No. | 検討要因 | 当事者 | 事例の具体的内容 | 事例が発生した背景・要因 | 改善策 | 販売名 | 業者名 | 購入年 | コメント |
51 | その他 | 看護師 | 持続点滴(輸液ポンプにて)中に祖母よりナースコールあり、「抜けました。」とポンプセンサーと輸液セット液だまりを把持されていた。針はボトルより抜けていた。「先に触れていませんか」と祖母に確認し、触れていないということで、清潔とみなし、輸液セットを交換せず、ボトルに際刺入し、落下の確認、ポンプスタートにして児の顔は見ず退室した。2日後、他看護師がルートのからまりを直している際、セットの針が抜け、それを見た母親が、「前にも抜けて、顔が切れたんです。」と話され、事故に気付く。 | 輸液ルートの針が金属製であり、抜けたとき、児にケガがなかったか観察を怠った。ルートが抜けてしまった理由を確認しないまま対応した。接続が外れるトラブルが相次ぎ、その対策として、ルートの種類を限定し、施行し始めたばかりであった。輸液ボトルの針が金属性ということをそれほど問題視せず、ただ他病棟でうまく行っているとのことで施行にふみきった甘さがあった。 | 用度課・総務課に相談し、この点滴セットについて、今後の使用もしくは、違うものへの変更などについて、検討する。 | ニプロの点滴セット(ロック式) | ニプロ | 本事例の詳細は不明であるが、外力や輸液ポンプの滴下センサーの重量により抜針した事例である。金属針の輸液セットは、輸液ボトルに刺入し易い反面、滑りがよく抜針し易い事に留意し輸液回路の選択を考慮する必要がある。 | |
52 | 故障していた | 不明,その他 | 他の患者のオムツ交換中人工呼吸器のアラームが鳴り止まないので訪室。SpO2は100%で低下なし。低アラーム、分時換気量下限アラームがなっており全くあがらず。回路破損なし。装着の不備なし。アンビューバッグに変更しSpO2モニター監視下で換気しながらDr Call。他の人工呼吸器へ変更した。人工呼吸器の故障であった。次回メンテナンスの日程は2004.6.8で、ヒヤリハット発生日は2004.6.18であった。 | メンテナンスの時期を10日過ぎていた。予定通りメンテナンスに出していたら防げたことかもしれない。しかし呼吸器を使用していたのでメンテナンスに出す日程が延長されていた。職場長の判断で他の機種をレンタルし、メンテナンスに予定どうり出すべきであった。 | 現在検討中。 | ニューポートE200 | トーキボー | 1991 | 本事例については、企業への報告がないため、原因の特定は困難である。企業において、該当する製品を想定し、機器側の原因を仮定すると、ダイヤフラムやバルブの劣化、トランスデューサーやサーボバルブ等電気系統の故障、ミキサーの異常による換気停止等、種々の可能性が考えられる。しかしながら、これら部品については、点検時に点検・交換されるものであり、防ぐことが可能である。なお、前回点検からの使用時間、オーバーホールの時期及び保守管理を施設内で行ったのか企業に依頼したのか等が不明であるが、いずれにしても保守管理を適切に行うことが重要である。また1991年の装置であり、既に耐用年数は過ぎていると思われ機器の更新も考慮すべきである。 |
53 | 管理が不十分だった | 看護師 | 2004年4/18日13:00呼吸器装着中の患者の家族からナースコールがあり訪室すると、呼吸器の気道内圧の上昇・下限のランプと作動不良ランプが点滅しアラームが鳴っていた。気道内圧のメーターは0になっており呼吸器が作動しておらず患者がチアノーゼをおこしていた。 | メーカーから次回の機械の点検日は2002年10/5の予定になっていたが点検をしていなかったためか? | すぐ側に置いたあったアンビューバックにつなぎ換え対応し、Spo2が99%まで上昇し患者も落ち着いた。ナースコールを押して他のスタッフを呼び、自発呼吸のある患者であった為ジャクソンリースに変更した。主治医にベルコールしすぐに電話連絡あり、状況説明を行い指示にて他の呼吸器を同設定で用意してつなぎかえた。呼吸器変更後もSpo297%あり患者の状態は落ち着いていた。当直師長に連絡し、翌日病棟師長に報告した。呼吸器のメーカーから提示されている点検日は守るべきであった。 | ニューポートE200 | 東機貿 | 1999 | 本事例については、企業への報告がないため、原因の特定は困難である。企業が原因を推定したところ、高圧/低圧警報からは内部トランスデューサが校正ずれとなったこと、作動不良警報からは内部の電子回路に異常が生じたことが推測される。しかしながら、これら部品は定期点検が求められており、交換されるべき呼気弁ダイアフラム、内部配管チューブや校正されるべき電気系・空気系回路が点検されなかったため故障が生じた可能性が高い。従って、日常点検及び定期点検を実施することが重要であると考える。 |
54 | その他 | 看護師 | 同一患者のフォーリーカテーテルを留置したが、バルーン破裂が6回もあった。業者に破裂バルーンを調査依頼したが、同じロット番号品では問題がなかった。患者の尿は臭気が強かった。今回、尿成分について調査できなかった(後に患者死亡)手技、保管状況は問題ないと判断した | バルーンが破裂する原因の追及ができなかった。 | 大変めずらしいケースであったが、原因追及するために、医師、メーカーが追求する姿勢が低かった。原因追及姿勢を高めること。メーカーからの情報提供を迅速に受け対応する。 | バードバイオキャスフォーリーカテーテル | メディコン | 本事例については、企業に報告された記録がなく、原因の特定が困難であった。しかしながら、同様な事例について報告があり、その際の企業調査では、製品の製造記録や受入検査記録を調査し、品質上の問題がないことが確認されている。なお、原因としては、患者の状態(結石保有、自己抜去等)又は併用された油性製剤等による劣化が考えられ、これらについては、添付文書で注意喚起されている。 | |
