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第11回集計 医療用具情報

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第11回集計 医療用具情報

No. 修正要因 内容 事例の具体的内容 事例が発生した背景・要因 改善案 販売名 業者名 購入年 備考
1 その他(形状・サイズの似たチューブ使用によるヒューマンエラー ) 医療用具(機器)の使用・管理 呼吸器回路交換時、気道内圧チューブと温度プローブ差し込み部位の誤接続。 呼吸器に対する知識不足。口径のサイズ多少違うが外観類似。 呼吸器回路取り扱い方法の教育。注意事項を認識するメーカーに情報を入れる。 ニューポートベンチレーターE100M 東機貿 2001 使用した加温加湿器や人工呼吸回路の記載が無く的確な調査が行えないが、本来気道内圧チューブと温度プローブ差し込み部位は径が異なり誤接続ができない構造となっている。当該企業が扱っている呼吸回路については、接続試験が実施されたが、径の差により誤接続状態で固定することは不可能であり、同様事例の報告もなかった。。しかしながら、差し込みが可能であったとすると、気道内圧チューブが、本来の製品ではなく他機種用のものを転用した可能性も考えられる。
2 その他(過度の負荷) ドレーン・チューブ類の使用・管理 輸血滴下中に濾過網とルートの接続部が外れた。 輸血セットの不良品 セットを点検して使用する業者に検証依頼する。 テルモ輸血セット テルモ 2003 同様の事例が3例報告されているが、回収した現品を調査した結果、いずれも所定の機能を有しており製造上の異常は認められなかった。なお、当該接合部は2000年10月製造品から接着剤を塗布することにより強化改良が行われており、その後同様の事例は発生していない。従って本事例も過度の負荷(折り曲げ、押し込み、引っ張り)の可能性が否定できない。なお、接合部については、過度な負荷が加わると外れる可能性があるため、添付文書で注意喚起されている。
3 配置が悪かった 医療用具(機器)の使用・管理 呼吸器装着患者へ面会があった。部屋のスペースが狭く、面会者が呼吸器に触れたようであった。その後、患者から「いつもと呼吸器が違う」と訴えがあった。点検すると換気量0.43から0.58、流量0.25から0.28へ変動していた。 呼吸器にカバーがついていない。部屋のスペースが狭い。 呼吸器周囲の環境整備をする。業者へ情報提供する。 ニューポートベンチレーターE100M 東機貿 2000 当該企業において、本事例及び同様事例の報告はないが、本人工呼吸器はダイアルに一定の負荷があり、軽い接触程度では設定が変わらない仕様である事また、設定つまみの高さ等から人工呼吸器の配置状態等の問題が考えられる。従って、部屋の広さや人工呼吸器の配置状況など使用環境の整備が必要である。また、人工呼吸器が設定通りに作動していることを、取扱説明書やチェックリストに基づいて確実に実施し確認することが重要である。
4 管理が悪かった 医療用具(機器)の使用・管理 2時にナースコールがあり、訪室するとCVカテーテルが床に落ちていた。患者は臥床していた。カテーテルの先端がないため、CVが入っていた右鎖骨下を見るとナートは2針かかっており、ナートから先のカテーテルは体内に残っていた。出血はなかった。本人に事情を聞くとトイレに行った時にどこかでつまずいてラインをひっかけたのかもしれないが、覚えていないし、また、こけたり、打ったりもしていないとのこと。当直医に報告し、ナートを切除してもらいCVカテーテルを抜去した。絶食中にて末梢より血管確保し輸液120/hで開始した。 患者様はクローン病でCFでも所見の悪化が指摘されており、ステロイド内服・ステロネマ注腸しているも便回数14、15回で、特に夜間に10回ほど排便の為に起きている状態である。病室とトイレはそう遠くないが、夜間だけでもポータブルトイレの使用を勧めたが、ウオッシュレットが毎回使用したいと希望あり、夜間もトイレ歩行していた。(カテーテルの不具合の可能性もある) 肛門の皮膚状態を保つためにもウオッシュレットの使用が望ましいと考えるので、CVカテーテルのラインに1箇所テープを巻き、寝衣と安全ピンで固定し、ナート以外にもう1箇所、荷がかからないような工夫を行う。 メディカットカテーテル
1216?12?PA 16G 30cm
