平成12年度第2回目安に関する小委員会(議事要旨)


  日時
平成12年7月11日(火)15:00〜17:00
  場所厚生省別館共用第11会議室
  出席者 
公益代表委員 4名
労働者側代表委員 4名
使用者側代表委員 4名
議事概要
(1) 事務局より、「平成12年度賃金改定状況調査」(資料)につき説明が行われ、質疑応答がなされた。
(2) 労使双方より、別添1及び別添2のとおり、本年度の目安についての労使双方の基本的考え方の表明がなされた。
(3) 上記(2)のほか、労使各委員より述べられた主な意見は以下のとおり。
労働者側委員
(イ) 最低賃金は生活の底割れを防ぐためのものであり、その社会的使命を担っていることを認識すべき。
(ロ) 組織労働者ですら給与所得の減少にあっているのに、未組織というこれ以上下げたら困る人達を同じ構図の中で議論すべきではない。
(ハ) 最低賃金は一般労働者の賃金水準との比較で考えるべきであり、ここ20年、最低賃金は一般労働者の賃金水準との関係では改善されていない。
(ニ) 景況に対する認識は楽観できる状況とは考えていないが、日銀短観、中小企業金融公庫のDIなどをみても上向きであることは事実。
(ホ) 定昇とベアの関係については、賃金制度がシステム化されている企業の概念であり、定昇のシステムが確立していない中小企業に多く適用される最低賃金に結びつけるのは疑問。
(ヘ) 家計の実収入と消費支出を5分位別にみると、低収入世帯は収入がマイナス、消費支出はそれ以上のマイナスと大変厳しい状況にある。
(ト) 苦しい状況といいながら、昨年0.9%引き上げても影響率は0.2ポイント下がった。もっと水準の引上げに努力すべきだったと思っている。
  使用者側委員
(イ) 日銀短観は改善傾向というがその実感はない。大企業よりも中小は厳しい。
(ロ) 毎年改定を行っているのは日本とフランスくらいであり、その他の国は何年も据え置いている。経済状況によっては据え置くという柔軟な対応があっても良く、日本も切り替えの時期にきている。
(ハ) 最低賃金は平成7年度以降の所定内給与等の伸びに比べて引き上げすぎであり、平成9年度の水準で据え置くべきだった。
(ニ) 定昇とベアについては分けて考えるべきであり、ベアは賃金表の書き換えのある根っこである。実態としては初任給は上がっておらず、今年の賃金引上げは定昇分であってベア分ではないと考えられ、根っこが改定されていない以上、最低賃金を引き上げる必要はない。
(ホ) 最低賃金が低ければ良いと思っているのではなく、メリハリをつけて考えなければ形骸化しかねないと考えている。
(ヘ) 景気が明るくなってきているのはそのとおりであるが、昨年、一昨年はこれから景気が悪くなるのを前提に議論を行ってきことを念頭に置くべき。
(ト) 中小企業を対象に、全国中小企業団体中央会が調査を行った結果によると、凍結事業所割合は今年も45.9%と引き続き高水準である。
 (4) 委員長より、次回の第3回目安に関する小委員会については、7月21日(金)午前10時半より恵比寿会館で行う旨発言がなされた。



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