概要情報
事件名 |
中部日本放送(CBC管弦楽団) |
事件番号 |
名古屋高裁昭和46年(行コ)第27号
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控訴人 |
愛知県地方労働委員会 |
控訴人補助参加人 |
中部日本放送株式会社 |
被控訴人 |
CBC管弦楽団労働組合 |
判決年月日 |
昭和49年 9月18日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
1 放送会社が、合唱団員をもって結成された組合及び管弦楽団員をもって結成された組合からの団交申入れを拒否したことが、不当労働行為に当たるとして、愛知地労委に救済申立てがあった事件である。 2 愛知地労委は、放送会社が労組法7条の使用者に当たらないため不当労働行為の成立する余地はないとして、各組合の申立てを棄却した。
これに対し、合唱団労組及び管弦楽団労組は、これを不服として、名古屋地裁に行政訴訟を提起したところ、同地裁は愛知地労委の各命令を取り消した。
本件は、同地裁判決を不服として、愛知地労委が名古屋高裁に控訴した事件であるが、同高裁は控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。
2 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
1 当裁判所も被控訴人の本訴請求を認容すべきものと判断する。その理由は次に付加、訂正するほか原判決理由と同一であるからこれをここに引用する。
2 控訴審における付加・訂正(下線部分が控訴審における修正)
(1) 演奏契約について
放送出演契約は、一般に、当初は、専属出演契約であり、ついで、優先出演契約となり、さらに回数出演契約または自由主演契約若しくは無名出演契約と順次契約型態が推移していることが認められる。
諸般の事情を総合して契約文言の上からは、直ちに民法の典型契約の一たる雇傭契約とは目し難い一種の無名契約というべきであるけれども、実質的には、経済的弱者として相手方による労働条件の一方的決定を甘受せざるを得ない状態にあると認められる場合は、使用従属関係にあるものとして労組法の保護を受ける労働者と認めるのが相当である。 (2) 演奏契約者について
演奏契約者も通常の職員のそれとは色が異なるがデザインは同じバッチ、名刺、身分証明書を放送会社から交付され、健康保険、厚生共済会にも加入していたことを総合して考察すれば、専属契約は、仕事の完成を目的とする請負ないしはこれに類似する契約ともその仕事の遂行に広汎な授権が伴い裁量が許される委任ないしはこれに類似する契約とも認め難く、仕事の報酬である契約金、保障出演料は固定給ないし生活給的要素を保持していると解され、かつ、発注に対しては原則としてこれを拒否することが許されないため、常時待機を余儀なくされるから、事実上就労時間の定めはなくとも時間的に拘束され、放送会社の一般的労務指揮の支配下に常時あるものと解されるから、演奏契約者と放送会社との契約関係は、雇傭契約関係にあるとみることができ、使用従属関係が存すると解するのが相当である。
従って、専属契約時代の演唱契約者は、労組法の保護を受ける労働者であったことは明らかである。 3 控訴審における放送会社の陳述に対する判断
放送会社は当審においてるる陳述するけれども、自由契約下においても、放送会社はその経済的優位を利用し、その目的たる必要な労務を、その欲するときに(随時)確保しうることが明らかであり、契約者の労務の具体的提供状況も、放送会社の指示する者の指揮、支配下にあるものであることが明らかである。
放送会社の出演の発注に応じなかったとして現実に制裁的措置を受けたものがなかったこと、労働者名簿、賃金台帳が放送会社に備付けてないことはいずれも右認定の妨げとなるものではない。 |
その他 |
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