日本シャーウッド   今回の事例は、医療機関から企業へ報告がされておらず、カテーテル破損部の断面等の分析がされていないので、破損の原因の特定は不可能である。対象製品と思われる製品について、製造記録では製造工程中の異常は確認されず、過去においても製品の不具合による破断事象の報告はない。同様な事例については、過去1年で2件報告されているが、いずれも製品の引張強度を超えた引張り力の負荷が原因であったことが確認されている。カテーテルへの過負荷を防止するためには、輸液ルートを適切な長さにすることも重要と思われる。また、引きちぎれでカテーテルが体内に入り込むことを防ぐための改善策としては、縫合以外に加重を分散させる部分を作ること、刺入部近傍での縫合固定を避けること、ドレープの使用等も考慮する必要があると思われる。
5 機器誤作動 医療用具(機器)の使用・管理 CHDF開始2時間30分後、機械の凝固薬剤用のポンプが早送りとなり、フサン2.0CC/Hのところ、一瞬の内に40CC注入した。患者の状態の変化はなかった。 機器の不具合を疑う。 原因究明のため、メーカーへ点検依頼。 持続的血液濾過透析装置ACH-10 アサヒメディカル, メテク   本事例は、医療機器不具合・感染症症例報告書にて報告されている事例と思われる。当該事例は、早送りスイッチのON信号を表示制御部CPUが認識した後、静電気が発生し、表示制御部CPUのリセットがかかり、そのリセット中に早送りスイッチを放した場合、早送りスイッチのOFF信号が認識できず、シリンジ早送り動作が継続したものと推定された事例で、当該医療機関では、静電気がよく起きる使用環境であったことが確認されている。さらに継続調査により、非常に大きな静電気が発生する特殊な環境下のみでなく、電磁ノイズが発生する通常の環境下でも当該事例が稀に発生する可能性があることが判明し、当該製品及び類似製品(血液浄化装置PL−EZ)について改修が行われた。なお、本事例に限らず電子部品を使用している医療機器は、静電気によって機器の設定がリセットされてしまう可能性があるため、使用中は正常に動いていることを監視していること必要である。また、静電気の発生や停電時等で突然機器が停止しても患者に致命的な健康被害を及ぼすことのないようにフェイルセーフシステムを取り入れた機器を選択して使用することが推奨される。
6 その他(誤操作) 医療用具(機器)の使用・管理 輸液ポンプ不良の報告を受ける。調べたところ、機器操作ミスで完了アラームは鳴らず。気泡アラームは原因不明。 輸液ポンプはME機器センターの管理であり、定期点検も実施した機器を病棟へ定数配置しているが、今回の不具合は内部の詳細点検が必要となった事例。 不具合の原因が不明のため、メーカーへ調査依頼した。 テルモ輸液ポンプTE-172 テルモ株式会社   企業による検証の結果、同様事象は再現されず異常は認められなかった。完了アラームが鳴らなかったのは、輸液総量を設定する際に、輸液剤容量以上の値を設定したことが考えられる。
7 その他 医療用具(機器)の使用・管理 血液透析患者に対し、除水量3.1L目標で、4時間HD開始。2時間経過の時、除水量1.56Lと本来表示される予定が、0.88Lと表示。患者には異常は見られなかった。 使用開始前の機器点検は常時実施。オーバーホール(使用時間積算による)も実施している器械であったが、今回の不具合により、詳細な点検の必要性が発生した。 メーカーへ不具合の調査を依頼。 血液透析患者監視濾過装置 TR-7000M 東レ株式会社,
日本フェンオール
  本事例は、除水量は設定のとおりに行われたが、除水量の表示に異常が見られた事例で、医療機器不具合・感染症症例報告書にて報告されている事例。企業において、ソフトウエア検証、再現試験等、詳細な調査が行われたが、問題なく正常に動作しており不具合は再現されていない。さらに、当該医療機関の電源状況、静電気の発生環境等の調査が実施されたが、特に問題となる事項はなく原因は不明である。同様の事象は故意に除水量を途中でリセットした場合に見られるがこのような行為がない同様の報告例はないので、現時点で特に対処の必要はないと思われる。