55 | 扱いにくかった | 医師 | 埋め込み式中心静脈カテーテル(Bird社バードポートTi)の設置を行った.右鼠径部より、説明書通り試験穿刺後にワイヤーを中心静脈内に挿入した.刺入部に皮切を加え、ワイヤーをガイドにダイレータを挿入しようとしたが、強い抵抗が有り患者が痛みを訴えたのでいったん抜去した.ダイレータは先端が潰れており、ワイヤーは折れ曲がっていた.ダイレータを無理に進めなかったので、患者への影響は無かった.術当日、術後も通常より多い出血や通常より強い痛みは無かった.カテーテルの設置は、その後3で示す方法により問題なく設置できた. | ダイレータのワイヤーを通す内腔径に比べ、ガイドワイヤーの径が細すぎる(他のセルジンガー法を用いた中心静脈カテーテルキットと比べるとその差が顕著である)。そのためワイヤーに”こし”がなく、ワイヤーとダイレータの隙間に組織を噛み込みやすい。結果としてガイドワイヤーの走行どおりにダイレータを導くことが出来ず、ダイレータはワイヤーを曲げながらまっすぐ進もうとするため、本来進むべきでない方向にダイレータが進み、骨や靭帯等にあたって先端が潰れ、患者に痛みを与える.無理に進めた場合には、血管の挫滅、腹腔内への穿破を生じ、重大な障害をきたす可能性があった。同様の問題が、鎖骨下穿刺で行った症例でも生じており、合計5例程度経験している. | 原因はダイレータに比べワイヤーが細すぎるためである。そこで同じくセルジンガー法でカテーテルを挿入するEXIVカテーテルキット(R)を用いて穿刺とワイヤー挿入を行い、EXIVカテーテルキットのダイレータで一度組織を拡げた後、EXIVカテーテルキットのワイヤー(これはバードポートTiより太い)をガイドにバードポートTiのダイレータを挿入した.この手技により無事にカテーテルの設置を行うことが出来た. | バードポーポートTi・グローションカテーテルタイプ・Lot:22LN9437 | Bard社・(株)メディコン | 2004 | 本事例の特定が出来ないので、原因の特定も困難であるが、企業において、製造記録の調査が行われ、製品の品質に係わる問題はなかった。また、当該事例と同様なイントロデューサー(ダイレーター)先端部損傷の事例は、海外でも1例のみの報告で、手技に起因した事例と判断されている。さらに、ダイレーター内腔に生体組織の残存を認めた事例は報告されていない。従って、本事例も手技由来の事例と考えられ、操作にあたっては、添付文書に記載された事項、ダイレーター部とシース部を一体にして、回転させながらガイドワイヤーにかぶせて上大静脈手前まで進めるといった、回転させながら前進させ、必要以上に深く奥まで挿入しすぎない等の注意事項を遵守する必要がある。なお、企業においては、挿入時に留意すべき点を理解しやすい説明書を作成し、周知徹底をはかる予定。 |
56 | その他 | 看護師 | 睡眠中の患者の観察に行くとオシメの中に手を入れており出そうとしたら力を入れており引っ張るとプチッと音がしてバルンがきれた。オシメの中にはバルンの先はなくレントゲンにて膀胱内に先端が確認された。 | 見当識障害がありバルンカテーテルが気になっていた患者だった. | 可能であればバルンカテーテルを留置しない方向で検討する | フォーリートレイシリコンバルン | バード | 本事例は、カテーテルを過剰な力で引っ張ったことによるバルンカテーテル切断の事例であり、手先の確認等管理の問題である。添付文書にも記載されているように取扱いに注意することが必要である。 | |
57 | 管理が不十分だった | 看護師 | 胸部の手術後4日目の患者。観察時にドレーン類、点滴などチェックしていて、持続硬膜外注入のコネクター部がはずれているのを、発見した。硬膜外チューブとコネクター部をイソジン消毒した後、再コネクトする。チューブの再固定を皮膚にも行う。漏れなく、痛みの訴えなし。 | 硬膜外チューブと持続注入器の接続が、はずれ易い。度々、発生し、麻酔科で帰室時にしっかり閉めているにも関わらず、はずれる。患者の体動が激しく、チューブ類が多い。業者に問い合わせたが、異常ないと言われている。 | 固定を強固にする。再度、業者に問い合わせる。 | ベゼルフューザー フローコントローラー付きと他のメーカーの硬 | オーベクス株式会社 フォルテグロウメディカル | 本事例については、企業に報告されていないため、原因の特定は困難である。なお、本製品は、接続部にはルアーロックを使用している。企業による推定では、本事例は、フローコントローラー本体と接続部のルアーロックが一体となった製品が使用されたと推測され、フローコントローラーの大きさ、体動によりルアーロックを緩める回転方向のトルクが強くかかって接続が緩んだものと推測された。なお、本製品の改良タイプでは、接続部をエクステンションチューブでフローコントローラーから分離した構造となっており、緩み方向の回転トルクが掛かりにくくなっている。 | |
58 | その他 | 看護師 | 手術中に、メッシュプラグを床に落下させてしまい、使用できなくなってしまった。患者への影響はなし。 | 医療用具の取扱教育の問題、高価な用具である為緊張しすぎてしまっていた。メッシュプラグを持つ看護師の所持角度が急で滑りやすくなっていた。 | 持つ者、受け取る者、双方が十分に注意すること、落下しないよう水平に持つこと | メッシュプラグ | 不明 | ||
