事件名 |
青山会 |
事件番号 |
東京地裁平成11年(行ク)第75号
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申立人 |
中央労働委員会 |
被申立人 |
医療法人財団青山会 |
申立人参加人 |
上秦野病院労働組合 |
判決年月日 |
平成13年 4月12日 |
判決区分 |
全部認容 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、法人が、経営困難に陥った病院の施設、業務等を引き継いで
新病院を開設した際に、旧病院の職員であった組合所属の組合員2名を採用しなかったことが争われた事件で、東京地裁は、中労
委命令(8不再28、11・17決定)に基づく緊急命令申立てを容認し、(1)組合員を看護助手として採用し、採用されるま
での間に支給されるはずの賃金の支払い、(2)組合の運営に対する支配介入の禁止を命じた。 |
判決主文 |
被申立人を原告、申立人を被告とする当庁平成11年(行ウ)第76
号不当労働行為救済命令取消請求事件の判決の確定に至るまで、
1 被申立人は、申立人補助参加人所属の組合員であるX1を被申立人が経営する秦野市三廻部948番地所在の医療法人財団青
山会みくるべ病院(以下「みくるべ病院」という。)に看護助手として採用し、かつ、平成7年1月1日以降同人が採用されるま
での間について、被申立人における基準に従い、同人に対し、採用されていたならば支給されたはずの賃金に相当する額に、年率
5分相当額を加算した額の金員を支払わなければならない。
2 被申立人は、申立人補助参加人所属の組合員であるX2をみくるべ病院に准看護婦として採用し、かつ、平成7年1月1日以
降同人が採用されるまでの間について、被申立人における基準に従い、同人に対し、採用されていたならば支給されたはずの賃金
に相当する額に、年率5分相当額を加算した額の金員を支払わなければならない
3 被申立人は、申立人補助参加人所属の組合員に対し、その組合活動を理由にみくるべ病院に採用しないなどの差別的な取扱い
をすることによって、申立人補助参加人の運営に介入してはならない。 |
判決の要旨 |
7230 必要性の審査
会は、本件命令を任意に履行していないところ、会のした不当労働行為の内容、程度、組合の組合員数からして、本件命令(文書
手交を除く)を直ちに履行させなければ、組合の組合員であるX1、X2の経済的、精神的被害の回復が困難となり、また、組合
の組合活動の回復が困難となることは明らかであるから、緊急命令を発する必要性も肯定できるとされた例。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集36集1043頁 |
評釈等情報 |
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