概要情報
事件名 |
潮文社 |
事件番号 |
東京高裁昭和62年(行コ)第22号
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控訴人 |
株式会社 潮文社 |
被控訴人 |
中央労働委員会 |
被控訴人参加人 |
東京出版合同労働組合 |
判決年月日 |
昭和62年12月23日 |
判決区分 |
控訴の棄却 |
重要度 |
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事件概要 |
本件は、会社が、(1)五七年賃上げ及び同年夏期一時金に関する団体交渉において、具体的な資料を示して十分な説明を行わなかったこと、(2)組合員二名に対し、五七年の賃上げを行わなかったこと、(3)パートタイマー組合員一名に対し、時給の引上げを行わず、雇用期間満了の通告をしたことが不当労働行為であるとして申立てがあった事件で、初審の東京地労委は、(1)誠意ある団体交渉の応諾、(2)組合員二名の賃金を五七年四月以降三、〇〇〇円引き上げ、その差額の支払い、(3)パートタイマー組合員一名の原職復帰、バック・ペイ等を命じたところ、会社から再審査の申立てがあり、中労委は再審査申立てを棄却した。 会社は、これを不服として東京地裁に行政訴訟を提起した。六二年三月二五日に同地裁はこれを棄却したため、会社は東京高裁に控訴していたが、同高裁は、第一審判決を維持し、控訴を棄却した。 |
判決主文 |
本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 |
判決の要旨 |
2240 説明・説得の程度
会社の昭和57年度の賃上げ等の団交時の態度は、組合の理解と納得を得るため、根拠を具体的に説明する等の努力に欠け、結論を一方的に押し付けるもので、7条2号の不当労働行為であるとした原判決を維持した例。
1201 支払い遅延・給付差別
組合機関紙に会社の中傷記事を掲載したとして、組合員の賃上げを行わなかったことにつき、会社が組合の結成及びその後の活動を嫌悪していたこと等から7条1号の不当労働行為であるとした原判決を維持した例。
1201 支払い遅延・給付差別
会社が組合員X1の時給を引き上げなかったのは、組合結成以来その活動を嫌悪し、X1が組合加入前から組合員と接触していたことを快く思っていなかったこと等から、X1の組合加入を理由とする不利益取扱いであるとした原判決を維持した例。
1106 契約更新拒否
会社が契約期間の定めのない臨時従業員X1の雇用継続を拒否したのは、同人の後任者を採用していない状況等からみて、組合員であることを理由に企業外に排除することを目的としてされた不利益取扱いであるとした原判決を維持した例。
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業種・規模 |
出版・印刷・同関連産業 |
掲載文献 |
労働委員会関係裁判例集22集498頁 |
評釈等情報 |
 
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