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III 調査結果

1 労働時間制度
 (1) 所定労働時間
  イ 1日の所定労働時間
    1日の所定労働時間は、1企業平均7時間40分(前年7時間40分)、労働者
   1人平均7時間41分(同7時間41分)で、ともに前年と同じとなった。企業規
   模別に1企業平均をみると、規模間格差はほとんどみられない。産業別にみる
   と、不動産業は7時間26分、金融・保険業は7時間28分で他の産業に比べやや
   短くなっている(第1表)。
 
  ロ 週所定労働時間
    週所定労働時間をみると、1企業平均39時間14分(前年39時間23分)、労働
   者1人平均38時間41分(同38時間45分)となり、前年に比べ、1企業平均で9
   分、労働者1人平均で4分短縮した(第1図第2表第3表)。
    企業規模別に1企業平均週所定労働時間をみると、1,000人以上規模 38時間
   28分、300〜999人規模38時間41分、100〜299人規模38時間56分、30〜99人規模
   39時間24分となっている(第2表)。
    産業別に1企業平均週所定労働時間をみると、金融・保険業は37時間19分と
   最も短く、次いで電気・ガス・熱供給・水道業及び不動産業ともに38時間17分
   となっている。一方、建設業は39時間46分と最も長く、運輸・通信業及び卸売
   ・小売業,飲食店(ともに39時間19分)で比較的長くなっている(第2表)。
    週所定労働時間が「40時間以下」の企業の割合は、95.3%(前年92.1%)
   で、前年に比べ 3.2ポイント上昇した。これを企業規模別にみると、いずれの
   規模も企業の割合が9割を超えている。また、産業別にみても、いずれの産業
   も9割を超えている(第2表)。
 

 (2) 週休制
    週休制の形態(注)をみると、「何らかの週休2日制」を採用している企業
   の割合は91.3%(前年90.5%)で、前年に比べ 0.8ポイント上昇した。一方、
   「週休1日制又は週休1日半制」は8.7%(同 9.4%)で0.7ポイント低下した
   (第2図第4表)。
    「何らかの週休2日制」を採用している企業の割合を、企業規模別にみると、
   1,000人以上規模98.9%、300〜999人規模97.6%、100〜299人規模94.5%、
   30〜99人規模 89.4 %となっている。また、産業別にみると、金融・保険業は
   100.0%、電気・ガス・熱供給・水道業は 98.3%で他の産業に比べ、割合が高
   い(第4表)。
    「何らかの週休2日制」が適用されている労働者の割合は95.8%(前年95.6
   %)で、これを企業規模別にみると、1,000人以上規模 98.0%、300〜999人規
   模97.1%、100〜299人規模94.7%、30〜99人規模91.7%となっている
   (第2図第5表)。
    「完全週休2日制」を採用している企業の割合は33.4%(前年35.2%)で、
   これを企業規模別にみると、1,000人以上規模 75.7%(同73.3%)、300〜999
   人規模58.6%(同57.2%)、100〜299人規模38.7%(同38.4%)、30〜99人規
   模 28.2%(同31.1%)となっている。前年と比べると、100人以上の各規模で
   は上昇したが、30〜99人規模のみ2.9ポイント低下した(第2図第4表)。
    「完全週休2日制」が適用されている労働者の割合は58.7%(前年59.2%)
   で、これを企業規模別にみると、1,000人以上規模 82.5 %、 300〜999人規模
   61.8%、100〜299人規模39.1%、30〜99人規模30.4%となっている
   (第2図第5表)。

    (注) 労働者によって適用する週休制が異なる企業については、最も多くの
      労働者に適用している週休制の形態を当該企業の週休制の形態とした。
 

 (3) 年間休日総数
    年間休日総数は、1企業平均 105.0日(前年 104.1日)となり、前年に比べ
   0.9日増加した。これを企業規模別にみると、1,000人以上規模117.5日、300〜
   999人規模112.9日、100〜299人規模108.0日、30〜99人規模103.0日と規模が小
   さくなるほど年間休日総数は少なくなっている。産業別にみると、金融・保険
   業は119.9日で最も多く、鉱業は99.2日と最も少なくなっている(第6表)。
 

