労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  日本サーキット工業 
事件番号  最高裁平成 4年(行ツ)第163号 
上告人  日本サーキット工業 株式会社 
被上告人  愛知県地方労働委員会 
判決年月日  平成 7年12月19日 
判決区分  上告の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、組合役員X1を職場隔離して、本来業務とは異なる翻訳業務に従事させたこと及び昭和54、55、56年度の賃上げ、一時金等の考課における同人の考課率を低位に査定したことをめぐって争われた事件である。
 愛知地労委(58・3・31決定)が、組合役員X1の原職復帰及び考課率の是正、差額の支払いを命じたところ、会社はこれを不服として行政訴訟を提起した。
 第一審名古屋地裁(平元・9・8判決)は、地労委の救済命令を支持して会社の請求を棄却し、さらに名古屋高裁(平4・7・1判決)も会社の控訴を棄却したため会社が上告していたものであるが、最高裁は会社の上告を棄却した。 
判決主文  本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。 
判決の要旨  1302 就業上の差別
1602 精神・生活上の不利益
会社が組合員X1を一人だけ隔離し、長期間にわたってさほど必要性のない技術文献の翻訳業務を断続的に命じて、その余は無為に過ごすことを余儀なくさせたことは、X1に精神的苦痛を与えたばかりでなく、X1が支部組合における中核的活動家であることを嫌悪したことによるものと推認でき、これは労組法7条1号の不当労働行為に当たるとした原判決が相当とされた例

6320 労委の裁量権と司法審査の範囲
不当労働行為からの救済のための是正措置の内容は労委の合理的裁量に委ねられており、そのために使用者の人事権が制限されるのは労組法7条の趣旨、目的から当然であって、配置転換が使用者の人事権に属していることをもって本件命令を違法とする理由とはならないとした原判決が相当とされた例

1202 考課査定による差別
組合員X1の昭和54年度ないし昭和56年度の各賃上げ、夏季・年末一時金の考課査定を会社従業員中最低としたことの実質的根拠が認められず、X1に不合理な考課査定をしたことは、支部組合の中核的存在である同人を嫌悪したことによるものとして、これを不利益取扱いに当たるとした原判決が相当とされた例

業種・規模  娯楽業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集30集601頁 
評釈等情報   

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
愛知地労委昭和55年(不)第3号 全部救済(命令主文に棄却又は却下部分を含まない)  昭和58年 3月31日 決定 
名古屋地裁昭和58年(行ウ)第8号 請求の棄却  平成 1年 9月 8日 判決 
名古屋地裁昭和58年(行ク)第6号 全部認容  平成 1年 9月 8日 決定 
名古屋高裁平成 1年(行コ)第14号 控訴の棄却  平成 4年 7月16日 判決 
 
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