トップページ


III 調査結果

1 生産・売上、所定外労働時間、雇用

(1) 生産・売上

 イ 製造業の生産判断D.I.は、12年7〜9月期実績プラス10ポイントと引き
  続きプラスとなった。先行きは、12年10〜12月期実績見込プラス2ポイン
  ト、13年1〜3月期見込プラス1ポイントと、ともにプラスとなっている(
  1図第1表)。

 ロ 卸売・小売業,飲食店の売上判断D.I.は、12年7〜9月期実績マイナス7
  ポイントとなった。先行きは、12年10〜12月期実績見込マイナス6ポイン
  ト、13年1〜3月期見込マイナス2ポイントとマイナス幅は縮小している(
  1図第1表)。

 ハ サービス業の売上判断D.I.は、12年7〜9月期実績プラス4ポイントとプ
  ラスになった。先行きは、12年10〜12月期実績見込マイナス1ポイント、
  13年1〜3月期見込プラス1ポイントとなっている(第1図第1表)。

 ニ 製造業について業種別にみると、12年7〜9月期実績は消費関連業種でマイ
  ナス8ポイント、素材関連業種でプラス13ポイント、機械関連業種でプラス1
  6ポイントとなった。先行きは、消費関連業種で12年10〜12月期実績見込
  プラス2ポイント、13年1〜3月期見込マイナス1ポイント、素材関連業種で
  12年10〜12月期実績見込マイナス4ポイント、13年1〜3月期見込マイ
  ナス3ポイント、機械関連業種で12年10〜12月期実績見込プラス5ポイン
  ト、13年1〜3月期見込プラス4ポイントとなっている(第1表)。
 
(2) 所定外労働時間

 イ 製造業の所定外労働時間判断D.I.は、12年7〜9月期実績プラス14ポイ
  ントと引き続きプラスとなった。先行きは、12年10〜12月期実績見込0ポ
  イント、13年1〜3月期見込マイナス5ポイントとなっている(第2図第1
  )。

 ロ 卸売・小売業,飲食店の所定外労働時間判断D.I.は、12年7〜9月期実
  績マイナス2ポイントと引き続きマイナスとなった。先行きは、12年10〜1
  2月期実績見込マイナス8ポイント、13年1〜3月期見込マイナス5ポイント
  となっている(第2図第1表)。

 ハ サービス業の所定外労働時間判断D.I.は、12年7〜9月期実績プラス5ポ
  イントとプラスになった。先行きは、12年10〜12月期実績見込マイナス4
  ポイント、13年1〜3月期見込マイナス3ポイントとなっている(第2図
  1表)。

(3) 雇 用

 <1> 常用雇用

 イ 製造業の常用雇用判断D.I.は、12年7〜9月期実績マイナス8ポイントと
  前期よりマイナス幅が大きく縮小した。先行きは、12年10〜12月期実績
  見込マイナス7ポイント、13年1〜3月期見込マイナス9ポイントとなってい
  る(第3図第1表)。

 ロ 卸売・小売業,飲食店の常用雇用判断D.I.は、12年7〜9月期実績マイ
  ナス13ポイントと前期よりマイナス幅が大きくに縮小した。先行きは、12年
  10〜12月期実績見込、13年1〜3月期見込ともマイナス8ポイントとなっ
  ている(第3図第1表)。

 ハ サービス業の常用雇用判断D.I.は、12年7〜9月期実績マイナス4ポイ
  ントと前期よりマイナス幅が大きくに縮小した。先行きは、12年10〜12月
  期実績見込、13年1〜3月期見込とも0ポイントとなっている(第3図第1
  )。

 <2> パートタイム雇用

 イ 製造業のパートタイム雇用判断D.I.は、12年7〜9月期実績マイナス1ポ
  イントとなった。先行きは、12年10〜12月期実績見込プラス1ポイント、
  13年1〜3月期見込マイナス2ポイントとなっている(第4図第1表)。

 ロ 卸売・小売業,飲食店のパートタイム雇用判断D.I.は、12年7〜9月期実
  績マイナス1ポイントとなった。先行きは、12年10〜12月期実績見込、1
  3年1〜3月期見込ともマイナス1ポイントとなっている(第4図第1表)。

