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第11回集計 医薬品情報
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第11回集計 医薬品情報
No. | 薬効分類 | 修正要因 | 内容 | 取り違えた薬剤 | 本来使用する薬剤 | 当事者 | 事例の具体的内容 | 事例が発生した背景・要因 | 改善案 | 備考 | ||||
薬剤名 | 剤型 | 規格単位 | 薬剤 | 剤型 | 規格単位 | |||||||||
1 | 112 催眠鎮静剤、抗不安剤 |
勘違い | 調剤 | トリクロリール | シロップ | 100mg/mL | トリクロリール | シロップ | 100mg/mL | 薬剤師 | トリクロリールシロップ1回1.6mLと記載するところ、0.8mLと記載して、実行されたが問題はなかった。 | 思い込みがあった。 | 再度確認すること。 | |
2 | 113 抗てんかん剤 |
記号違い | 調剤 | デパケンR | 錠剤 | 200mg | デパケン | 錠剤 | 200mg | 看護師、 薬剤師 |
薬剤科でデパケン200mgの処方のところ、デパケンR200mgで調剤した。病棟看護師が上がってきた薬剤を確認したが、間違いに気付かず患者が自己管理で内服していた。次の処方でデパケンが調剤され、前回と違う薬剤だった事で間違いに気付いた。患者への影響は特に見られなかった。デパケンとデパケンRは錠剤の色が違っていたが、通常処方される事が多いデパケンRとの違いに気付かなかった。 | 類似した薬剤の関する知識不足の問題。確認、チェックの仕組みの問題。 | ・類似した薬剤名と同一成分、同一規格、剤型の違う薬剤の調剤をする際は、処方の確認を十分留意する。 ・確認は、ダブルチェックをしっかり行う。 ・類似した薬剤の違いを認識し取り扱う。 |
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3 | 117 精神神経用剤 |
名称類似・薬効類似 | 調剤 | トロペロン錠 | 錠剤 | 1mg | インプロメン錠 | 錠剤 | 1mg | 薬剤師 | 外来患者の錠剤の一包化調剤において、インプロメン錠(1mg)のところトロペロン錠(1mg)が調剤されてしまった。監査段階で間違いに気付き調査したところ、自動錠剤包装機のタブレットケースへの薬剤の充填間違いであった。調剤した患者様を検索したところ一人の患者様には渡ってしまっていたが、連絡し服用せずに済んだ。 | 自動錠剤包装機のタブレットケースのインプロメン錠(1mg)がなくなったため、ケースへの充填作業をおこなったが、うっかりトロペロン錠(1mg)を充填してしまった。当事者は本剤の充填前にトロペロン錠(3mg)の充填をおこなっており、同規格で類似薬効でもあるトロペロン錠と思い込んでしまったようである。マニュアルでは、充填は2人で確認して行なうことになっているが怠っていた。また、監査でも錠剤の形態・規格が似ていることや、迅速に行なわなければならないため、見過ごしてしまった。(当院では院外処方はあまり出ていない) | 充填は必ず2人で行なうよう注意を喚起した。今後はバーコードによるシステムを検討したい。 | |
4 | 121 局所麻酔剤 |
勘違い | 与薬(注射・点滴) | ロカイン 1% | 液状 | 5mL(塩酸プロカイン) | ヘパリンナトリウム注射薬 | 液状 | 5mL(ヘパリンNa5,000E) | 看護師 | リザーバー抜去時、ヘパリンを注入するところ、ロカイン1%を準備し、医師が注入した。アンプルを捨てるときに薬剤間違いに気付いた。隣り合っている棚の位置を間違えてアンプルを取り出したが、取り出した時、詰める前に薬剤名を確認しなかった。アンプルがどちらも5mLでヘパリンと思い込んでしまった。医師に報告し、バイタルサインのチェックと症状観察をしたが、変化がなく患者は帰宅した。 | 事故防止教育の問題。業務手順、ルール、チェックを意識した行動の問題。 | ・取り出すとき、詰める前に指差し・声だし確認をする。 ・準備したバッドにアンプルも入れて、医師にも薬剤名を確認してもらう。 ・保管薬のラベルを大きく、見やすくする。 |
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5 | 211 強心剤 |
