１ 身体障害児数

（１）全国の１８歳未満の身体障害児数（在宅）は、８１，６００人（人口比０．３％）と推計される。

（２）前回（平成３年１１月）調査の８１，０００人（人口比０．３％）に比較すると、０．７％増加している。

（３）障害の種類別にみると、肢体不自由が４１，４００人、内部障害が１８，２００人、聴覚・言語障害が１６，４００人、視覚障害が５，６００ 人であり、肢体不自由は全身体障害児の約５割を占めている。

表II−１ 障害の種類別にみた身体障害児数の年次推移

	実 数 ( 人 ）						構 成 比 （ ％ ）
	総　数	視覚 障害	聴覚・ 言語障害	肢体 不自由	内 部 障 害	重複 障害 （再掲）	総　数	視覚 障害	聴覚・ 言語障害	肢体 不自由	内 部 障 害	重 複 障 害 （再掲）
４０年	116,600	14,400	26,000	76,200	-	41,400	100.0	12.3	22.3	65.4		35.2
４５年	93,800	7,000	23,700	57,500	5,600	12,600	100.0	7.5	25.3	61.3	6.0	13.4
６２年	92,500	5,800	13,600	53,300	19,800	6,600	100.0	6.3	14.7	57.6	21.4	7.1
３年	81,000	3,900	11,200	48,500	17,500	6,300	100.0	4.8	13.8	59.9	21.6	7.8
８年	81,600	5,600	16,400	41,400	18,200	3,900	100.0	6.9	20.1	50.7	22.3	4.8

	前 回 比 （ ％ ）
	総　数	視覚 障害	聴覚・ 言語障害	肢体 不自由	内部 障害	重複 障害 （再掲）
４０年
４５年	80.5	48.6	91.2	75.5	-	30.7
６２年	98.6	82.9	57.4	92.7	353.6	52.4
３年	87.6	67.2	82.4	91.0	88.4	95.5
８年	100.7	143.6	146.4	85.4	104.0	61.9

２ 身体障害児の年齢階層別状況

（１）年齢階層別に身体障害児数の構成比をみると、１０〜１４歳の階層が最も多く３１．６％を占めており、年齢階層が低くなるに従って、その構成比は減少している。

（２） 障害の種類別に年齢階層別の分布をみると、５〜９歳の階層で聴覚・言語障害の占める割合が最も多いのに対し、１０〜１４歳の階層では内部障害、重複障害の占める割合が多く、１５〜１７歳の階層では視覚障害の占める割合が高い。

表II−２ 障害の種類別、年齢階層別にみた身体障害児の分布状況

（単位：人）

	総 数	0〜4歳	5〜9歳	10〜14歳	15〜17歳	不 詳
8年11月	81,600 (100.0)	17,700 (21.7)	21,100 (25.9)	25,800 (31.6)	15,500 (19.0)	1,400 ( 1.7)
3年11月	81,000 (100.0)	12,100 (14.9)	23,300 (28.8)	24,700 (30.5)	18,900 (23.3)	1,900 ( 2.3)
対前年比	100.7	146.3	90.6	104.5	82.0	73.7
8年の内訳 視覚障害	5,600 (100.0)	1,400 (25.0)	800 (14.3)	1,500 (26.8)	1,700 (30.4)	200 ( 3.6)
聴覚・ 言語障害	16,400 (100.0)	3,500 (21.3)	5,900 (36.0)	3,700 (22.6)	2,900 (17.7)	300 ( 1.8)
肢体不自由	41,400 (100.0)	7,600 (18.4)	11,000 (26.6)	15,400 (37.2)	6,900 (16.7)	500 ( 1.2)
内部障害	18,200 (100.0)	5,200 (28.6)	3,400 (18.7)	5,200 (28.6)	4,100 (22.5)	300 ( 1.6)
重複障害 （再掲）	3,900 (100.0)	1,000 (25.6)	1,000 (25.6)	1,700 (43.6)	200 ( 5.1)

（　）内は構成比（％）

（３）身体障害児の人口比は、人口１，０００人に対して３．３人であり、前回に比して１３．８％の増加である。また、年齢階層別身体障害児の出現率はほぼ横ばいになっている。

