概要情報
事件名 |
聖和学院 |
事件番号 |
東京地裁平成15年(行ウ)第402号
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原告 |
学校法人聖和学院 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告補助参加人 |
神奈川私学単一労働組合・聖和学院分会 |
被告補助参加人 |
神奈川私学教職員組合連合 |
判決年月日 |
平成17年 5月26日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
学院が、組合の分会長である教諭X1を昭和60年4月に小学校から中学校・高校に配置換えして以降、学級担任に任用しなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件で、神奈川県労委は、学院に対し(1)平成8年度以降、X1を学級担任に任用したものとしての取扱い、(2)学級担任の任用において、X1が組合員であること及び組合活動をしたことを理由とする不利益取扱いの禁止、(3)学級担任の任用においてX1に対して不利益取扱いをすることによる支配介入の禁止、(4)文書手交を命じ、中労委は初審命令の一部を変更し、その余の申立てを |
判決主文 |
1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
1200 降格・不昇格
1302 就業上の差別
3700 使用者の認識・嫌悪
1602 精神・生活上の不利益
学院は、私教連らの組合活動を学院の方針に反対するものとして嫌悪していたことが推認される上、X1を学院の方針を理解せず、かつ他の教諭と協調性がないと考えていたに止まらず、学院の方針を批判し学院の方針と異なる行為をするX1を攻撃し、排除しようとする意図が伺えるところ、平成8年度にX1を学級担任に選任しなかったことについて、他に決定的な理由も認められない本件においては、学院がX1の組合活動を嫌悪したことが他の理由よりも優越する理由であったと推認せざるを得ず、また、学院の主張する「X1グループ」が、X1のほか、分会員であるX12やTら学院の学校運営に批判的なX1の考えに同調する教諭、生徒、卒業生らを指すのであれば、学院が「X1グループ」なる集団の存在を意識し、他の生徒らを同グループに引き込もうとしていると考えて、X1を学級担任に選任しなかったということ自体、学院が組合活動を含むX1の学校運営に批判的な言動を嫌悪していたことの証左というべきであり、一定の資格・経験を有する教員を特段の理由もなく、長期間、学級担任という責任ある地位に専任しないことは、技能的な不利益が生じない場合でも、精神的な不利益を被ることになるのであって、これが不利益取扱に該当することは明らかであり、さらにX1に対して不利益取扱いをすることによる支配介入にも該当し、以上のとおり、本件において平成年度にX1を学級担任に選任しなかったことは、労組法7条1号及び3号に規定する不当労働行為に該当するとされた例。
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業種・規模 |
教育(自動車教習所を含む) |
掲載文献 |
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評釈等情報 |
 
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