 ハ サービス業のパートタイム雇用判断D.I.は、12年7〜9月期実績プラス2
  ポイントとプラスとなっている。先行きは、12年10〜12月期実績見込マイ
  ナス1ポイント、13年1〜3月期見込プラス2ポイントとなっている(第4図、
  第1表)。


2 労働者の過不足状況

(1) 過不足

 イ 12年11月現在の全労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではプラス2ポ
  イントとなり、平成10年2月調査以来、2年9ヶ月ぶりにプラスとなった。
   これを雇用形態別にみると、常用労働者を「不足」とする事業所割合は、調査
  産業計では17%、建設業、製造業各15%、運輸・通信業30%、卸売・小売
  業,飲食店12%、金融・保険業31%、不動産業19%、サービス業20%と
  なっている。一方 、「過剰」とする事業所割合は調査産業計では19%、建設
  業22%、製造業23%、運輸・通信業10%、卸売・小売業,飲食店21%、
  金融・保険業15%、不動産業10%、サービス業12%となっている。(第5
  第2−1表)。
   この結果、常用労働者過不足判断D.I.は、調査産業計でマイナス2ポイント
  と4期連続でマイナス幅が縮小し、雇用過剰感は弱まっている。産業別では、建
  設業マイナス7ポイント、製造業マイナス8ポイント、運輸・通信業プラス20
  ポイント、卸売・小売業,飲食店マイナス9ポイント、金融・保険業プラス16
  ポイント、不動産業プラス9ポイント、サービス業プラス8ポイントとなってい
  る。これを前期と比べると、調査産業計では4ポイントの上昇、産業別では建設
  業で9ポイント、製造業で6ポイント、運輸・通信業で8ポイント、卸売・小売
  業,飲食店で3ポイント、金融・保険業、サービス業で各2ポイントの上昇、不
  動産業で5ポイントの低下となっている(第5図第2−1表)。

 ロ パートタイム労働者過不足判断D.I.は、調査産業計ではプラス12ポイント、
  建設業マイナス5ポイント、製造業プラス8ポイント、運輸・通信業プラス10
  ポイント、卸売・小売業,飲食店プラス17ポイント、金融・保険業プラス6ポ
  イント、不動産業プラス20ポイント、サービス業プラス17ポイントとなって
  いる(第2−1表)。

 ハ 常用労働者過不足判断D.I.を製造業について企業規模別にみると、規模1,
  000人以上事業所でマイナス10ポイント、規模300〜999人事業所でマ
  イナス4ポイント、規模100〜299人事業所でプラス1ポイント、規模30
  〜99人事業所でマイナス15ポイントとなっている(第6図)。
  
 ニ 職種別の労働者過不足判断D.I.は、調査産業計では、「専門・技術」プラス
  17ポイント、「販売」プラス9ポイント、「サービス」プラス10ポイント、
  「運輸・通信」プラス6ポイント、「技能工」プラス11ポイント、「単純工」
  プラス5ポイントとこれらの各職種では不足とする事業所割合が過剰とする事業
  所割合を上回っているのに対して、「管理」(マイナス14ポイント)、「事務」
  (マイナス10ポイント)とこれらの職種では過剰とする事業所割合が不足とす
  る事業所割合を上回っている。これを前期と比べると、「事務」及び「販売」は
  横ばい、「管理」、「専門・技術」、「サービス」、「運輸・通信」、「技能
  工」及び「単純工」は上昇し、雇用不足感は強まっている(第7図第2−2表)。

(2) 過不足の程度

   12年11月現在において常用労働者が「不足」と回答した事業所の「不足
  の程度」は、調査産業計では 、「やや不足」とする事業所の割合が全事業所の
  16%、「おおいに不足」が2%となっている。一方、常用労働者が「過剰」と
  回答した事業所の「過剰の程度」は、調査産業計では、「やや過剰」が18%、
  「おおいに過剰」が1%となっている。また、「適当」とする事業所の割合は6
  3%となっている(第3表)。