表II−３ 年齢階層別にみた身体障害児の人口比

（対千人）

	総数	0歳〜4歳	5歳〜9歳	10歳〜14歳	15歳〜17歳
8年11月	3.3	3.0	3.3	3.5	3.2
3年11月	2.9	1.9	3.2	3.0	3.3
対前回比	113.8％	157.9％	103.1％	116.7％	97.0％

３ 身体障害児の程度別状況

（１）身体障害の程度についてみると、１・２級の重い障害を有する身体障害児は、４５，９００人で、身体障害児総数の５６．３％を占め、重度の障害児の占める割合は高い。

（２）障害の種類別に１・２級の状態をみると、視覚障害では２，７００人（４８．２％）、聴覚・言語障害５，７００人（３４．８％）、肢体不自由では２９，５００人（７１．３％）、内部障害では８，０００人（４４．０％）となっており、肢体不自由では重度の身体障害の割合が非常に高い。

（３）重複障害についてみると、最も重い１級が４８．７％を占め、１・２級を合わせると６１．５％にのぼり、重度の障害が多いことがわかる。

表II−４ 障害の種類別・程度別にみた身体障害児の状況

（単位：人）

	実　　数
	総 数	１級	２級	３級	４級	５級	６級	不明
８年１１月	81,600	28,200	17,700	13,700	5,600	1,700	4,700	10,000
３年１１月	81,000	32,000	16,500	14,100	6,800	2,900	3,400	5,300
対前回比	100.7	88.1	107.3	97.2	82.4	58.6	138.2	188.7
８年の内訳
視覚障害	5,600	2,200	500	300	300	200	700	1,400
聴覚・言語障害	16,400	-	5,700	2,500	1,500	-	3,200	3,400
肢体不自由	41,400	18,200	11,300	5,100	1,700	1,500	800	2,700
内部障害	18,200	7,800	200	5,700	2,000	-	-	2,500
重複障害 （再掲）	3,900	1,900	500	500	200	-	-	800

構　成　比（％）
総数	１級	２級	３級	４級	５級	６級	不明
(100.0)％	(34.6)	(21.7)	(16.8)	( 6.9)	( 2.1)	( 5.8)	(12.3)
(100.0)	(39.5)	(20.4)	(17.4)	( 8.4)	( 3.6)	( 4.2)	( 6.5)
対前回比	(87.6)	(106.4)	(96.6)	(82.1)	(58.3)	(138.1)	(189.2)
5,600	(39.3)	( 8.9)	( 5.4)	( 5.4)	( 3.6)	(12.6)	(25.0)
16,400	( - )	(34.8)	(15.2)	( 9.1)	( - )	(19.5)	(20.7)
41,400	(44.0)	(27.3)	(12.3)	( 4.1)	( 3.6)	( 1.9)	( 6.5)
18,200	(42.9)	( 1.1)	(31.3)	(11.0)	( - )	( - )	(13.7)
3,900	(48.7)	(12.8)	(12.8)	(5.1)	( - )	( - )	(20.5)