59 | 管理が不十分だった | 看護師 | IVHの点滴ラインから薬液の漏れを発見。 | 業者へ亀裂の確認を行う。原因は刃物での切り傷であった。 | 点滴時針で破損しないように取扱いに注意する。 | メディカットエクステンションチューブセット | アーガイル日本シャーウッド | 2003 | 当該製品については、企業において分析が行われ、切断面が鋭利であったこと、切断面には刃物接触時特有の模様が確認できたことから、刃物の接触が原因であると判断された。また、製造工程では当該部位に刃物が接触することはないこと、使用開始時には正常に使用できたことから、製品の不具合ではなく、使用時に刃物が接触したことが原因であると考えられた。従って、取り扱いに注意することが重要であると考える。 |
60 | 故障していた | 医師 | 局所麻酔手術中の患者が急変し、麻酔科医が呼ばれた。モニター心電図上PSVTだったが、モニターの故障で記録できなかった。セルシンIVなどで不整脈と全身の震えは止まったが、途中の心電図の変化は一切記録できなかった。 | 手術室10番にあるモニターは、1989年購入で、耐用期限が過ぎている。本来ならセントラルモニターで心電図を24時間分は最低保存すべきだが、当院手術室にはない。術前に循環器内科で心エコーまでやって問題なしと言われていた。発生時に対処できた記録が残らないことが大きな問題。 | 手術室にセントラルモニターと各部屋に監視カメラを設置して、中央で監視しているのは最近では常識となっている。早急な設備の整備が望まれる。とりあえず、早急にモニターとセントラルモニターを導入するべき。 | モニター | 日本コーリン | 1989 | 本事例は、患者監視装置に組み込まれた記録装置が故障したものと推定され、スイッチの故障、プリンタヘッドの故障、紙送り部の故障が考えられる。対策としては、始業点検、保守点検が重要と考える。なお、本品については、2000年4月に、保守停止の案内が、企業よりされている事から、早期の更新を行うことが重要である。 |
61 | 故障していた | 医師,看護師 | 心筋梗塞のためICU入室中、vf出現したが除細動器作動せず、心停止、脳障害等の危険性があった。 | 耐用年数を過ぎていた。厚生労働省の基準では6年との事である。 | 古い機材は(特に救急用は)交換すべき。 | モニター付除細動器 | フジ医科 | 1989 | 本事例の詳細は不明だが、除細動器が作動しなかった事例である。これらの作動不良の多くがバッテリ充電不足や取り扱い上の問題があげられる。このため定期的な点検や取り扱いの確認が重要となる。また、購入から15年経過した機器であり機器の更新が必要と思われる。 |
62 | その他 | その他 | 手術に使用した滅菌覆布の、撥水加工が不良で機械類が不潔な状況の中で手術が行われた。手術が終了し、片付ける時に、機械台に血液が染みていることで判明した。執刀医から業者へ直接連絡、同ロットNoの製品を回収、調査した。患者は、術後に特にトラブルは発生せず経過良好で退院となった。 | 製品不良でも、施設では使用するまで気付けない。メーカでの製品チェックの問題 | 他のメーカーの滅菌覆布を検討し、変更予定 | ユニバーサルパック | アリージャンス | 当該製品については、企業において、他の同一素材製品との比較が行われ、製品素材における撥水の挙動は通常のものと相違なく、製品に問題はないことが確認された。本製品はポリエステル不織布を使用した滅菌済み覆布で、素材表面には撥水加工が施されているが防水ではないため、液体を長時間保持する機能は有しない。従って、液体を長時間貯留させる状況下においては、ポリシートをラミネート加工した素材あるいはプラスチックシート製のパウチを有する製品を選択して使用する必要がある。各種素材の特性を理解し、用途によって適切に選択することが重要である。なお、本製品は、素材の改良が行われ、一部撥水から全面給水防水の製品に切り替えが予定されている。 | |
63 | 管理が不十分だった | 看護師 | コールがあり訪室すると、点滴ラインの接続部(延長チューブのライン)が引っ張られ切れていた。夜間体動が激しくラインが絡まり引っ張られ切れたと思われる。接続し直そうとするが刺入部に血液が凝血してしまっていたため、抜針する。担当医に報告し,抜針のまま経過観察の指示を受ける。 | 睡眠時、体動が激しくラインが体に絡み引っ張られていたが、睡眠の妨げになると思い、きちんとラインを直していなかった。 | ラインのからみや、巻き付きを直す。接続部の観察を行う。接続部をテープなどで補強する。 | 延長チューブ | argyle 日本シャーウッド |
本事例については、企業への報告がないため、原因の特定は困難である。企業において、該当する製品を想定し、製造記録を確認したが規定の接着強度を有しており製品の不具合の可能性はないものと考えられる。従って、製品の問題ではなく、接着強度を上回る過剰な負荷がかかり発生したもので、ラインの長さや身体への絡み等管理の問題で、接続部の観察を十分に行い、過剰な負荷がかからないように注意することが重要である。 | |
