概要情報
事件名 |
東洋シート |
事件番号 |
東京地裁平成 5年(行ウ)第29号
|
原告 |
株式会社 東洋シート |
被告 |
中央労働委員会 |
被告参加人 |
全国金属機械労働組合広島地方本部東洋シート支部 |
判決年月日 |
平成 7年 6月 8日 |
判決区分 |
請求の棄却 |
重要度 |
|
事件概要 |
本件は、会社が、申立人組合(以下「金属機械広島地方本部東洋シート支部」又は「新支部」という。)が存在しないとして、組合員の賃金からチェック・オフした組合費等を組合に引き渡さなかったこと並びに新支部からのチェック・オフの申入れに応じなかった」こと不当労働行為であるとして申立てのあった事件である。初審広島地労委救済命令を不服として、会社から再審査の申立てがなされ、中労委は、チェック・オフした組合費等の引渡しについては、別件で争われた民事事件で、最高裁判決の結果、確定的に支払われ、これにより初審命令の救済内容は実質的に実現されているとして、当該初審命令の一部を変更したところ、会社はこれを不服として東京地裁に行政訴訟を提起したが、同地裁は平成7年6月8日、会社請求をいずれも棄却した。 |
判決主文 |
原告の請求を棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 |
判決の要旨 |
4830 代表者
支部執行委員会においてなされた支部が団体として上部団体から脱退する旨の決議は、組合規約に定められた手続に沿わない方法で行われたため無効であり、右脱退決議賛成者は個人として上部団体に所属する支部から脱退したものといえるから、右脱退者が新たに結成した東洋シート労組は支部残留者の参加人組合とは同一性がない別組合であって、参加人組合が支部の正当な継承者であるとされた例。
2624 組合人事への干渉
Y1が支部所属組合員に対して行った執行委員選出等についての協力要請行為が、上部団体から脱退させるための働きかけであり、支部の組合運営に支配介入した不当労働行為に当たるとされた例。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
会社が参加人組合の存在を無視し、チェック・オフをしなかったことが支部が少数組合になったのを契機に、支部に経済的打撃を与え、組織の弱体化を図ることを意図してなされた不当労働行為に当たるとされた例。
2114 組合の不存在
2902 労組法7条2号(団交拒否)と競合
参加人が鉢巻及び腕章を着用して就労するというような職務専念義務違反に当たる闘争を敢えて選択せざるを得なかったのは、会社が夏期一時金の団交開催要求について参加人組合を無視するという態度に出ていたからであり、会社のかかる態度は参加人組合の弱体化を意図した不当労働行為に当たるとされた例。
|
業種・規模 |
石油製品・石炭製品製造業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集30集288頁 |
評釈等情報 |
 
|