４ 身体障害の原因別状況

　身体障害児を原因別にみると、疾病によるものが６０．７％、事故によるものが４．４％、不明は３０．３％、不詳は４．８％となっている。

表II−５ 障害の種類別にみた身体障害児の原因別状況

（単位：人）

	総　数	事　故			疾　病						不明	不詳
		交通 事故	その他の 事故	小計	出生時の損傷	感染症	中毒性疾患	その他の疾患	その他	小計
８年１１月	81,600 (100.0)	1,400 (1.7)	2,200 (2.7)	3,600 (4.4)	20,800 (25.5)	2,200 (2.7)	700 (0.9)	16,000 (19.6)	9,800 (12.0)	49,500 (60.7)	24,700 (30.3)	3,900 (4.8)
３年１１月	81,000 (100.0)	1,000 (1.2)	4,400 (5.4)	5,400 ( 6.7)	20,400 (25.2)	3,400 (4.2)	- ( - )	11,200 (13.8)	13,600 (16.8)	48,600 (60.0)	21,300 (26.3)	5,800 ( 7.2)
対前回比 ％	100.7	140.0	50.0	66.7	102.0	64.7	-	142.9	72.1	101.9	116.0	67.2
８年の内訳
視覚障害	5,600 (100.0)	- ( - )	800 (14.3)	800 (14.3)	1,400 (25.0)	- ( - )	200 ( 3.6)	800 (14.3)	1,000 (17.9)	3,400 (60.7)	700 (12.5)	700 (12.5)
聴覚・ 言語障害	16,400 (100.0)	- ( - )	- ( - )	- ( - )	2,700 (16.5)	1,200 (7.3)	- ( - )	1,700 (10.4)	2,000 (12.2)	7,600 (46.3)	8,300 (50.6)	500 (3.0)
肢体 不自由	41,400 (100.0)	1,400 (3.4)	1,400 (3.4)	2,800 (6.8)	12,300 (29.7)	500 (1.2)	200 ( 0.5)	7,800 (18.8)	4,600 (11.1)	25,400 (61.4)	11,100 (26.8)	2,200 (5.3)
内部障害	18,200 (100.0)	- ( - )	- ( - )	- ( - )	4,400 (24.2)	500 (2.7)	300 ( 1.6)	5,700 (31.3)	2,200 (12.1)	13,100 (72.0)	4,600 (25.3)	500 (2.7)
重複障害 （再掲）	3,900 (100.0)	- ( - )	- ( - )	- ( - )	700 (17.9)	200 (5.1)	- ( - )	700 (17.9)	1,000 (25.6)	2,600 (66.7)	1,000 (25.6)	300 ( 7.7)

（　） 内は構成比（％）

５ 身体障害児の疾病別状況

（１）身体障害児の原因を疾患別にみると、「脳性マヒ」（２２．８％）、「心臓疾患」（１８．４％）が多い。

（２）また、前回調査からの対前回比をみると、「進行性筋萎縮症」、「中耳性疾患」、「網膜絡膜・視神経系疾患」、「じん臓疾患」などの対前回比が目立っている。

表II−６ 疾患別にみた身体障害児の状況

（単位：人）

疾　患　名	８年１１月		３年１１月		増加率
					％
総　　　数	81,600	(100.0)	81,000	(100.0)	100.7
脳性マヒ	18,600	(22.8)	21,800	(26.9)	85.3
脊髄性小児マヒ	700	( 0.9)	1,000	( 1.2)	70.0
脊髄損傷I（対マヒ）	500	( 0.6)	1,900	( 2.3)	26.3
脊髄損傷II（四肢マヒ）	800	( 1.0)	1,900	( 2.3)	42.1
進行性筋萎性縮疾患	2,000	( 2.5)	500	( 0.6)	400.0
脳血管障害	1,900	( 2.3)	2,400	( 3.0)	79.2
脳挫傷	300	( 0.4)	調査項目なし
その他の脳神経疾患	3,400	( 4.2)	調査項目なし
骨関節疾患	1,000	( 1.2)	1,000	( 1.2)	100.0
リウマチ性疾患	-	( - )	-	( - )
中耳性疾患	1,000	( 1.2)	500	( 0.6)	200.0
内耳性疾患	3,700	( 4.5)	4,900	( 6.0)	75.5
角膜疾患	300	( 0.4)	500	( 0.6)	60.0
水晶体疾患	700	( 0.9)	-	( - )
網脈絡膜・視神経系疾患	1,000	( 1.2)	500	( 0.6)	200.0
じん臓疾患	1,500	( 1.8)	500	( 0.6)	300.0
心臓疾患	15,000	(18.4)	14,600	(18.0)	102.7
呼吸器疾患	500	( 0.6)	-	( - )
ぼうこう疾患	300	( 0.4)	-	( - )
大腸疾患	-	( - )	-	( - )
小腸疾患	200	(0.2)	500	( 0.6)	40.0
その他	18,600	(22.8)	14,100	(17.4)	131.9
不明	5,600	( 6.9)	6,300	( 7.8)	88.9
不詳	4,200	( 5.1)	8,200	(10.1)	51.2

(　)内は構成比（％）