概要情報
事件名 |
セメダイン |
事件番号 |
東京地裁平成10年(行ウ)第66号
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原告 |
セメダイン株式会社 |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
CSUフォーラム |
判決年月日 |
平成11年 6月 9日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、管理職組合として結成されたCSUフォーラムが申し入れた担当職の資格手当減額措置の廃止等に関する団体交渉に対して、会社は、「申立人組合は使用者の利益を代表する者の参加を許しており労働組合法上の労働組合ではない」などを理由としてこれに応じなかったことが不当労働行為であるとして争われた事件である。 東京地労委は会社に対し、組合が申し入れた団体交渉について、CSUフォーラムが情報システムグループの課長等の特定の職位に所属組合員がいない旨の文書を呈示した後は、これに応じなければならないと命じたところ、これを不服として、会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審命令を一部変更したほかは、その余の再審査申立てを棄却した。これを不服として会社は、東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は、6月9日、原告の請求を棄却するとの判決を言い渡した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 |
判決の要旨 |
6180 その他手続
労委の行う資格審査は「国家に対し負う責務にほかならず、申立資格を欠く組合の救済申立を拒否することが、使用者の法的利益の保障の見地から要求される意味において、使用者に対する関係において負う義務ではない」(日通会津若松支店事件、最高裁昭和32・12・24判決)から、CSUフォーラムの救済申立資格の不備を問題とする会社主張は、自己の法律上の利益に関係のない違法を理由に本件命令の取消しを求めるもの(行訴法一〇条一項)であるから、失当であり採用できないとされた例。
4825 その他
利益代表者の参加を許す労働組合も労組法七条二号の「労働者の代表者」に含まれるから、仮にCSUフォーラムに利益代表者が参加していても、また、参加していないことを会社に明らかにしていなくても、そのこと自体は当然に団交拒否の正当理由とはならないが、組合員X1らは利益代表者に該当せず、その他のCSUフォーラムに利益代表者が参加していることは認められないとされた例。
2113 交渉団体として不適格
(1)乃至(2)から、会社の団交拒否は正当理由を欠き、労組法七条二号の不当労働行為を構成するから、本件命令に違法はなく、取消を求める会社の請求は理由がないとして、東京地労委の救済命令を維持した中労委命令を支持した例。
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業種・規模 |
化学工業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集34集432頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 2000年3月10日 953号 47頁 
中央労働時報 2000年3月10日 963号 47頁 
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