64 | 管理が不十分だった | 看護師 | 日勤帯の勤務交代時,人工呼吸器設定回路,加湿器確認し業務に就く。その時,加湿器内には水が入っていた。1時間ぐらいで昼交代時申し送りで交代看護師が確認すると加湿器内の水がなくなっていた。閉塞式加湿用蒸留水が350ml程度残っていたが,加湿器内に滴下されていなかった。痰の粘稠性が固くなり,気道損傷の恐れがある。 | 加湿器用蒸留水がポリプロピレンでありエアー針が必要であったが,加湿器側にエアーロックがあり,エアー針は必要ないと思っていた。滴下高さが不足していたのと,加湿器内の水の量が少ないため詰まることがしばしば起きているのでエアー針は必要であった。加湿器内の水の量を多く設定できるようにメーカーに再三働きかけているが出来ないということである。そのためこまめな確認が必要となっている。 | こまめな確認。エアー針の装着。 | 加温加湿器モジュールMR社製 | フィシャー&パイケル社製 | 2002 | 本事例については、企業に報告されておらず、情報や現品の確認ができないため、原因の特定が困難である。企業において、該当機器を想定し、原因を推定すると、自動給水機構が自然落下式である場合、滴下高さの不足が原因と推定され、ボトル等を規定の高さに保つことが最も重要であると考えられる。なお、添付文書においては、ウォーターバッグはチャンバーから少なくとも50cm上に取り付けるよう注意喚起されている。さらに、当該企業により専用吊り下げアームが提供されており、これらの使用も考慮すべきである。また、ウォーターバッグへの穿刺については、添付文書では、給水セットのスパイクの側面の通気孔を開き、ウォーターバッグに穿刺するよう記載されており、この操作でエアー針の必要がなくなるため注意する必要がある。 |
65 | 故障していた | 診療放射線技師 | 手術前のレントゲン検査が機器の故障のため手術が出来なくなった。 | 新機器であるにもかかわらず、故障した。修理を要請した。コンピューター系の故障であったが、詳しい原因はわからず。 | 数年前から販売実績もあり、対策なし。 | 外科用イメージ装置 | シーメンス社 | 2004 | 本事例は、プリント基板D1ボード上の回路に故障が発生したもので、原因の詳細は調査中であるが、同様事例の報告がないことから、機器の偶発的初期不良と考えられる。 |
66 | 判定不能 | 看護師 | 気管カニューレのエア漏れがあった。患者の訴えで発見。 | 気管カニューレの不良もしくは患者が触るせいかもしれない。 | 各勤務帯でカフ圧測定をしている。勤務の交代時に実施しているので、早期発見できたと考えている。患者に触らないように厳重に注意する。 | 気管カニューレ | マリンクロット タイコヘルスケア |
本事例については、企業へ報告がなく、詳細な情報がないため原因の特定ができないが、気管カニューレのカフ圧漏れの事例であり、管理の問題と考えるが、自己抜管行為の可能性もあり、患者が不穏や体動が激しい際にはこまめな点検が重要である。 | |
67 | 管理が不十分だった | 看護師 | 持続皮下注入用のポンプの電池を、極性を間違えて挿入。夜間持続皮下注が行えていなかった。深夜の看護師が気づき、再設定する。 | 動作確認を怠っていた。 | 一つ一つの操作の確認をすることを話し合う。 | 携帯用シリンジポンプ | 二プロ | 本事例は、電池の入れ間違いであるが、電池交換後の動作確認やその後の注入確認等により発見できることから、これらの確認が必要である。 | |
68 | 管理が不十分だった | 准看護師 | 胃ろうチューブを注入ポンプにセットし開始ボタンを押したがチューブ側のクレンメを開けるのを忘れ1時間後に他のNsが発見した。インスリンを使用している患者であり低血糖の可能性があった | 業務手順・ルール、チェックの問題(機器取り扱い時のチェック) | 注入ポンプセット時のマニュアル確認、指導 | 経腸栄養ポンプ「テルフィードENポンプFEー501」 | テルモ | 2004 | 本事例は、クレンメを閉じたまま開始したことが原因であるが、添付文書では、注入開始時には、注入状態や接続部を必ず確認すること、注入中にも定期的に確認を行うことが記載されており、それらの確認を行うことが重要である。また、当該機器は、閉塞への警報機能がないため、これまでに2回にわたり注意喚起が行われている。 |
69 | 管理が不十分だった | 看護師 | パジャマ(上着)に便が付着していた為清拭後更衣しようとして,PEGをパジャマと一緒に抜いてしまった | PEGとパジャマの位置の確認不足 | PEGとパジャマが絡んでいないか確認する,PEGの固定液を確認した結果残量が2mlであった点から交換時期が一ヶ月飛んでいた.計画表が生かされていなかった.PEG交換表を毎日チェックするようにした. | 経皮的瘻用カテーテルキット | クリエートメティック | 本事例は、PEG誤抜去の事例であり、更衣時の抜去であることから管理の問題であると考えられる。 | |
70 | 管理が不十分だった | 看護師 | 透析開始時、気泡感知器をセット忘れて、回収時に発見する | 開始時チェック機能の不備。時間チェックの確認の問題。透析機器の複数種の配備。 | 開始時、時間チェックの徹底。透析機器の機器講習。 | 血液ポンプ(透析用)TR-27 | 東レメディカル | 1994 | 本事例は、透析開始時における手順忘れの事例であり、取り扱いの問題である。透析開始後にチェックリスト等を用いた点検と終了時まで気がつかなかった事から透析中においても定時的に点検を行うことが重要である。 |
71 | 複数の規格が存在した | 看護師 | 集中治療室から帰室した患者。シリンジポンプで注入されていたキシロカイン10%1アンプル+生食20ミリリットル2アンプルが中止となる。その後心室性期外収縮があり、医師の指示でキシロカイン入りの注射が1時間2ミリリットルで再開となり、シリンジポンプをセットし開始した。3時間後にシリンジポンプのアラームが過負荷で鳴る。三方活栓がOffとなっていた。 | 初めて見る三方活栓で使用方法が理解できなかったが、他のスタッフに確認せずにこれでよいと思い開始した。 | スタッフ全員でその三方活栓の取り扱いを学習した。 | 三方活栓 | bd | 本事例のように、三方活栓の羽根と流路の関係は2系統有り、医療機関内で統一することが必要である。 | |