8 配置が悪かった 医療用具(機器)の使用・管理 ベッドの床が濡れていることに気づいた。丁度、回路交換の日であり、交換したときに加湿器の側面に縦のひび割れが入っていたことに気づいた。 不良品だと思われる。 医療機器安全性情報報告書を提出。加湿器はすべて違うロット番号のものに交換。 加湿器用チェンバーPMC-300F フジ・レスピロニクス株式会社, パシフィックメディコ 2004 本事例は、医療機器安全性情報報告書にて報告されている事例。企業による調査の結果、亀裂の破壊起点は、いずれもチェンバー外壁表面の白点状の汚れ部で、表面が侵食された形態が認められた。また、亀裂発生は特定の医療機関に集中しており、破壊起点の侵食形態や、破面への薬物の付着が確認されたことから、使用される薬液、溶剤の影響が考えられた。当該医療機関への調査の結果、人工呼吸器付近でキシロカインスプレーの使用が確認され(キシロカインはプラスティック等へ悪影響をもたらすことが想定される)、企業によるキシロカインスプレーを用いた検証実験で亀裂の発生が確認されたことより、本事例は薬液の付着が原因と考えられた。今後、加湿チェンバーに薬液等を付着させないよう注意する必要がある。
9 欠陥品・不良品だった 手術 手術開始前、間接介助看護師は入室前にKTPレーザーのスイッチを入れて準備していた。13:45入室。硬膜外麻酔、静脈麻酔の後、患者様は入眠された。手術の準備が整い、KTPレーザーのシステムウォームアップを行ったところ、通常なら”レディ/スタンバイ”と表示され、出力設定に移るが、F15F04というエラー表示となり正常に作動しなかった。直ちに15:15取扱業者に連絡して15:45点検を受けたが使用不可能で、手術は中止せざるをえなくなった。直近で行ったメーカーメンテナンス時に交換された管球のひび割れだった。 メーカー点検直後のため油断。メーカーが交換した部品の不具合。KTPレーザーについての始業前点検を確実に行っていなかった。 始業点検を確実に行う.KTPレーザーを使用する時は患者様が入室する前に、スイッチをいれてシステムウォームアップを行い、使用可能であるかを確認する.手術使用機器不具合発生時対応では、今回の不具合発生での即時対応は無理との事で始業点検で発生頻度を下げる努力をするしかない。電話や業者来院での対応ができることについては、短時間対応や連絡に確実性を確認した。手術使用の光学機器についての同様の始業点検などについての全面見直しについて、手術室運営委員会での検討を依頼した。 キシヤ HOYAフォトニクス(株) 1999 本事例で不良があったランプ(消耗品)は、メンテナンス作業の際に企業が交換したもので、交換作業直後、作業者により動作確認が実施され、異常がないことが確認されていたが、実際の使用時にランプにひび割れが発生し、装置がエラーを発生した事例である。
企業による調査によれば、本事例のように、保障使用期間内にひび割れを起こした事例は過去3年間報告されていない。また、ユーザーは通常の操作をしており、操作には問題はないことから、入荷検査時の外観検査、部品交換後に実施する動作検査で発見が難しい不良があった可能性が想定される。なお、本事例発生以降、製造元では、ランプを装置に実装した状態に近い条件で検査を実施するように検査工程の改善を図り、受入れ検査の条件に長時間の出力安定性試験を定め、抜き取り検査を徹底して不良発生の再発防止を図っている。
10 その他 医療用具(機器)の使用・管理 1/5脳圧センサー設置術施行。15:50 ICCUより帰室する。日勤帯は他の看護師が受け持っており、準夜帯になり16:50モニターの三方活栓部分にはガーゼを巻いてあると申し送りを受ける。17:00訪室するもガーゼは巻いてあった。18:00訪室時ガーゼがはずれており三方活栓が見えていた。三方活栓は二つついてあり、一つは側管部分がオープンに、もう一つは側管部分がクローズになっていた。患者は意識レベルが??1であり、万が一、三方活栓のキャップを外してしまったときのことを予測し、三方活栓をクローズにしようとした。 センサーが三方活栓の中を通っている事を予測できなかった。三方活栓をガーゼでくるむよう指示はあったが触らないという指示・申し送りがなかった。医師にセンサー管理についての確認が不足していた。 センサー入れ替え時、三方活栓をクローズにした。三方活栓の上にガーゼをくるみ、ガーゼに三方活栓は触らないと記入した。マニュアルがないため作成する。 モニタリングカテーテル 東機貿   モニタリング・カテーテル製品には、三方活栓の中をセンサーが通っている構造のものはなく、また、本品を三方活栓の中に通して使用するものもない。三方活栓はコックを動かして使用するものでありセンサーを通すことに疑問があり、脳圧センサーを三方活栓に通して使用する意図が不明である。医療機器の目的外使用と情報伝達の不徹底が問題と考えられる。
