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食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

Q.1 清涼飲料水など食品に含まれるカフェインを過剰に摂取することは健康に問題があるのでしょうか。

 

A.1
 カフェインを過剰に摂取した場合には、中枢神経系の刺激によるめまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気等の健康被害をもたらすことがあります。

 このため、食品からのカフェインの摂取に関しては、国際機関などにおいて注意喚起等がなされています。例えば、世界保健機関(WHO)は、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料はほぼ同程度のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを1日3から4杯までにすることを呼びかけています。 また、英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦がカフェインを取り過ぎることにより、出生時に低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとして、妊娠した女性に対して、1日当たりのカフェイン摂取量を、WHOよりも厳しい200mgコーヒーをマグカップで2杯程度)に制限するよう求めています。

 同様に、カナダ保健省(HC)においても、2010年に1日あたりのカフェイン摂取量として、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mgコーヒーをマグカップで約2杯)までとされています。 

 なお、カフェインを一生涯摂取し続けたとしても、健康に悪影響が生じないと推定される一日当たりの摂取許容量(ADI:Acceptable Daily Intake)については、個人差が大きいことなどから、日本においても、国際的にも設定されていません。

○世界保健機関(WHO

  2001(平成13)年に公表した「Healthy Eating during Pregnancy and Breastfeeding BookletFor Mothers2001」において、
  「紅茶、ココア、コーラ飲料は、ほぼ同程度のカフェインを含み、コーヒーにはこれらの約2倍のカフェインが含まれている。
   このため、カフェインの胎児への影響についてはまだ確定していないが、妊婦はコーヒーの摂取量を一日3~4杯まで
  にすべき」とされています。

(参考)WHOHealthy Eating during Pregnancy and Breastfeeding,Booklet for mothers,2001

http://www.euro.who.int/__data/assets/pdf_file/0020/120296/E73182.pdf
 

○英国食品基準庁(FSA
2008( 平成20)年に、妊婦のカフェイン摂取に関して新たな助言を公表しています。妊婦がカフェインを摂り過ぎることにより、出生児が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性があるとし、以前は300 mg を上限とすることが望ましいとしていましたが、新たな助言においては、妊娠した女性に対して一日当たりのカフェイン摂取量を200 mg(コーヒーをマグカップで2杯程度)、に制限するよう求めています。また、高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があることを示す証拠があるとしています。

(参考)Pregnant women advised to limit caffeine consumption

http://webarchive.nationalarchives.gov.uk/20120206100416/http://food.gov.uk/news/newsarchive/2008/nov/caffeinenov08
 

○カナダ保健省 HC

  2010(平成22)年に、カフェイン摂取について注意喚起を行いました。主な内容は以下のとおりです。

  ・少量のカフェイン摂取はほとんどのカナダ人にとって懸念はないが、過剰摂取は不眠症、頭痛、イライラ感、脱水症、緊張感を引き起こすため、特に子供や妊婦、授乳中の女性は注意すること。
  ・健康な成人は最大400 mg/(コーヒーをマグカップ(237 ml入り)で約3杯)までとする。

  ・カフェインの影響がより大きい妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は最大300 mg/(マグカップで約2杯)までとする。
  ・ 子供はカフェインに対する感受性が高いため、4歳~6歳の子供は最大45mg/日、7歳~9歳の子供は最大62.5mg/日、10歳~12歳の子供は最大85mg/(355ml入り缶コーラ1~2本に相当)までとする。
  ・ 13 歳以上の青少年については、データが不十分なため、確定した勧告は作成しなかったが、一日当たり2.5mg/kg 体重以上のカフェインを摂取しないこと。
   (参考)Health Canada Reminds Canadians to Manage Caffeine Consumption(2010)
http://www.healthycanadians.gc.ca/recall-alert-rappel-avis/hc-sc/2010/13484a-eng.php


○国内におけるカフェインに関する情報
・農林水産省「カフェインの過剰摂取について」 

・食品安全委員会ファクトシート「食品中のカフェイン

 


 

 

 

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Q.2 カフェインはどのような食品にどのくらい含まれているのでしょうか。また、健康被害を予防するために注意すべきことはありますか。

 

 

A.2

 カフェインは、コーヒー、紅茶、緑茶などの日常的に摂取する食品に含まれています。また、コーラなどの清涼飲料水にもカフェインが含まれています。特に、カフェインを多く添加した、いわゆるエナジードリンクなどでは、コーヒー、紅茶、緑茶などより多くのカフェインを含む製品もあります。

 

