厚生労働省

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3−2 離職した者の状況

転職後の仕事への満足感は、転職前の仕事より高くなっている。

第1回から第4回までに転職した者のうち、その前後の仕事のかたちが「会社・団体等の役員」「正規の職員・従業員」「パート・アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員・嘱託」であった者の仕事への満足感をみると、「満足」の割合は「能力の活用・発揮」が転職前の仕事10.5%、転職後の仕事12.3%、「職場の人間関係」が転職前の仕事9.8%、転職後の仕事11.3%、「労働条件」が転職前の仕事7.7%、転職後の仕事8.2%と、どの項目でも転職前の仕事に比べて高くなっている(図9)。

図9 転職前後の仕事への満足感
図9
注:1) 第1回から第4回までに転職した者のうち、その前後の仕事のかたちが「会社・団体等の役員」「正規の職員・従業員」「パート・アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員・嘱託」の者についての集計。
2) 「転職前」とは、仕事をやめた経験があった前の回、「転職後」とは仕事をやめた経験があった回の状況である。

定年まで働いた者では、やめる前の仕事への満足感が高い。

第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者のうち、離職前の仕事のかたちが「会社・団体等の役員」「正規の職員・従業員」「パート・アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員・嘱託」であった者の離職前の仕事への満足感をみると、仕事をやめた理由に「定年のため」と回答した者(「定年のため離職」)の「満足」の割合は、「能力の活用・発揮」14.2%、「職場の人間関係」13.1%、「労働条件」13.1%で、「定年以外の離職」より高くなっている(図10)。

図10 離職前の仕事への満足感
図10
注:1) 第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者のうち、離職前の仕事のかたちが「会社・団体等の役員」「正規の職員・従業員」「パート・アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員・嘱託」であった者についての集計で、その後仕事ありとなった者を含む。
2) 「離職前」とは、仕事をやめた経験があった前の回の状況である。
3) 「定年のため離職」とは、仕事をやめた回の離職理由に「定年のため」と回答した者をいう。

定年まで働いた者では、高年齢者の雇用に関する制度の有無について「知らない」と回答する割合が低い。

第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者のうち、離職前の仕事のかたちが「会社・団体等の役員」「正規の職員・従業員」「パート・アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員・嘱託」であった者の離職前の勤め先の制度をみると、「制度がある」の割合は「定年のため離職」で高く、「再就職会社のあっせん」14.4%、「再雇用制度」56.0%、「勤務延長制度」28.7%となっている。また、「定年のため離職」では、「知らない」の割合が「定年以外の離職」より低くなっている。(図11)

図11 離職前の勤め先の制度
図11
注:1) 第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者のうち、離職前の仕事のかたちが「会社・団体等の役員」「正規の職員・従業員」「パート・アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員・嘱託」であった者についての集計で、その後仕事ありとなった者を含む。
2) 「離職前」とは、仕事をやめた経験があった前の回の状況である。
3) 「定年のため離職」とは、仕事をやめた回の離職理由に「定年のため」と回答した者をいう。

定年まで働いた者では、やめた後の健康状態がよい割合が高い。

第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者の離職前後の健康状態をみると、離職前「よい」から離職後「わるい」となった割合は、「定年のため離職」6.8%、「定年以外の離職」10.1%で「定年のため離職」で低く、離職前「わるい」から離職後「よい」となった割合は、「定年のため離職」9.0%、「定年以外の離職」7.8%と「定年のため離職」で高い。「定年のため離職」では、健康状態の「よい」の割合は「離職前」82.2%から「離職後」84.1%と高くなっている。(図12)

図12 離職前後の健康状態
図12
注:1) 第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者についての集計で、その後仕事ありとなった者を含む。
2) 総数には健康状態の不詳を含む。
3) 「よい」は健康状態が「大変良い」「良い」「どちらかといえば良い」のいずれか、「わるい」は健康状態が「どちらかといえば悪い」「悪い」「大変悪い」のいずれかをいう。
4) 健康状態は医師の診断によるものではなく、本人の回答による。
5) 「離職前」とは、仕事をやめた経験があった前の回の状況である。
6) 「定年のため離職」とは、仕事をやめた回の離職理由に「定年のため」と回答した者をいう。

離職前後の家計支出額は、定年まで働いた者で大きく変化している。

離職前の家計支出をみると、「定年のため離職」は「定年以外の離職」に比べて家計支出額の多い階級の割合が高くなっている。

離職後の家計支出は、「定年のため離職」「定年以外の離職」とも離職前より家計支出額の少ない階級の割合が高くなっているが、「定年のため離職」では、「10〜20万円未満」の割合が「離職前」7.7%から「離職後」13.9%、「20〜30万円未満」が「離職前」31.7%から「離職後」35.2%と増加しており、「定年以外の離職」より割合の変化が大きくなっている。(図13)

図13 離職前後の家計支出額
図13
注:1) 第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者についての集計で、その後仕事ありとなった者を含む。
2) 「離職前」とは、仕事をやめた経験があった前の回の状況である。
3) 「定年のため離職」とは、仕事をやめた回の離職理由に「定年のため」と回答した者をいう。

離職前後の「借入金あり」の割合は、定年まで働いた者で大きく減少している。

離職前後の借入金の有無をみると、「借入金あり」の割合は、「定年のため離職」では離職前 41.7%で、離職後 26.7%、「定年以外の離職では離職前 45.9%、離職後 41.3%で、「定年のため離職」では離職後の「借入金あり」の割合が低くなっている(図14)。

借入金額を離職前後で比較すると、「定年以外の離職」では「100万円未満」以外の各金額階級で同程度減少しているが、「定年のため離職」では「定年以外の離職」と比べて借入金額の多い階級の割合で大きく減少している(図15)。

図14 離職前後の借入金の有無
図14
注:1) 第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者についての集計で、その後仕事ありとなった者を含む。
2) 総数には借入金の有無不詳を含む。
3) 「離職前」とは、仕事をやめた経験があった前の回の状況である。
4) 「定年のため離職」とは、仕事をやめた回の離職理由に「定年のため」と回答した者をいう。
図15 離職前後の借入金金額
図15
注:1) 第1回から第4回までに仕事をやめた経験がある者についての集計で、その後仕事ありとなった者を含む。
2) 総数には借入金の有無不詳を含む。
3) 「離職前」とは、仕事をやめた経験があった前の回の状況である。
4) 「定年のため離職」とは、仕事をやめた回の離職理由に「定年のため」と回答した者をいう。

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