概要情報
事件名 |
東洋シート(チェックオフ) |
事件番号 |
東京高裁平成 7年(行コ)第84号
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控訴人 |
株式会社東洋シート |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
全国金属機械労働組合広島地方本部東洋シート支部 |
判決年月日 |
平成 8年10月24日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、申立人組合のためのチェック・オフをとりやめ、既に組合員の賃金からチェック・オフをした金員を同組合に引き渡さなかったこと等が不当労働行為であるとして申立てのあった事件である。 初審広島地労委がチェック・オフの実施、既にチェック・オフした金員の引渡し等を命じたところ、会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、初審命令の一部を変更するほかは、本件再審査申立を棄却した。 会社はこれを不服として行政訴訟を提起したが、東京地裁はこの請求を棄却したため更に控訴していたが、東京高裁は、会社の控訴を棄却した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2621 個別的示唆・説得・非難等
Y1課長は、支部所属組合員らの間に執行部及び上部組織である全金に指導方針に不満を抱く組合員が漸増するという状況に乗じて、支部所属組合員に対して全金からの脱退を慫慂する行為を行ったものと認められる。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
控訴人は、東洋シート労組の結成により、支部が少数派になったことを契機に、支部に経済的打撃を与え、組織の弱体化を図り、支部との間に有効に存続しているチェック・オフ協定の遵守を拒否していることが認められる。
2901 組合無視
補助参加人の組合活動等に対する控訴人の警告等の行為は、東洋シート労組結成以来、控訴人が一貫して、支部の正当な継承者である補助参加人の労働組合としての存在を無視し続けてきたことによるものであり、補助参加人の弱体化を図ったものであることが認められる。
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業種・規模 |
輸送用機械器具製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集31集332頁 |
評釈等情報 |
中央労働時報 1997年5月10日 923号 61頁 
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