名称類似 | 調剤 | プロタノールS錠 | 錠剤 | 15mg | プロスタール錠 | 錠剤 | 25mg | 薬剤師 | プロスタール錠のところ、プロタノールS錠を調剤した。 | 当番交代直前で慌てて調剤した。 | 確認の徹底を強化した。 | 調剤に際しては、処方せん上の薬品名、規格単位を正確に読むこと。本事例のプロタノール錠とプロスタールS錠は名称が類似した薬剤であり注意を要するものであることから、必要に応じ、後発品の採用等の対策を講じる事が望ましい。 |
6 | 211 強心剤 |
勘違い | 与薬(注射・点滴) | ドブトレックス注射薬 | 液状 | 5mL 塩酸ドブタミン100mg | イノバン | 液状 | 5mL 塩酸ドパミン100mg | 看護師 | イノバンの指示で棚から1A取り出し、シリンジに詰めて病室に持参し開始しようとしたところ、同僚が注射台の上にある空のドブトレックスのアンプルを見て、指示の薬剤と違うことを不振に思い当事者に確認に来た。そこで薬剤間違いに気付き、患者に投与されることはなかった。定数保管薬が最近増えて、保管する棚が不足し、同じ5mLのアンプルを区切って使用していた。また、棚の前の表示と薬剤の位置が違っていて、表示通りにアンプルを取り出した結果違う薬剤となった。取り出したアンプルの確認をしていない。非常に多忙な状況で、取り出したアンプルの確認を怠っていた。 | 薬剤の採用や保管の問題点。業務手順、ルール、チェックの問題。 | 棚の位置を変え、別々に保管した。薬剤を取り扱うときの基本である3回の確認を怠らない。 | |
7 | 213 利尿剤 |
規格違い | 与薬(内服・外用) | ラシックス | 錠剤 | 20mg半錠 | ラシックス | 錠剤 | 40mg半錠 | 看護師 | AVR目的にて入院されたが、OP当日TIA発作を起こし頭部精査の為、OP延期となった。日本語の読み書きが困難であり、入院後はNsによる一日配薬をしていた。他院で処方された内服薬があり、その都度Nsが整理していた。持参薬があったため1月27日に処方されたものは返納し、持参薬から7日分整理していた。1月30日の深夜で配薬時、カルテと薬袋に記載されている内容が違っており、残数も合わず今まで指示量が与薬されていなかった事が、判明。7日分の配薬時に指示量を配薬できておらず、その後3日間配薬していたNsも気づかず3日間指示量が与薬出来ていなかった。 | カルテ、処方箋(薬袋)、薬の確認が不十分。入院当初はラシックス20mg錠1錠朝食後の指示であったが、当院では無い為、40mg錠0.5錠の指示となっていた。また、持参薬は20mg錠半錠を分包の状態であった為、薬自体を確認し難い状態であった。また、同様の薬で規格違いがあるという意識が薄く、ラシックスは40mg錠という思い込みがあった。 | マニュアル通りの確認の徹底。当院で使用されていない薬に関する管理方法を再度見直す必要がある。例えば、持参薬であっても当院で扱っていない薬に関しては、本人に返し、新たに処方してもらうなど。 | 持参薬の管理システム(持参薬の鑑別方法、持参薬の使用基準など)について、医師、看護師、薬剤師などの関連職種で協議を行い、明確にすること。特に採用していない薬剤、採用薬と規格の異なる薬剤などの取り扱いについては特に注意すること。 |
8 | 239 その他の消化器官用剤 |
勘違い | 調剤 | カイトリル注 | アンプル | 3mL | サクシゾン300mg溶解液 | アンプル | 6mL | 薬剤師 | サクシゾンの溶解液の代わりにカイトリル注射液が払い出された。 | 返納処理の際に戻す場所を誤ったのであろう。 | 十分に薬剤名を確認後に、定位置に戻すようにする。 | 注射剤の払い出しに際しては、ラベルの薬品名をよく確認すること。返却に関するルールを確立すること(返却を行う時間帯、返却する人等) |
9 | 249 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) |
記号違い | 与薬(注射・点滴) | ヒューマカートR | 注射剤 | 6 0 2 | ヒューマカート3/7 | 注射剤 | 6 0 2 | 医師 | 総合内科からのインスリン指示が、病院で使用していない薬剤であった。 | 薬剤投与時の確認不足。 | 緊急の血糖コントロールに関しては、内科医から患者への直接の指示で行う必要がある。 | |
10 | 325 たん白アミノ酸製剤 |
認識不足 | 与薬(注射・点滴) | アミノフリード | 輸液パック | 500mL | 看護師 | アミノフリード500mLの隔壁を開通しないまま点滴した。次の勤務者によって発見された。 | 確認不足 | 追加する時に隔壁開通していることを必ず確認。自分の勤務帯で再確認。 | ||||
11 | 331 血液代用剤 |