 (4) 年次有給休暇の取得状況
    平成11年(又は平成10会計年度)1年間に企業が付与した年次有給休暇日
   数(繰越日数は除く。)は、労働者1人平均17.8日(前年17.5日)となってい
   る。そのうち、労働者が取得した日数は9.0日(同9.1日)で、取得率(付与日
   数に対する取得日数の割合)は50.5%(同51.8%)となり、前年に比べ 1.3ポ
   イント低下した(第3図第7表)。
    取得率を企業規模別にみると、規模が小さくなるほど低くなっている。産業
   別にみると、卸売・小売業,飲食店(37.0%)、建設業(37.4%)で低く、電
   気・ガス・熱供給・水道業(80.2%)では高くなっている。(第3図第7表)。
    前年と比べると、付与日数は、いずれの規模も増加したが、取得日数はほぼ
   前年並みだったため、取得率はすべての規模で低下した。
 

 (5) 変形労働時間制の採用状況
    変形労働時間制を採用している企業の割合は53.0%(前年54.8%)で、前年
   に比べて 1.8ポイント低下した。これを種類別(複数回答)にみると、「1年
   単位の変形労働時間制」は33.3%(前年34.3%)、「1カ月単位の変形労働時
   間制」は16.6%(同17.5%)、「フレックスタイム制」は5.7%(同5.1%)と
   なっている。これを企業規模別にみると、「1年単位の変形労働時間制」は、
   小規模で割合が高く、一方、「1カ月単位の変形労働時間制」及び「フレック
   スタイム制」は規模が大きくなるほど割合が高くなっている。特に、「フレッ
   クスタイム制」は規模間格差が大きく、1,000人以上規模で 35.7%となってい
   る(第4図第8表)。
    変形労働時間制が適用される労働者の割合は48.2%(前年48.5%)となって
   いる。これを種類別(複数回答)にみると、「1年単位の変形労働時間制」は
   21.3%(同22.5%)、「1カ月単位の変形労働時間制」は18.8%(同18.2%)、
   「フレックスタイム制」は8.1%(同7.7%)となっている(第9表)。   
 

 (6) みなし労働時間制の採用状況
    みなし労働時間制を採用している企業の割合は9.2%(前年8.0%)となって
   いる。これを企業規模別にみると、1,000人以上規模 16.8%、300〜999人規模
   14.0%、100〜299人規模12.7%、 30〜99人規模7.5%となっている。産業別に
   みると、採用している企業の割合が高い産業は卸売・小売業,飲食店の14.0%、
   次いでサービス業の 9.9%となっている。また、みなし労働時間制を適用され
   ている労働者の割合は5.1%(同5.0%)となっている(第10表第11表)。
    みなし労働時間制の種類別(複数回答)に採用している企業の割合をみると、
   「事業場外労働のみなし労働時間制」は8.5%(同7.2%)、「裁量労働のみな
   し労働時間制」は1.9%(同2.1%)となっている(第10表)。
 

 (7) 所定内深夜労働
    深夜(午後10:00〜午前5:00)の所定内労働がある企業の割合は 25.2%とな
   っている。この内訳(複数回答)をみると、「交替制勤務の所定内深夜労働」
   は17.5%、「交替制勤務以外の所定内深夜労働」は9.0%となっている
   (第5図第12表)。
    女性の所定内深夜労働者がいる企業の割合は 4.3%で、そのうち、交替制の
   所定内深夜労働者がいる企業の割合は 2.0%、交替制以外の所定内深夜労働者
   がいる企業の割合は2.4%となっている(第5図第12表)。
    女性の所定内深夜労働者がいる企業の割合を企業規模別にみると、 1,000人
   以上規模は 15.6%、300〜999人規模は 10.1%、100〜299人規模は 7.5%、30
   〜99人規模は 2.4%となっている(第12表)。
    交替制勤務の所定内深夜労働がある企業について、主な交替制の形態別(複
   数回答)にみると、2交替制 44.4%、3交替制 24.0%、労働者ごとの交替制
   22.6%、1昼夜交替制9.0%となっている(第13表)。


2 賃金制度
 (1) 賃金構成
    平成11年11月の労働者1人平均月間の賃金総額(賞与は除く。)は 356,253
   円(前回8年 355,625円)、そのうち所定内賃金は321,859円(同318,242円)
   となっている。
    労働者1人平均月間の賃金総額の内訳をみると、所定内賃金は賃金総額の
   90.3%(同89.5%)、基本給は 75.8%、諸手当は14.6%、所定外賃金は9.7%
   となっている。
    諸手当を企業規模別にみると、規模が小さいほど賃金総額に占める割合が高
   く、また、産業別にみると、不動産業、運輸・通信業で割合が高い(第14表)。