 雇用調整

  12年7〜9月期に何らかの雇用調整を実施した事業所の割合は、調査産業計で
 は20%と引き続き低下した(20%以下となるのは平成9年7〜9月期(19%)
 以来)。産業別では、建設業21%、製造業25%、運輸・通信業14%、卸売・
 小売業,飲食店21%、金融・保険業13%、不動産業11%、サービス業14%
 となった。前期と比べると、調査産業計では3ポイントの低下となり、産業別では
 卸売・小売業,飲食店、不動産業で横ばい、その他の産業では低下した。(第8図、
 第4表)。
  製造業について企業規模別にみると、規模1,000人以上事業所で33%、規
 模300〜999事業所で25%、規模100〜299人事業所で17%、規模3
 0〜99人事業所で15%となった(第9図)。
  雇用調整の実施予定事業所割合は、調査産業計では、12年10〜12月期予定、
 13年1〜3月期予定とも20%となっている。また、産業別では、12年10〜
 12月期予定は12年7〜9月期実績と比べ建設業、卸売・小売業,飲食店で各2
 ポイントの低下、金融・保険業で1ポイントの低下、不動産業、サービス業で横ば
 い、製造業、運輸・通信業で各1ポイントの上昇となっている(第4表)。
  12年7〜9月期実績における雇用調整の実施方法(複数回答)は、調査産
 業計では「残業規制」11%の割合が最も高く、次いで「配置転換」7%、「出向」
 6%となっている(第10図第4表)。


 中途採用

  中途採用「あり」とする事業所の割合は、12年7〜9月期実績では、調査産業
 計44%と前年同期(11年7〜9月期実績)と比べると4ポイントの上昇となっ
 ている。産業別では、建設業31%、製造業、運輸・通信業各42%、卸売・小売
 業,飲食店48%、金融・保険業46%、不動産業47%、サービス業54%とな
 った。産業別に前年同期を比べると、特に製造業で9ポイントの上昇となっている
 (第5表)。


 事業の見直しと雇用面での対応

(1) 事業の見直し実施状況

    過去1年間に事業の見直しを実施した事業所割合は、調査産業計では34%
   となっている。前期と比べ2ポイント低下した。見直しを実施した事業所割合
   を産業別にみると、製造業が39%と最も高く、次いで卸売・小売業,飲食店
   33%、不動産業、サービス業で各31%となっている。
    製造業について企業規模別にみた実施事業所割合は、規模1,000以上事
   業所で45%、規模300〜999人事業所で36%、規模100〜299人
   事業所で33%、規模30〜99人事業所で32%となっている。
    また、今後1年間に実施する予定の事業所割合は、調査産業計では30%と
   なっている。実施する事業所割合を産業別にみると、すべての産業で過去1年
   間に比べ、今後1年間の事業所割合が低くなっている(第6表)。

(2) 事業の見直し方法

    過去1年間に事業の見直しを実施した事業所における見直し方法(複数回答)
   は、調査産業計では「組織再編成による管理事務部門の縮小」、「不採算事業
   部門の縮小」の割合が各9%と、最も高く、前年同期と比べると、それぞれ3
   ポイント及び2ポイント減少している。
    これを産業別にみると、卸売・小売業,飲食店で「不採算事業部門の縮小」
   割合(13%)が高く、金融・保険業で「組織再編成による管理事務部門の縮
   小」の割合(12%)が高くなっている。
    また、今後1年間の実施予定事業所における見直し方法(複数回答)につい
   ても、調査産業計では、「新規部門(市場)への進出」及び「不採算事業部門
   の縮小」各7%で最も高くなっている。(第7表)。

(3) 事業の見直しに伴う雇用面での対応方法

    過去1年間に事業の見直しを実施した事業所における雇用面での対応方法
   (複数回答)は、調査産業計では「配置転換」13%、「新規学卒採用の抑制」
   9%となっている。また、前年同期と比べると「中途採用の実施・拡大」2ポ
   イントの増加、「新規学卒採用の抑制」3ポイントの減少、「配置転換」及び
   「希望退職者の募集、解雇等による従業員の削減」各2ポイントの減少となっ
   ている。
        今後1年間の実施予定事業所における雇用面での対応方法(複数回答)につ
   いては、調査産業計では「配置転換」が10%で最も高い割合となっている(
   第8表)。

                                  TOP

                                トップページ