72 | 判定不能 | 臨床検査技師 | 包埋作業中組織片が収縮し非常に硬くなっている事を発見した。この状況より前日から行われている固定作業もしくは自動固定包埋装置による組織片の処理工程において何らかの原因により組織片が乾燥したものと判断した。組織片が乾燥してしまった場合、その後の工程で病理診断に供する染色標本を作製できず、病理診断そのものが実施不能になる場合がある。今回のケースでは組織片の乾燥は軽度ないし中等度であったため、染色標本は作製することは可能であった。しかし、乾燥の影響により、染色標本から得られる情報は十分とは言えず、病理診断は参考所見の範囲となってしまった。検体を提出した医師の判断により、再生検の必要があれば行わなければならないケースである。 | 組織片が乾燥してしまう主な原因としては、人為的なもの・機械の故障などが考えられる。人為的な原因としては自動固定包埋装置の薬液の品質や量の管理不十分及び自動固定包埋装置へセットするまでの過程で組織片の放置など不注意による乾燥が考えられる。事後の検討により人為的な原因は否定された。従って、機械故障が今回の原因として考えられる。なお、メーカーにて現機を分解点検したところ、レトルトに亀裂が入っており、修理不能な状態であった。レトルトの亀裂については日常目視点検では発見は困難である。また、組織片の乾燥とレトルトの亀裂との因果関係は明らかでない。ステンレス製のレトルトに亀裂が入るほど老朽化した機械であるため、機械のその他の部分に不調・故障があり、今回の原因となった可能性も否定できない。 | 今回の件については、機器の故障と考えられるが、組織片の乾燥原因としては、人為的な原因が一般的には考えられる。当部署においては医療評価機構の受審を契機として、自動固定包埋装置の薬液管理マニュアル化を行い、実施してきたところである。今後も品質管理を行い、事故を未然に防ぐよう勤める。また、今回の装置のように故障により診療上大きな影響を及ぼす可能性のある機器については定期的にメーカーの点検を受けるとともに、早い時期に機器の更新が出来るよう関係部署に働きかけていく。 | 自動固定包埋装置 | サクラファインテックジャパン(旧サクラ精機) | 1989 | 当該機器は、医療用具には該当しない。なお、当該機器は、ダイヤフラムポンプ及び電磁弁の開閉を制御することにより、レトルト内を加圧・減圧し順次、指定薬液の自動導入または排出を行う装置で、レトルト内の圧力異常を試薬の導入又は排出の未完了という形で検出するよう設計されている。また、レトルトの亀裂に起因する圧力異常が発生した場合、異常を検知し、警告音を発するとともに機器ディスプレイに異常表示を示す機器である。従って、工程中の異常表示が報告されていないことから、処理工程は通常とおり終了したと考えられ、レトルトの亀裂が組織片の収縮原因ではないと考えられる。 |
73 | 管理が不十分だった | 臨床工学技師 | 人工呼吸器の回路交換を行った際、あらかじめ組んでおいた人工呼吸器回路の呼気弁の一部に組み付け不良がありその回路を使用した患者の呼吸状態の悪化がおきた病棟看護師、医師による酸素投与、臨床工学技士による回路交換を行った | 回路構成の知識不足滅菌からあがった回路をそのまま使用してしまった確認不足 | 回路の特殊性を他の技士にも伝達した呼気弁の組み立てマニュアルを新たに追加した | 人工呼吸器 LTVー1000 | フジ・レスピロニクス パシフィックメディコ |
本事例と同様な呼気弁の組み立て不良の事例が、平成14年8月に発生し、平成15年1月に医療用具不具合症例報告書が、平成15年4月に医療機関向け注意喚起文書が発出されている。本事例は、呼気弁を組み立てる際に、ダイヤフラムを逆に組み立てたことが原因と考えられる。従って、注意喚起文書でも説明されているように、正しく組み立てることが重要であるが、最終的には、患者に接続する前に、呼吸器に回路を接続して機器の作動テストを行い、リークテスト等、呼吸回路を含めて機器が正常に作動することを確認することが最も重要である。なお、本呼気弁については、誤った組み立てを起こしにくいものに回収、交換されている。 | |
74 | 管理が不十分だった | 看護師 | 持続点滴中の患児。ミノマイシンの点滴を、輸液ポンプで10時50分から開始した。滴数:19滴、流量:100になっているのを確認し、しばらく滴下を確認した。設定より早いなと感じたが、輸液開始直後で安定しない為と思い、そのまま退室した。20分後、輸液終了のナースコールあり。3倍速で点滴されていた。児は、気分不良、蕁麻疹などの異常なかった。輸液ポンプの故障と考え、処置室で経過みていたが、やはり3倍速で流量が増えていく。他の看護師が、流量の単位が、ml/hでなく、滴/hになっていることに気付く。 | 点滴開始時、流量単位が違っている事に、気付かなかった。滴下が早いと思いながらも、機器を過信し、注意していなかった。輸液ポンプの裏側に流量の単位の切り替えボタンがあることを大半の看護師が、知らなかった。 | 輸液ポンプ使用中は、全ての設定を確認する。ポンプの設定、指示量を確認するだけでなく、自分の目で指示通りに機器が作動しているのかを確認する癖をつける。業者より、輸液ポンプの作動について説明してもらった。 | 大塚 輸液ポンプ OTー601211 | JMS メテク |
流量の単位がml/hではなく、滴/hになっていたことが原因と思われるが、企業では、流量単位(ml/hまたは滴/h)を確認してから輸液流量を設定するよう注意ラベルを機器本体に塗付している。従って、流量設定時に流量単位を確認することが重要であるが、通常、どちらかに固定して使用することも考える必要があると思われる。 | |