規格違い | 調剤 | 生理食塩水 | 点滴ボトル | 100mL | 生理食塩水 | 点滴ボトル | 500mL | 薬剤師 | 生理食塩水500mLのところ、100mLを払い出してしまった。 | 1人での調剤のため十分な監査がされなかった。また、当直明けのB勤(日勤)のため、注意が十分に行き届かなかった。 | 十分に時間を使った徹底した確認。100mLはAの製品にし、500mLのAの製品は採用中止にしB生食のみにすれば品名が異なるため間違いを減らせると思う。 | |
12 | 勘違い・外観類似 | 調剤 | ラクテックD | 注射 | 500mL | KN補液3B | 注射 | 500mL | 薬剤師 | 薬剤科払い出しの際、KN補液3Bを間違えてラクテックD500mLを出した | 外観類似。同じ棚にあった。 | 設置場所を変更した。払い出す際再度確認する。 | ||
13 | 勘違い | 与薬(注射・点滴) | 生食100mL フィシザルツ |
ボトル | 100mL | 大塚生食20mL | アンプル | 20mL | 薬剤師 | ガスターの側管注に生食が処方された。生食100mLにガスターを混入すると思い込んで払い出した。医師の指示は20mLの生食であった | 処方箋の確認不足。思い込み。 | 処方箋の確認。払い出す際、検薬強化。 | ||
14 | 勘違い・外観類似 | 与薬(注射・点滴) | 生理食塩水100mL | 輸液 | 100mL | ソリタT3 200mL | 輸液 | 200mL | 薬剤師 | ソリタT3 200mLと生理食塩水100mLの払い出し間違い。 | ラベルの色が似ていた。 | 形、ラベルの違う物に変更 | ||
15 | 394 痛風治療剤 |
勘違い | 調剤 | ザイロリック錠100 | 錠剤 | 100mg/錠 | ザンタック錠 | 錠剤 | 150mg/錠 | 薬剤師 | ザンタック錠2錠分2、7日分の処方において、ザイロリック錠を調剤。監査も行なっているが通ってしまった。病棟で看護師が気付き服用はしなかった。 | 薬剤の名前が似ていたことと、年始の当直時で忙しい状況でもあったことが要因と思われる。15年度における当院での本事例は2回目である。(いずれも服用はしていない) | 間違いやすい例として注意を促していたが、さらに注意を喚起した。また、具体的対策を検討中である。 | |
16 | 396 糖尿病用薬 |
規格違い | 調剤 | ベイスン錠 | 錠剤 | 0.2mg | ベイスン錠 | 錠剤 | 0.3mg | 薬剤師 | 外来患者において、ベイスン錠(0.3mg)を調剤すべきところ、規格を間違え0.2mg錠を調剤してしまった。患者様から「いつもと違う」と連絡があり、現物を確認して間違いがわかった。患者様は服用はしておらず、0.3mg錠と交換した。 | 同種同効薬は近くに配置しているので、取り違えたものと思われる。現物を処方せんと照合して確認するよう指導(ルール化)しているが、忙しい時などはおろそかになってしまうようである。(当院では院外処方はあまり出していない) | ルールを遵守するよう注意を喚起したが、規格間違いはヒヤリ・ハットのなかでも多いほうで、対策に苦慮しているところである。何か視覚的なもので注意を促すことが必要かと思われる。 | 糖尿病薬に関しては、特別な過誤防止対策(患者病名の確認、薬歴の確認、薬品名・規格単位の確認、患者と共に調剤薬の確認等)を講じることが重要である。 |
17 | 811 あへんアルカロイド系麻薬 |
その他 | 与薬(内服・外用) | オキシコンチン5mg | 錠剤 | 5mg | 看護師 | 6時にオキシコンチン5ミリグラムを内服する患者が3名おられた。5時45分、当患者は麻薬以外の内服が6種類あり同時に内服してもらおうとカルテで確認した後トレイに入れた。次に麻薬の準備を3名同時に行った。2名の患者の内服を準備したときにナースコールがあり麻薬類を金庫に片付けた後、準備した麻薬を当患者のほかの内服を入れたトレイに分けて入れワゴンの上において、訪室した。ナースステーションに戻り、2名しか準備されていなかったが、そのまま3名の患者を順番に訪室し内服して頂いた。最後に、当患者を訪室し内服して頂いたがその場で内服薬一つ一つを確認せず内服して頂いた。日勤の看護師が麻薬の数が多いことに気付きインシデントが発覚した。 | 麻薬を3名同時に準備し、同じトレイに入れてしまった。内服直前の確認を怠っていた。 | 準備、内服の手順の流れを一人一人行っていく。訪室し内服して頂く直前に再度確認を行う。 | 麻薬の準備から与薬、記録の記載までの手順を再確認すること。麻薬の与薬に関しては、患者さんが確実に内服されることを確認し、麻薬の残数は、各勤務帯でチェックすることが重要である。 |
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