「無名戦没者の墓」千鳥ヶ淵戦没者墓苑

コラム「いま注目! 厚労省のススメ」2月配信記事

あなたを忘れない― 「無名戦没者の墓」千鳥ヶ淵戦没者墓苑

コラム
2026.2.10

戦後80年という節目の今年度、大戦の記憶と教訓を次世代へつなぐことが、ますます重要になっています。戦争の悲惨さを忘れず、平和の尊さを感じられる場所はいくつかありますが、その中でも静かな祈りの場として訪れたいのが東京都千代田区にある千鳥ヶ淵戦没者墓苑です。

「無名戦没者の墓」とは

千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、先の大戦において海外で亡くなられた戦没者の御遺骨を納めるため、1959年に国によって建設された「無名戦没者の墓」です。1952年の主権回復後、海外に残された戦没者の遺骨収集事業が始まりましたが、御遺骨の中には氏名を特定できない、あるいは遺族が不明のため引き渡すことができないものもあります。それらを納めるため、国において維持管理を行う墓苑を建立することが、1953年の閣議で決定されました。

建設地に千鳥ヶ淵が選ばれた理由

墓苑の場所は都内にあること、全国民が参拝しやすいこと、静寂で清浄な地であることなどの条件を満たす必要がありました。さまざまな候補地が挙がり、検討を重ねた結果、皇居近くの緑を借景にでき、水が豊かな千鳥ヶ淵が選ばれました。多くの戦没者が「水を欲しがっていた」という思いも、この地が選ばれた理由のひとつとされています。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑と人々の関わり

千鳥ヶ淵戦没者墓苑は、公園の性格を有する墓地公園として一般開放されています。そのため、公開時間内であれば誰でも気軽に訪れ、参拝することができます。

また、墓苑は国が維持管理していますが、公益財団法人千鳥ヶ淵戦没者墓苑奉仕会が、毎年500人以上が参列する秋季慰霊祭の実施や墓苑の広報、参拝者及び参拝団体への支援などを行っています。さらに、苑内の清掃は有志ボランティアによる活動です。多くの人々が戦没者を想い、墓苑を守っているのです。

タイトルの解説~あなたを忘れない~

春の終わりから初夏にかけて、休憩所前の「さざれ石」の側では紫蘭が咲き誇ります。その花言葉は「あなたを忘れない」。千鳥ヶ淵戦没者墓苑を象徴する花です。タイトルでは、この紫蘭の花言葉を引用しました。

まとめ

千鳥ヶ淵戦没者墓苑には、無名の戦没者一人ひとりを忘れないという思いが息づいています。戦後80年が経過した今、千鳥ヶ淵戦没者墓苑を訪れて、戦没者に想いを致すとともに平和を守る誓いを胸に刻みませんか。

千鳥ヶ淵戦没者墓苑

東京都千代田区三番町2
夏時間(4月~9月まで)09:00~17:00まで
冬時間(10月~3月まで)09:00~16:00まで
※参拝者のための無料駐車場が用意されておりますので、ご利用下さい。