75 | 複数の規格が存在した | 看護師 | 準夜に入り緊急入院した患者。入院して輸液開始し輸液ポンプ使用して滴下を管理していた。0時に点滴の更新時間が遅れていることに気付き、ポンプを確認すると、19滴の点滴セットを使用しているのに15滴の設定にしていた。すぐに19滴の設定に変更した。 | 準夜に入ってすぐの入院で慌てていた。点滴開始したときの設定の確認が不十分だった。ダブルチェックしていない。輸液ポンプ設定、確認のマニュアルはあり、確認するようになっている。 | マニュアルの遵守。 | 大塚の輸液ポンプ | JMS | 本事例は、回路設定間違いの事例である。15滴と19滴回路は類似標準回路であるため、医療機関内における統一が必要である。 | |
76 | 機器誤作動 | 看護師 | ノボヘパリン5000単位入りのラクテック500mlを18時〜18時で輸液ポンプ使用し、持続点滴していた。10:30にアラームが鳴り、訪室すると点滴終了の警報が鳴っている。見ると、点滴ボトルが、空になっている。ポンプの設定は、22ml/hで、間違っていない。深夜担当看護師に確認すると、6時にinーout閉める際にゼロにした。積算量をみると、6時から10:30で310ml点滴されたことなっている。医師、看護師で輸液ポンプ確認したが、原因不明。ポンプを交換する。メーカーに点検依頼したが、異常なしの返事だった。 | 原因不明の輸液ポンプの誤作動。患者が携帯電話をもっていた。 | 各勤務の始めと終わりに、残量の確認をする。業者から、正確な輸液ポンプの操作を、教えてもらう予定(全部署の看護師に)。 | 大塚の輸液ポンプOTー601 | JMS メテク |
本事例の原因については、テストモードによる点検終了後に、本体背面のパワースイッチをOFFにしてテストモードを解除せず、本体正面の電源ボタンをOFFにして解除した状態において、再度本体正面の電源スイッチをONにし、自己診断中に輸液開始スイッチを押す早押しが行われたことが考えられる。同様な事例については、医療機関から医療機器安全性情報報告書が提出されており、企業において、再現され、医療機関に対して、注意喚起文書、取扱説明書の追補文、警告ラベル及び貼付要領書、定期点検マニュアルが配布され注意喚起されている。 | |
77 | 管理が不十分だった | 看護師 | ICUより帰室し輸液本体を更新した後、輸液ポンプを使用し滴下管理を行うため流量、予定量、セットの滴下量を設定した。1時間後に医師が滴下を確認すると、電源が入っておらず滴下していないことに気付く。側管より抗生剤の点滴をいっていたため、ルートは閉塞していなかった。 | 輸液ポンプを設定したのち、滴下を確認していない。当事者は以前も同様のミスをしている。病棟では輸液ポンプの設定後のダブルチェックを行っていない。病院のマニュアルでは、輸液ポンプの設定後にダブルチェックするようになっていない。部長よりダブルチェックするように通達を行っている。 | 当事者は自分の傾向を知る。輸液ポンプ設定後のダブルチェックをマニュアルに追加する。輸液ポンプ設定後のダブルチェックを開始する。 | 大塚輸液ポンプ | jms | 本事例は、輸液ポンプの設定がなされていることから、開始スイッチと電源スイッチを誤認したものと思われる。機器の操作取り扱いを徹底することが重要である。 | |
78 | 管理が不十分だった | 看護師 | 輸液ポンプを使用して、マンニトールS150ml施行するところ300ml(1V)施行してしまった。つなげる際に患者薬剤、注射箋の確認をしたがポンプにつなげる際に設定値を誤ってしまった。輸液ポンプDiv終了のアラーム鳴り訪室すると、マンニトール1V終了していた。血圧、意識レベルの低下、尿量の増量への影響考えられたが、意識レベル低下、バイタルサン変動なく経過した。 | 基本的な手順があるため、あせらずに目視のみの確認をせず必ず指呼確認徹底していく。→ICUで3名の患者を受けもっていたため、処置やDivが時間におくれないようにあせってしまった。 | 指呼確認の徹底をする。(実施している) | 大塚輸液ポンプ | 株式会社メテク | 1996 | 本事例は、予定量の設定誤りの事例であるが、管理の問題であり確認と的確な操作が重要である。 |
79 | 機器誤作動 | 看護師 | 心臓外科の術後1日目の患者。18時に点滴を更新して、60ml/で輸液してい点滴が、22時に空になっていることに気付く。20時から22時の2時間の積算量が378mlになっていた。21時の確認の時に、積算量の多いことに気付いたが、20時に積算量をクリアし忘れていると思い込んで、他看護師に確認しなかった。輸液ポンプには、「滴下に注意」の注意書きのシールが貼っていた。主治医に報告し、輸液ポンプを交換した。循環動態に変化はなかった。 | 輸液の残量の確認をしなかった。注意を促すシールを貼ってあったにも関わらず、よく読まずに、offにした後、開始ボタンを早く押してしまったため、誤作動がおきた。積算量をクリアし忘れたと思い込み、輸液量が多くても不思議に思わなかった。 | 輸液ポンプのボタンを早く押さない。輸液ポンプ使用時も、輸液残量を確認し、積算量もチェックする。業者から、輸液ポンプ取り扱いを説明してもらう。(全部署で行う予定) | 大塚輸液ポンプ otー601 | JMS メテク |
本事例の原因については、テストモードによる点検終了後に、本体背面のパワースイッチをOFFにしてテストモードを解除せず、本体正面の電源ボタンをOFFにして解除した状態において、再度本体正面の電源スイッチをONにし、自己診断中に輸液開始スイッチを押す早押しが行われたことが考えられる。同様な事例については、医療機関から医療機器安全性情報報告書が提出されており、企業において、再現され、医療機関に対して、注意喚起文書、取扱説明書の追補文、警告ラベル及び貼付要領書、定期点検マニュアルが配布され注意喚起されている。 | |
