概要情報
事件名 |
東日本旅客鉄道(新宿車掌区) |
事件番号 |
東京高裁平成 4年(行コ)第92号
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控訴人 |
東日本旅客鉄道 株式会社 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
国鉄労働組合東京地方本部 |
被控訴人参加人 |
国鉄労働組合東京地方本部八王子支部 |
被控訴人参加人 |
国鉄労働組合東京地方本部八王子支部新宿車掌区分会 |
判決年月日 |
平成 5年 5月20日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)国労東京地本八王子支部新宿車掌区分会の組合員X1を内勤の運転担当から電車乗務へ業務の指定替えをしたこと、(2)区長らが、同分会所属の組合員に対し、国労を脱退しない場合、担当業務の不利益な変更がある旨発言したことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審東京地労委は、会社に対し、(1)組合員X1の指定替えを撤回し、原職復帰させること、(2)国労組合員に対し、組合所属を理由とする不利益な担当業務の変更を行う旨の言動を行ってはならず、また、不利益な担当業務の変更を行わないことを命じ、中労委もこれを維持したところ、会社は、これを不服として東京高裁に控訴していたところ、同高裁は、控訴を棄却する旨の判決を言い渡した。 |
判決主文 |
1 本件控訴を棄却する。 2 控訴費用は、補助参加によって生じた費用を含め、控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
1302 就業上の差別
組合員X1を、内勤担当車掌から電車業務へ勤務指定変更したことにつき、本件指定変更を行ったY1区長の意図は脱退勧奨に応じないことへの報復。みせしめとするためのものであるから、本件指定変更は労苦法第7条1、3号に該当する不当労働行為であるとした原判決は相当である。
1302 就業上の差別
労組法7条1号の「不利益」とは、賃金の減少等の経済的不利益などの有無に限らず、従業員らの一般的な認識などにおいて不利益であると受け止めるような取扱いであれば、客観的根拠のある限り不利益があるというべきである、とした原判決は相当である。
0211 その他の組合活動
Y2指導助役による組合員X2、X3に対する交番上の不利益取扱いを示唆してなした脱退勧奨は、Y1区長の意を体して組合の組織運営に介入するもので、労組法第7条3号に該当する不当労働行為であるとした原判決は相当である。
0211 その他の組合活動
無断録音した録音テープの反訳書の処理能力について、その内容は、直截な不当労働行為意思の表明に終結しているもので本件訴訟の中心的争点にかかわる極めて重要な証拠としての意味を持っているのに対して、録音された内容は職場の管理者と分会長との間の公的な応対の場面での会話であって、いまだ、右録音の手段、方法及び態洋が著しく反社会的であることはいえないから、右反訳書は証拠能力を有するというべきである。
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業種・規模 |
鉄道業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集28集225頁 |
評釈等情報 |
労働関係民事裁判例集 44巻3 号 489 頁 
判夕 848 号 191 頁 
労働判例 636 号 54頁 
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