 (2) 諸手当
    平成11年11月に各手当を支給した企業の割合をみると、 通勤手当が 86.6%
   (前回8年89.9%)で最も高く、次いで役付手当が85.2%(同86.7%)、家族
   ・扶養手当が77.3%(同79.8%)、技能・技術手当が49.4%(同49.7%)、住
   宅手当が49.2%(同47.8%)となっている。前回8年と比べると、支給した企
   業の割合が低下した手当が多くなっている(第6図第15表)。
    各手当について、支給された労働者1人平均の支給額をみると、個人別業績
   手当が55,081円で最も高く、次いで役付手当が39,601円、単身赴任・別居手当
   が38,045円となっている(第16表)。

 (3) 賃金制度の改定状況
  イ 過去3年間の賃金制度の改定状況
    平成9年から11年までの3年間の賃金制度の改定について、12項目の代
   表的な改定(第17表参照)のいずれかを行った企業の割合は53.0%(前回8
   年49.7%)で、8年調査に比べ 3.3ポイント上昇した。これを企業規模別にみ
   ると、1,000人以上規模 71.3%、300〜999人規模65.4%、100〜299人規模56.0
   %、30〜99人規模 50.3%と、いずれの規模も5割を超え、中でも1,000人以上
   規模では7割を超えている(第7図第17表)。
    過去3年間の賃金制度の改定状況を、改定内容(12項目の複数回答)別に企
   業の割合でみると、「昇給幅の縮小」が30.1%と最も高く、次いで「職務遂行
   能力に対応する賃金部分の拡大」の15.8%、「業績・成果に対応する賃金部分
   の拡大」の15.5%、「職務、職種など仕事の内容に対応する賃金部分の拡大」
   の11.3%、「昇給幅の拡大」の10.5%、「定期昇給の廃止」の10.5%などの順
   となっている(第8図第17表)。
    これを8年調査と比べると、「昇給幅の縮小」は 6.8ポイント、「定期昇給
   の廃止」は6.7ポイント上昇し、「昇給幅の拡大」は1.4ポイント、「賃金表の
   導入」は1.6ポイント低下した(第17表)。
    改定項目について、企業規模別にみると、「昇給幅の縮小」はいずれの規模
   でもほぼ3割と高くなっている。「業績・成果に対応する賃金部分の拡大」は
   1,000人以上規模で 38.8%と最も高くなっている。また、「職能資格制度の改
   定・導入」、「年俸制の改定・導入」、「賃金表の導入」においても、他の規
   模に比べ特に1,000人以上規模での割合が高くなっている(第17表)。

  ロ 改定予定
    今後3年間で前述イの12項目のいずれかについて賃金制度の改定を予定して
   いる企業の割合は39.7%となっている。改定内容別(複数回答)にみると、
   「業績・成果に対応する賃金部分の拡大」が22.3%と最も高く、次いで「職務
   遂行能力に対応する賃金部分の拡大」の20.8%、「昇給幅の縮小」の15.1%、
   「職務、職種など仕事の内容に対応する賃金部分の拡大」13.5%などの順とな
   っている(第8図第18表)。
    今後3年間の賃金制度の改定予定を企業規模別にみると、「業績・成果に対
   応する賃金部分の拡大」や「職務遂行能力に対応する賃金部分の拡大」につい
   ては、いずれの規模も他の改定項目に比べ割合が高く、特に 1,000人以上規模
   では、「業績・成果に対応する賃金部分の拡大」が37.9%と最も高くなってい
   る(第18表)。



3 資産形成援助制度
 (1) 資産形成に関する援助制度
    「貯蓄制度」、「住宅資金融資制度」、「持株援助制度」及び「社内保険援
   助制度」のいずれかを採用している企業の割合は80.1%となっている。内訳
   (複数回答)をみると、「貯蓄制度」は65.2%(前回8年69.1%)、「社内保
   険援助制度」は45.4%(同51.5%)、「住宅資金融資制度」は12.6%(前回6
   年18.4%)、「持株援助制度」は11.8%(前回8年11.0%)(株式会社を
   100.0とした割合は13.1%)となっている。
    持株援助制度を除くいずれの援助制度も、前回調査に比べ採用している企業
   の割合が低下している(第9図第19表)。