80 | その他 | 医師,看護師 | 午前2時30分より汎発性腹膜炎の診断で緊急手術を行っていた。上部消化管穿孔を疑い、上腹部正中切開で開腹し腹腔内を観察すると左右横隔膜下、肝下面に膿の貯留を認めたが胃および十二指腸に穿孔は認めなかった。下腹部を検索すると、回盲部とダグラス窩に多量の膿を認め、虫垂の腫大を認めた。穿孔性虫垂炎による汎発性腹膜炎と診断し、下腹部正中切開をおくこととした。下腹部を消毒液で4回消毒し、メスで皮膚切開をおいた。皮膚組織を電気メスにて切離している最中、突然電気メスより火花が大きく発生し下腹部の創周囲に青い炎がゆらゆらと生じた。それとほとんど同時に患者に覆いかぶせてあったシーツの術者側へ引火した。すぐにシーツのすべてを患者から剥ぎ取り、手術室の床に落として生食で完全に消火した。その後、すべての器具を清潔なものと交換し、新たに手洗い、ガウンを着てイソジンにて創部を消毒、炎が生じた創部周囲を冷水で湿らせたせ清潔タオルで覆い、手術を再開した。 | 気化した消毒用のアルコールに電気メスの火花が引火したと想像される。 | アルコール消毒後は、一度それを拭き取るか、十分な時間をおいて完全に乾燥するのを待ってから手術を開始する必要がある。また、消毒用アルコール、電気メス、不織布の使用は注意を要するので手術室会議にて注意を促す。 | 電気メス | タイコヘルスケア社 | 本事例は、電気メスの放電により発生する火花が気化したアルコールに引火した事例であり、電気メス使用の周辺環境の問題であると考える。従って、アルコール使用時には、十分乾燥させる等の配慮が必要であり、また、アルコール以外の消毒液を考慮する必要もあると思われる。なお、本製品の添付文書では、可燃性物質(アルコール性皮膚消毒剤及びチンキ類)が存在する場合、火災、爆発の危険増加に繋がること、電気外科手術に伴う火花や熱が発火源になることがあるため、常に火災の予防措置を取ること等が注意喚起されている。 | |
81 | 配置が悪かった | 医師,看護師 | 手術中、敷布に貼り付けてあった電気メスクリーナーを紛失した。手術中断し、探すが見当たらず、腹腔内操作終了時、腹腔内からミクリッツガーゼを取り出したところ、ガーゼ内に紛れていた。クリーナーは手術創から比較的近いところに貼り付けてあり、紛失の原因と考えられた。 | メスクリーナーの貼り付け場所が適切でなかった。紛れ込んだときすぐにわかる様にする必要がある。 | メスクリーナーは術創から少なくとも20cm離したところに貼ることとした。 | 電気メスクリーナー | バード | 本事例は、メスクリーナーの配置の問題である。 | |
82 | 扱いにくかった | 看護師 | フェンタネストを微量シリンジポンプで0.15ml/hで持続皮下注射していた。3時にポンプの作動状況、薬液の残量確認した時は、異常はみられなかった。6時再度確認のために訪室すると、ポンプの電源が切れおり、残量は3時に確認した時と変わっていなかった。ポンプをよくみてみると、裏側にある「バッテリーの充電」というスイッチがOFFになっていることがわかった。発見後スイッチをONにして、作動を確認したところ問題なく作動した。薬液が投与されていなかった間も患者の状態に変化はなかった。 | ・ポンプ本体裏側にむき出しでスイッチがあり、何かに擦れたりすれば容易にスイッチが切り替わってしまう。・このスイッチの存在は周知されておらず、確認手順にも含まれていない。 | ・スイッチ部をテープで保護する。・作動確認のときは、裏のスイッチまで確認することを徹底していく。・メーカーにスイッチの位置や保護について検討してもらうように依頼する。 | 微量シリンジポンプ(?) | テルモ | 当該事例は、企業に報告されていないが、本体底部にある主電源が何らかの原因で切られ、ポンプの作動が停止したものと考えれる。なお、取扱説明書では、本体底部の電源スイッチがONになっていることを確認し、パネル面の電源スイッチを押すよう記載されている。また、この主電源スイッチ部にはカバーはないが、凹部の中にあり表面には出ていない構造になっている。しかしながら、本事例をうけ、企業においては、医療機関への注意喚起と防止対策を検討している。なお、この主電源スイッチは、長時間ポンプを使用しない場合に、待機電力を遮断して内部電池の消耗を抑えるよう節電用に設定されたもので、省電回路やバッテリーの高容量化等により、当該機種以降の機種では底部のスイッチは廃止され、当該機種も2001年に発売を終了している。 | |
83 | 管理が不十分だった | 看護師 | 準夜勤務になり、本患児のバイタルサイン測定時に、緊急c/sで24wの児の入院があるかもしれないと連絡があった。それと同時に日勤者より入院についての指示や連絡があり、対応しているところに医師より手術が確定し児の状態が悪く早急に確実に準備・処置に当たって欲しい旨の依頼があった。そのため、バイタルサインは殆ど測定し終わっていたため準夜勤務者にベッド移動を依頼し、入院児の準備に取りかかった。この時、加湿設定がされていたが観察板に記入しなかった。その後、入院準備・処置介助を行い本患児に22時のバイタルサイン測定まで関わらなかった。バイタルサイン測定時に、末梢冷感が軽度見られていたが、体温も安定しており異動先が空調下で夜間冷感出現しやすくなっているのだろうと思い、掛け物保温で対応した。翌日日勤者に加湿設定がされていないことを知らされるまで気付かなかった。 | 多忙であり加湿中であることを意識していなかったことと観察板の記入がなかったため、移動したスタッフも気付かなかった。また、移動後・冷感出現時の確認不足もある。 | ・移動後の確認の徹底を確実にする。(観察板に移動した設定値を記入する)・児の状態が変化していた場合にも思いこまず観察板やカルテを用い確認する。・一つ一つの事柄に対し慌てず対応すること | 保育器 | トーイツ | 本事例は、観察板への記載ミスが起因となり、加湿設定がなされなかった事例であり管理の問題である。 | |
