無名戦没者の慰霊―春の千鳥ヶ淵戦没者墓苑

コラム「いま注目! 厚労省のススメ」

無名戦没者の慰霊―春の千鳥ヶ淵戦没者墓苑

コラム
2026.4.01

都内有数の桜の名所として知られる千鳥ヶ淵。そのすぐそばに、戦争で亡くなった無名戦没者を慰霊する「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」があります。ここには、各地で収集された御遺骨のうち、御遺族に引き渡すことができない御遺骨が納められています。また、例年5月下旬には厚生労働省主催で戦没者を慰霊する拝礼式が行われます。今回は、御遺骨を納める墓苑の施設と拝礼式、戦没者の遺骨収集事業についてご紹介します。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑と戦没者の遺骨収集事業

千鳥ヶ淵公園に隣接する千鳥ヶ淵戦没者墓苑。約1.6ヘクタールの敷地には、常緑樹を中心とした約4,000本の樹木が植えられています。苑内は厳かな空気に包まれ、戦争の記憶と向き合う場として多くの人々が訪れています。

墓苑の中心的な施設が「六角堂」です。各地で収集された御遺骨のうち、御遺族に引き渡すことができない御遺骨を安置する納骨堂で、先の大戦の6つの主要戦域を象徴して六角形になっています。六角堂の中央には陶棺が置かれ、その下には地下納骨室が設けられています。地下納骨室も主要戦域ごとに6室に分けられており、各室にそれぞれの戦域で収集された御遺骨が大切に安置されています。

これらの御遺骨は、国が責務として実施している「遺骨収集事業」によって収集されたものなどです。厚生労働省では、戦後長い年月を経た現在も、海外を含む旧戦地での遺骨収集を継続して実施しています。遺骨収集派遣団が帰国すると、千鳥ヶ淵戦没者墓苑で「戦没者遺骨引渡式」が行われ、収集された御遺骨は厚生労働省に引き渡されます。

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千鳥ヶ淵戦没者墓苑拝礼式

毎年春に、皇族殿下の御臨席のもとに厚生労働省主催で「千鳥ヶ淵戦没者墓苑拝礼式」が執り行われます。この式典では、墓苑に納められている戦没者の御遺骨に対して拝礼を行うとともに、遺骨収集事業により収容した御遺骨のうち、御遺族に引き渡すことができないものが納骨されます。内閣総理大臣や遺族代表をはじめ多くの参列者が集い、戦没者を追悼する式典です。2025年の式典で新たに368柱が納骨され、2026年3月時点で約37万1千柱が納められています。

まとめ

千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、戦争の記憶を静かに今に伝える場所です。桜が咲く穏やかな季節だからこそ、足を止め、無名の戦没者一人ひとりに思いを致すとともに、戦没者の遺骨収集事業をはじめとした国の取り組みに目を向けてみてはいかがでしょうか。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑

東京都千代田区三番町2
夏時間(4月~9月まで)09:00~17:00まで
冬時間(10月~3月まで)09:00~16:00まで
※参拝者のための無料駐車場が用意されておりますので、ご利用下さい。