概要情報
事件名 |
ネスレジャパンホールディング(東京) |
事件番号 |
東京高裁平成21年(行コ)第249号 |
控訴人 |
ネスレ日本株式会社 |
被控訴人 |
国(処分行政庁:中央労働委員会) |
被控訴人補助参加人 |
ネッスル日本労働組合東京支部 |
判決年月日 |
平成21年12月24日 |
判決区分 |
棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、①Y会社及び関係2社が、東京支店に係る会社組織再編に関するX組合東京支部からの団交申入れについて、X組合本部並びに東京支部を含む5支部を連名の名あて人として回答し、東京支部単独の交渉に応じなかったこと、②本件団交申入れ等において、東京支店に係る会社組織再編に関する事項の説明を求めたのに対し、これに応じず、法人名義を使い分けて使用者をあいまいにしていること、③本件団体交渉申入れ等に東京支店の支店長を出席させなかったこと、④東京支部組合員の団交開催場所への移動時間についてY会社が賃金控除を行ったことが、労働組合法7条2号、3号に該当する不当労働行為であるかが争われた事案である。
東京都労委は、関係2社に対する救済申立ては却下し、Y会社に対し、①東京支部とY会社との団交の際、団交開催場所への移動時間について支部交渉員の賃金控除を行ったこと、②団交において、東京支部の組織再編に関する事項について具体的な説明を行わなかったことが不当労働行為に該当するとして、これらに関する文書手交及び履行報告を命じ、その余の申立ては棄却した。
労使双方がこの命令を不服とし再審査申立てを行ったところ、中労委は、①東京支部単独の交渉に応じなかったこと、②団交開催場所への移動時間について支部交渉員の賃金控除を行ったことを不当労働行為と認め、文書手交を命じ、その余の申立ては棄却した。
これを不服としたY会社が、東京地裁に訴えを提起したところ、同地裁は中労委の命令を支持して、訴えを棄却した。
Y会社が、この命令を不服として提起したのが、本件である。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。(中労委命令を支持した第一審判決を維持。) |
判決の要旨 |
当裁判所も、中労委が本件命令においてした不当労働行為に係る判断はいずれも相当であって、これに対する救済方法も相当であると判断する。その理由は、原判決の判断のとおりであるから、それを引用する。
なお、Y会社の当審における主張はいずれも理由がなく採用することができない。 |