概要情報
事件名 |
済生会中央病院 |
事件番号 |
東京高裁昭和61年(行コ)第10号
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控訴人 |
社会福祉法人 恩賜財団済生会 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
全済生会労働組合 |
被控訴人参加人 |
全済生会労働組合中央病院支部 |
判決年月日 |
昭和63年 7月27日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、病院が(1)一方的にチェック・オフを中止したこと、(2)婦長及び医長が組合からの脱退を勧告したこと等が不当労働行為であるとしと申立てがあった事件で、東京地労委の救済命令に対して病院側から再審査申立てがなされ中労委は初審命令を維持したところ、済生会及び病院はこれを不服として東京地裁に行政訴訟を提起した。同地裁は昭和61年1月29日に、病院は訴訟当事者能力を有しないとして病院の訴えを却下し、済生会の請求を棄却した。済生会はこれを不服として東京高裁に控訴したが、同高裁は済生会の控訴には理由がないとしてこれを棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は参加によつて生じた分を含めて控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
4905 経営補助者
法人の構成部分である中央病院を名宛人とする命令を履行すべき責任主体としての使用者は法人以外にないから、名宛人を法人の構成部分とした命令は実質的な命令対象者である法人に対するものと解しても罪刑法定主義に反しない。
2800 各種便宜供与の廃止・拒否
仮に支部組合員数が病院の労働者数の過半数に達しておらず、労基法24条の要件に欠けていたとしても、従前の経緯などからすれば、使用者が突然一方的にチェックオフを中止し、再開を拒絶することを正当化するものではない。
5008 その他
使用者によるチェックオフの中止は組合の混乱に乗じて組合を財政的に弱体化させることを目的とした不当労働行為であるから、チェックオフの慣行、合意がいずれ解消されるとしても、一旦原状に回復させる救済は労委の裁量権を超えない。
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業種・規模 |
医療業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集23集243頁 |
評釈等情報 |
最高裁判所民事判例集 43巻12号 1890頁 
労働判例 525号 37頁 
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