労働委員会関係裁判例データベース

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概要情報
事件名  オリエンタルモーター 
事件番号  千葉地裁昭和56年(行ウ)第5号 
原告  オリエンタルモーター 株式会社 
被告  千葉県地方労働委員会 
被告参加人  総評全国金属労働組合千葉地方本部オリエンタル支部 
判決年月日  昭和62年 7月17日 
判決区分  請求の棄却 
重要度   
事件概要  本件は、組合員10名に対し、非組合員と仕事上の差別取扱いをしたことをめぐって争われた事件で、千葉地労委の一部救済命令(56・3・28)を不服として会社が行訴を提起していたが、地裁は会社の請求を棄却した。 
判決主文  一 原告の請求を棄却する。
二 訴訟費用は原告の負担とする。 
判決の要旨  1302 就業上の差別
3010 労組法7条1号(不利益取扱い、黄犬契約)と競合
会社が組合員10名に対し、単純作業等を命じ不利益に取り扱ったのは、X1らの組合活動を嫌悪してなした不利益取扱いであるとともに、他の組合員に対しみせしめとすることによって組合の弱体化を狙った支配介入である。

5201 継続する行為
6310 違法判断の基準時
組合員X1が単純作業を命じられてから救済申立までに1年以上経過しているが、同人に対し仕事の指示を全くしない等の処遇が行われており、会社の不利益取扱いの意思は一貫して続いているから、会社の行為は法27条2項の継続する行為に該当する。

4102 承認・合意
4302 組合員資格喪失者(含組合脱退・死亡)
本件事件の申立人は参加人組合であり、その組合員2名が会社を退職したとしても、他に組合員を有する参加人組合自体の救済利益が失われるわけではなく、組合員2名も退職後救済利益を放棄したと認めるべき事情もないから、救済利益は失われない。

4301 労組法7条3号(支配介入、経費援助)の場合
組合員X2が救済を求めることを放棄する意思表示をしていても、本件命令が発っせられた後においては、参加人組合自体に命令を維持する利益がある以上、いまだその必要性は失われない。

6310 違法判断の基準時
不当労働行為の成立についての事実認定及び法律上の判断は、救済命令が発っせられた時点を基準としてその適否を判断すべきであり、その後の所属組合員に対する処遇の変更は不当労働行為の成否の判断に影響を及ぼさない。

業種・規模  金属製品製造業 
掲載文献  労働委員会関係裁判例集22集225頁 
評釈等情報  労働判例  506号 98頁 
労働法律旬報 1183・4号  129頁 

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顛末情報
行訴番号/事件番号 判決区分/命令区分 判決年月日/命令年月日
千葉地労委昭和52年(不)第3号 一部救済(命令書主文に救済部分と棄却又は却下部分を含む)  昭和56年 2月23日 決定 
千葉地裁昭和57年(行ク)第3号 一部認容  昭和57年 9月14日 決定 
東京高裁昭和62年(行コ)第72号 控訴の棄却  昭和63年 6月23日 判決 
最高裁昭和63年(行ツ)第140号 上告の棄却  平成 3年 2月22日 判決 
 
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