11 その他 ドレーン・チューブ類の使用・管理 気切挿管されている患者で日中CPAPモードの時、抑制せずに経過観察していた。危険行動認めなかったため、本人に状況を説明し抑制せずにその場を離れた。10分後、他看護師から自己抜管の報告を受けた。すぐにアンビューバッグにて呼吸補助し、主治医に報告する。5分後、主治医到着し、気切カニューレ再挿入する。患者の呼吸状態は変化なくバイタルサインも問題なかった。 患者のストレスを考えてのケアであったが、ストレスの強さのアセスメントが甘かった。チーム内で患者の状態を申し送っていたが、お昼休憩の時でナースステーションに看護師が誰もいない状態だった。 ベッドサイドを離れる時は抑制を行う。患者の状態によって看護師の人数が少ない時こそ観察を重視していく。 気切カニューレ ポーテックス    
12 管理が不十分だった 医療用具(機器)の使用・管理、感染防止 患者をRI室に搬送中、点滴架につけていた輸液ポンプの固定部分と本体のネジが緩み、本体が落下した。その際、輸液ルートの針の部分が外れ、床に落下したが、ルート交換もせずに輸液に再挿入し点滴を続行した 輸液ポンプが落下した事により精神的に慌ててしまい、清潔に関して注意を払えなかった。清潔に関して軽視した部分があった。 点滴ごとのルート交換の実施。清潔操作、感染防止に関して、この事例を機会とし自分の行動を見直すこととする。 輸液ポンプ テルモ   点滴架につけていた輸液ポンプの固定部分と本体のネジが緩み、本体が落下したのは、医療機関の管理不十分が原因と考えられる。
また、その際、落下した輸液ルートの針の部分を交換せずに再挿入したのは、ヒューマンエラーであると考えられる。
13 管理が不十分だった ドレーン・チューブ類の使用・管理 トイレに行くため目覚めた患者から、輸液ルートの接続外れを知らせるナースコールがあった。患者に一番近い三方活栓と延長チューブの接続が外れ、血液の逆流でシーツが汚染していたが、バイタルサインに変化はなかった。メインの輸液の他に三方活栓から抗癌剤を投与中で、非吸着性の延長チューブを使用していたが、このチューブは接続が外れやすく、絆創膏で補強していた。深夜で患児が入眠中のため、刺入部等のルートの確認をしなかった。 医療材料の形状の問題業務手順やルール、チェックの問題 チェックリストの内容に沿って、確認作業を行う。 非吸着性延長チューブ JMS   当該非吸着性の延長チューブの接合部分(メスコネクタ)は、基準に適合したルアーテーパーで、材質は硬質のポリカーボネート樹脂を使用しているが、当該製品において、過去3年間、医療機関から同様事例の報告はない。また、当該非吸着性(非PVC)の延長チューブに使用しているメスコネクタは、他のPVC製の延長チューブ、輸液セット等にも使用されており、当該非吸着性延長チューブの接続が他に比べ外れやすいとは考えられない。基本的には規格品であるが、メーカ間による若干の差や、接合時に薬液でメス側のコネクタ内が濡れた状態にあった際に接合が緩いと感じるものと考えられる。また、延長チューブは患者に近い側で使用されることから、体動等でチューブが引かれ接合部が緩むことも想定される。従って、これらの接続部は絆創膏等による補強は止め、安全を考慮しルアーロックタイプの使用を考慮する必要がある。さらに、薬剤の性状によっては、粘調度が高かったり、滑りやすかったりするものもあるので、管理上、取り扱い時には、通常の輸液よりも注意が必要である。
14 管理が不十分だった ドレーン・チューブ類の使用・管理 1:00交代時のルート確認時にインターリンクがIVHカテーテルからはずれていて、シーツ・布団が濡れていた。 インターリンクとIVHカテーテルの接続部をガーゼ保護しているために観察ができていない。はずれる可能性がないと聞いていたので油断していた。 ルート確認時に接続部が観察できる方法を考える。(接続部が見えるようにオプサイトで固定etc)ルート確認時以外でもインターリンクの接続部に外力が加わるとはずれる可能性があるので訪室時にも確認をする。 インターリンク バクスター   インターリンクの接続部が、他の同様製品に比較し、外力によりはずれやすい事はなく、接続時のゆるみが想定される。企業においても、2002年1月から同様の事例の報告はない。接続部については、観察を容易にできる方法を検討し、定期的に確認することが重要である。また、ルート交換等の処置時は捻れ方向を考慮し慎重な取り扱いが必要である。


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