 (2) 貯蓄制度
    貯蓄制度がある企業の割合を貯蓄制度の内訳別(複数回答)にみると、「財
   形貯蓄」は61.8%(前回8年66.5%)、「社内預金」は7.4%(同8.6%)、
   「その他の貯蓄制度」は5.8%(同6.0%)といずれも前回に比べ低下している。
   貯蓄の種類を企業規模別にみると、いずれの制度も規模が大きくなるほど割合
   が高くなっている(第20表)。
    「財形貯蓄」を採用している企業について、その種類(複数回答)を企業の
   割合でみると、「一般財形貯蓄」は58.6%、「財形年金貯蓄」は36.4%、「財
   形住宅貯蓄」は34.6%となっている(第10図第20表)。


 (3) 住宅資金融資制度
    住宅資金融資制度がある企業の割合を、企業規模別にみると、 1,000人以上
   規模69.3%(前回6年 76.0%)、300〜999人規模40.8%(同44.0%)、100〜
   299人規模19.1%(同25.4%)、30〜99人規模6.2%(同11.7%)となり、規模
   が大きいほど割合が高く、規模間格差が大きい。また、前回調査に比べいずれ
   の規模も低下している。産業別にみると、金融・保険業は52.8%(同58.0%)、
   電気・ガス・熱供給・水道業は44.5%(同52.4%)で他の産業に比べ高い。ま
   た、前回調査と比べると、低下した産業が多い(第21表)。


 (4) 持株援助制度
    会社組織が株式会社である企業のうち、持株援助制度がある企業の割合を、
   企業規模別にみると、1,000人以上規模 68.2%(前回8年69.5%)、300〜999
   人規模43.8%(同36.2%)、100〜299人規模14.9%(同16.8%)、30〜99人規
   模7.4%(同5.8%)となり、規模が大きいほど割合が高く、また、規模間格差
   が大きい(第11図第22表)。
    株式会社のうち、ストックオプション制度がある企業の割合は、 0.6%とな
   っている(第22表)。


 (5) 社内保険援助制度
    社内保険援助制度がある企業の割合を、企業規模別にみると、 1,000人以上
   規模48.0%(前回8年 45.8%)、300〜999人規模43.0%(同48.5%)、100〜
   299人規模40.3%(同45.9%)、 30〜99人規模47.0%(同53.7%)となってい
   る(第23表)。



4 職場外活動に対する支援・援助制度
 (1) 職場外活動の支援・援助制度の有無
    職場外活動に対する支援・援助制度がある企業の割合を、対象となる活動別
   (複数回答)にみると、「自己啓発のための社外講座や研修への参加」は35.9
   %(前回8年16.4%)で、前回調査に比べ19.5ポイント増と大幅に上昇した。
   「リフレッシュ活動」は14.2%(同7.7%)、「ボランティア活動」は4.2%と
   なっている。これを企業規模別にみると、いずれの支援・援助制度においても
   規模が大きくなるほど割合が高くなっている。特に、1,000人以上規模では、
   「リフレッシュ活動」が5割を超え、「ボランティア活動」は他の規模に比べ
   24.6%と割合が高い(第12図第24表)

 (2) 支援・援助制度の内容
    「自己啓発のための社外講座や研修への参加」を支援・援助する制度のある
   企業について、その内容別(複数回答)に企業の割合でみると、「金銭的支援」
   は79.8%と最も高く、次いで「情報提供」は44.8%、「斡旋・その他」は32.7
   %などとなっている。これを企業規模別にみると、支援・援助内容による規模
   間格差はあまり見られない(第25表)。
    「リフレッシュ活動」を支援・援助する制度のある企業について、その内容
   別(複数回答)に企業の割合でみると、「休暇制度がある」は79.3%、「金銭
   的支援」30.1%などとなっている(第26表)。
    「ボランテイア活動」を支援・援助する制度がある企業について、その内容
   別(複数回答)に企業の割合をみると、「休暇制度がある」は53.0%と最も高
   く、次いで「情報提供」は22.2%、「金銭的支援」は18.8%となっている。こ
   れを企業規模別にみると、「休暇制度がある」は規模が大きくなるほど割合が
   高く、特に1,000人以上規模は83.8%、300〜999人規模は71.1%と高い
   (第27表)。

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