで、団交に応じていない。
 しかし、本件制度団交申入れの議題は、査定結果の開示の可否だけではなく、昇級及び昇格等の組合員の労働条件に広範かつ多大に影響を及ぼし得る人事考課制度全般の在り方に関するものであり、X会社はそうした組合の要求を理解していたにもかかわらず、これらの問題を一時金交渉の中でしか応じられないとして、本件制度団交申入れに対して、合理的理由のない回答に終始して速やかに団交に応じなかったものであり、こうしたX会社の対応は、正当な理由なく団交を拒否したものであって、労組法7条2号の不当労働行為に該当する。
2 本件一時金団交におけるX会社の対応の不当労働行為該当性
 X会社は、本件一時金団交において、人事考課制度による査定の結果として、組合に対して、組合員各人の査定に基づいて個別に決定した額を回答したとしている。
 査定結果が重要な労働条件である一時金の直接の決定根拠となっていることに照らせば、X会社は、最終的な査定結果にとどまらず、回答額の算定根拠を明らかにするために、組合員のどのような勤務実績や勤務態度を評定要素ごとに定められた評価基準に当てはめ評点を付したのかといった人事考課による査定の根拠を可能な限り具体的に説明すべきであったにもかかわらず、その対応は、単に人事考課における裁量権や、人事考課結果は法律及び判例により開示しなくても良いなどと一般論を主張し、組合の求める査定の根拠を具体的に説明しないという不十分なものであった。
 このように、X会社は、本件一時金団交において、平成24年冬季一時金の支給額につき、組合員各人の査定に基づいて個別に決定した結果を回答したものの、人事考課による査定の根拠については何ら具体的な説明をしておらず、組合員各人に対する支給額の算定根拠を明らかにしていない。こうしたX会社の本件一時金団交における対応は、団交における自己の回答につき、その具体的な根拠を説明するなどして組合の要求、主張に対して回答や反論をしたとは認められず、誠実交渉義務に反するものであって、労組法7条2号の不当労働行為に該当する。 
その他   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
沖縄県労委平成25年(不)第2号 棄却 平成26年3月13日
中労委平成26年(不再)第22号 全部変更 平成28年3月2日
東京高裁平成29年(行コ)第299号 棄却 平成30年4月12日
 
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