 いわゆるエナジードリンクなどは、缶や瓶1本当たりにすると、コーヒー2杯分に相当するカフェインを含むものもありますので、製品に記載されている表示をよく確認の上、子供、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方などは飲用を控えることや、他のカフェインを含有する製品を併せて喫食しないことのほか、1日に何本も飲まないように注意しましょう。

 

 また、カフェインを含有する医薬品を服用する場合は、多量のカフェインを一度に摂取することから、カフェインを含有する飲料との併用は避ける必要があります。医薬品の使用方法などを記載した「添付文書」において、コーヒーやお茶などのカフェインを含有する飲料と同時に服用しないよう注意喚起がなされていますので、添付文書をよく読み、用法・用量をよく守って服用してください。

 

 なお、カフェインを多く含む清涼飲料水とお酒(アルコール)の同時摂取について、米国疾病予防管理センター(CDC)は、カフェインがアルコールによる機能低下を隠すことにより、アルコールを飲み過ぎてしまい、結果としてアルコールによる健康への悪影響を受けやすくなると指摘しています。

 

(参考)
食品中のカフェイン濃度  

食品名

カフェイン濃度

備考

カフェインを多く添加した清涼飲料水

32 300 mg/100 mL

製品によって、カフェイン濃度、

内容量が異なる。

インスタントコーヒー

(顆粒製品)

1杯当たり80 mg

g使用した場合

コーヒー(浸出液)

60 mg/100 mL

浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL

紅茶(浸出液)

30 mg/100 mL

浸出法:茶5 g、熱湯360 mL1.5~4 分

せん茶(浸出液)

20 mg/100 mL

浸出法:茶10 g90430 mL、1 分

ほうじ茶(浸出液)

20 mg/100 mL

浸出法:茶15 g90650 mL0.5

ウーロン茶(浸出液)

20 mg/100 mL

浸出法:茶15 g90650 mL0.5

玄米茶(浸出液)

10 mg/100 mL

浸出法:茶15 g90650 mL0.5

 


カフェインを多く添加した清涼飲料水は、市販4製品の成分表示等(2017年5月29日、一般社団法人全国清涼飲料工業会調べ)
コーヒー、インスタントコーヒー、紅茶、せん茶等は、文部科学省「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より引用

 

一般社団法人全国清涼飲料工業会の注意喚起  

日本OTC医薬品協会の注意喚起

○米国疾病予防管理センター(CDC

 エナジードリンクとアルコールを混ぜて飲むと、エナジードリンク中のカフェインがアルコールによる機能低下を隠してしまいます。なお、カフェインはアルコールの代謝に影響しません。呼気中のアルコール濃度を低下させることもありません。

 カフェイン入りのエナジードリンクをお酒(アルコール)と混ぜて飲むと、アルコールを飲み過ぎてしまい、結果としてアルコールによる健康への悪影響を受けやすくなります。

(参考) Fact Sheets Caffeine and Alcohol  
 

 

 

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Q.3 カフェインを多く含む食品に関する注意喚起表示はどのようになっていますか。

 

 

A.3

 いわゆるエナジードリンクのような、添加したカフェインを一定量以上含む清涼飲料水については、清涼飲料水の製造・販売事業者が会員となっている(一社)全国清涼飲料連合会が「カフェインを多く添加した清涼飲料水(いわゆるエナジードリンクを含む)の表示に関するガイドライン」を作成し、これに基づきカフェイン量とともに小児や妊婦等に対して飲用を控える旨の表示が行われるよう取り組まれています(平成31年4月1日公表)。

 A2のとおり、製品に記載されている表示をよく確認の上、子供、妊婦、授乳中の方、カフェインに敏感な方などは飲用を控えることや、他のカフェインを含有する製品を併せて喫食しないことのほか、1日に何本も飲まないように注意しましょう。
 
 
○一般社団法人全国清涼飲料工業会が作成した表示のガイドライン
  http://j-sda.or.jp/manufacturing/caffeine-guidelines.php
 [ガイドラインにおける表示の指針]
  ・対象
   食品添加物としてカフェインを添加し、その濃度が100 mlあたり21mg以上の清涼飲料水。※濃縮飲料では、希釈後飲用時の濃度が対象。
  ・表示
    1)  1本あたりのカフェイン量の表示と、適量の飲用を促す表示
     (例)「この製品には1本あたり100mgのカフェインが含まれています。適量の飲用をお願いします。」
    2) 小児ほかカフェインに敏感な方の飲用を控えていただく旨の表示
     (例)「お子様、妊婦、授乳期の方やカフェインに敏感な方は飲用をお控えください。」
  ・禁止事項
   製品ラベルには、酒類と一緒に飲用することを誘引・促進・想起させる表示を行わない。
 

 

 

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