概要情報
事件名 |
日本サーキット工業 |
事件番号 |
最高裁平成 4年(行ツ)第164号
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上告人 |
日本サーキット工業 株式会社 |
被上告人 |
愛知県地方労働委員会 |
判決年月日 |
平成 7年12月19日 |
判決区分 |
上告の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、組合役員X1に対する昭和57年度の賃上げ、夏季一時金、年末一時金及び昭和59年度の賃上げの考課率を低位に査定したことをめぐって争われた事件である。 愛知地労委(昭61・12・12決定)が、組合役員X1に対する考課率の是正及び差額の支払い(年5分加算)を命じたところ、会社はこれを不服として行政訴訟を提起した。 第一審名古屋地裁(平元・9・8判決)は、地労委の救済命令を支持して会社の請求を棄却し、さらに名古屋高裁(平4・7・16判決)も会社の控訴を棄却したため会社が上告していたものであるが、最高裁は会社の上告を棄却した。 |
判決主文 |
本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 |
判決の要旨 |
1302 就業上の差別
1602 精神・生活上の不利益
会社が組合員X1を一人だけ隔離し、長期間にわたってさほど必要性のない技術文献の翻訳業務を断続的に命じ、その余は無為に過ごすことを余儀なくさせたことは、X1に精神的苦痛を与えたばかりでなく、X1が支部組合における中核的活動家であることを嫌悪したことによるは労組法7条1号の不当労働行為に当たるとした原判決が相当とされた例
6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
不当労働行為からの救済のための是正措置の内容は労委の合理的裁量に委ねられており、そのために使用者の人事権が制限されるのは労組法7条の趣旨、目的から当然であって、配置転換が使用者の人事権に属していることをもって本件命令を違法とする理由とはならないとした原判決が相当とされた例
1202 考課査定による差別
組合員X1の昭和57年度及び昭和59年度の各賃上げ、夏季・年末一時金の考課査定を会社従業員中最低としたことに実質的根拠が認められず、X1に不合理な考課査定をしたことは、支部組合の中核的存在であるX1を嫌悪したことによるの不利益取扱いに当たるとした原判決が相当とされた例
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業種・規模 |
娯楽業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集30集608頁 |
評釈等情報 |
 
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