84 | 管理が不十分だった | 医師 | 麻酔機の回路の外れ。二重構造になっており、外観から発見できなかった。呼吸性アチドーシスになったが、回復。 | [F回路」を洗浄して再使用していた。外から見て内側の管が外れているのが発見しにくかった。 | このような事故のありうる事を関係者に周知。厚生労働省への報告他の種類の回路に変更(採用を) | 麻酔回路 | 不明 | 本事例のように吸気呼気回路が二重構造になった一体型回路の再使用時には、目視確認が難しいため、組立て後の接続確認、リークチェックが必須である。 | |
85 | 管理が不十分だった | 看護師 | 肺炎で入院している児でソルデム3a500を20ml/時間の指示で滴下していた。日勤帯最終部屋回り16時では、指示通り滴下していたが、準夜帯19時30分に点滴終了のアラームが鳴り、訪室すると210ml/時間の設定になっていた。母親によると、輸液ポンプが児の手の届くところにあり、触っていた。児には3時間で約460ml滴下され、主治医に状況報告し、点滴20ml/時間に戻し、様子観察するよう指示あり。病棟にいた医師にも報告し心電図をとり観察する。心電図、バイタルサイン、異常見られなかった。 | 輸液ポンプの観察不足 | 頻回な観察 | 輸液ポンプ | テルモ | 本事例は、輸液量の間違いの事例である。小児が機器に触り、偶然停止、→流量→開始に触れたとは考えにくいが、手の届きにくい配置や最近ではキーロックのできる機種があるのでこれらの機種選択が望ましい。 | |
86 | 管理が不十分だった | その他 | 23時半に輸液ポンプの点滴の確認をしたところ積算量は増加しているが輸液の量が本日2時より減っていない事に気付く。直ぐにリーダーに報告し、確認すると輸液ルートが4番に固定されずに蓋が閉められている状態であった。側管より輸液が行われている状態であったためIVHカテーテルの閉塞は認められなかった。患者の状態としては、尿量減少があったが生命の危機は少なかったと思われる。事故発生に気付いた直後に輸液を開始し、主治医に報告する。 | 輸液ポンプ内のルート設定場所に正確に固定されなかった | 輸液ルートが輸液ポンプライン設定場所より少し細めなので扉を閉めるときに正確にセットされたか注意が必要である | 輸液ポンプ | テルモ | 本事例は、ポンプ本体の問題ではなく、取り扱い上の問題(回路セットの問題)である。また、輸液残量の定期的なチェックが重要である。 | |
87 | 判定不能 | 看護師 | 12時に、500mlの輸液ボトルを更新し、輸液ポンプを使用し「40ml/H」で開始した16時に積算量を確認すると160ml前後のはずが「391ml」を示し、輸液残量も少なくなっていた | 16時まで輸液の滴下を確認できていなかった | 輸液療法中の患者の観察機器の点検 | 輸液ポンプ | 二プロkk | 1994 | 本事例については、企業への報告がなく、原因の特定は困難である。なお、4時間で391mlの積算量で、輸液残量も少ないとのことから、100ml/h前後で注入されたと思われるが、情報不足から詳細は不明である。 |
88 | 管理が不十分だった | 看護師 | 定期的体位交換の為訪室し,患者の掛け物を除いたら,PEGが抜けていた. | カテーテルは,月に一回交換している.交換が一ヶ月以上あいていた.その為固定液がなくなり,自然に抜けた,と考える. | このPEGは,期間が経つと固定液が自然になくなり,カテーテルが抜ける.交換時期がかなり経っていた,と考える病室移動で,受け持ちのチームが替わった時,引き継ぎが出来ていなかった.引き継ぎの方法と,PEG一覧表の活用の見直しをする. | 扁平栄養カテーテルキット | クオリティメティック | 本製品は、シリコーン製バルーンを拡張して固定するもので、ラテックスバルーンと比べ、自然リーク量が多いことによるバルーンの収縮が発生する場合があるので、バルーン留置中には、常にバルーンの拡張具合を管理することが重要である。なお、バルーンの拡張には、規定容量の滅菌蒸留水を注入するもので、添付文書には、各サイズ毎の規定容量が明記されている。また、使用上の注意として、留置中はバルーンの拡張具合をカテーテルを軽く引っ張る、内視鏡を用いる等により常に管理することと記載されている。さらに、1週間に1度を目安にバルーン内の滅菌蒸留水をすべて抜き、再度規定容量の滅菌蒸留水を注入することとされている。なお、本製品は30日以内の使用として開発されているが、特にバルーンの拡張具合を、1週間に1度を目安に規定容量の確認をすることで管理することが重要である。 | |
89 | 管理が不十分だった | 看護師 | 眼科手術中、PEA+IOL挿入術中、オペガンネオキットの輸液チューブが抜けてしまった。 | 輸液チューブのラインの固定の仕方が悪く輸液のポールが上昇した時に、ラインがひっぱられ抜けてしまった。 | ラインの固定位置を機械の一定の場所に固定するように印を付け今後ラインの固定方法を統一した。 | ニプロ株式会社 | 2004 | 本事例は、ライン抜去の事例であり、ライン固定の位置や固定方法の問題である。 |
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医療用具情報(第12回集計分)
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