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第10回集計 医療用具情報

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第10回集計 医療用具情報

  修正要因 内容 事例の内容 事例の要因 改善案 販売名 業者名 購入年 備考
1 管理が不十分だった 医療用具(機器)の破損 手術中に3?のポートから挿入した3?の把持鉗子が、把持しようとグリップを握った際に先端部分が破損した。先端が曲がった状態になりポートから抜去できなくなり、ポートと一緒に破損した鉗子を腹腔外へ取り出した。その後、ポートを入れ直し、予定どおり手術を終了した。 ・術中に把持鉗子が故障し、鉗子を取り出し確認したが、鉗子のワイヤー故障と思いこみ欠落を発見できなかつた。
・故障した鉗子の一部が小さく、腹腔内の脱落に気づかず手術を続行し終了した。
・手術直後にレントゲン撮影、術中ビデオによる確認が遅れた。
・術中に把持鉗子が故障し、目視により破損が確認できなかったことを踏まえ、複数による確認を徹底することとした。
・術中器具故障等の発生後は、透過、不透過、を問わず必ずレントゲン撮影を実施し、異物遺残の有無を確認するよう周知徹底を行った。
・厚生労働省に対して、医療機器安全情報報告書を提出するとともに、製造業者にたいして耐用年数・使用頻度の確認を行い、院内における使用基準の見直しを行う。
CLICKLINE把持鉗子PV30710?1 エム・シー・メディカル(株)大阪支店 2002 平成14年5月に同様事例の報告があり、当該機器については耐用期間及び使用回数を1年間又は30症例のうち短い方とし、添付文書改訂とリベット脱落に関する警告文・簡易メンテナンスシートを各医療機関へ情報提供し注意喚起が行われている。
今回の事例は20ヶ月使用されており、耐用期間を越えて使用されたことにより、リベットにゆるみと金属疲労を起こしていたところに過度の力が加わり、リベットが抜け落ちた可能性がある。
今回再度、使用上の重要注意と改訂した添付文書・使用回数表を配布し注意喚起が行われた。
医療機関によっては、添付文書や取り扱い説明書の重要性や、保守点検の重要性が認識されていないようなので、この点についても注意する必要があると思われる。
2 配置が悪かった 医療用具(機器)の点検管理ミス 1時の呼吸器チェック時は異常がなかった。1時10分「ピーピー」というアラーム音が鳴るが何でなっているかわからず、他の看護師に聞く。バッテリー切れのアラーム音とわかり、機械側のコンセントが抜けかけていることがわかる。その瞬間呼吸器のバッテリーが切れ呼吸器が止まり、そばにいた看護師と医師でアンビューで呼吸確保をおこなう。すぐに電源をいれ呼吸器が立ち上がり、呼吸器に装着をする。患者は呼吸困難なく全身状態変化無し。 呼吸器回路は手でついているか確認をするが、バッテリーの機械側のコンセントは手でたぐっていなかった。 呼吸器回路だけでなく、バッテリーの電源のコードも確認をしていく。 バード8400 アイ エム アイ   人工呼吸器に接続された無停電電源装置の電源ケーブルがAC電源から外れたため、無停電電源装置のバッテリー電力により作動を継続したが、バッテリー容量が減少し人工呼吸器が作動を停止したと考えられる。
通常、AC電源からバッテリー電源に変わると、約10秒ごとに「ピーピーピー」と断続的にアラームが鳴動し続け、無停電電源装置の全面パネルのインジケータでバッテリー駆動であることを知らせている。
この状態でバッテリー駆動を続けバッテリー容量が完全になくなると約1秒間「ピー」アラームが鳴動し、同時に人工呼吸器側で無停電電源装置とは違う音色でアラームが鳴動する。このような場合は、電源コードを分かりやすく表示札やテープで識別でき、確認し易くするようにしたり、コンセントの接続が見やすい配置であることも重要と思われる。
3 管理が不十分だった その他の投与速度のエラー 日勤者が15時の輸液交換時間が近づいた14時に輸液残量の確認を行った所、残量が異常に多いことに気付いた。輸液ポンプのフィンガー部のルートが曲がっていた。 前日の輸液交換者が輸液ポンプのフィンガー部のルートをきちっと固定したと思っていた
夜勤者も滴下数・輸液総量のみを確認していた
輸液ポンプのアラームが作動しなければ正常に作動していると思った
夜間睡眠を妨げないように遮光袋を開けての残量確認は行っていなかった
輸液の定時交換時に輸液パックにラインを入れ次回残量チェック時の目安とする
定時交換1時間後に輸液ポンプのフィンガー部のルートを目視確認する
消灯前・起床時に輸液パックに残量のラインを入れる
勤務開始時には滴下数の確認と共に残量の確認も行う
ムトウ株式会社 テルモ株式会社   輸液セットのポンプ本体への装着が不完全だったと考えられる。
チューブの装着が不十分の場合、ポンプは作動し積算量は加算されるが、チューブに圧力がかからず閉塞アラームは鳴動しない。これについては、添付文書、取扱説明書に注意喚起文の記載がある。
輸液セットの適切なセッティングや輸液残量確認の徹底等、輸液ポンプ使用時の確認を徹底することが必要である。
4 故障していた 医療用具(機器)の誤作動 電動車椅子に呼吸器を搭載し、マウスピースを口にくわえ病院内を移動している患者様。
車椅子にのって、30分ほど経過したとき、突然全てのアラーム(低圧・高圧・電源関連)が鳴り、呼吸器が停止した。指導員が消音ボタンをおすと呼吸器は復帰し、通常の作動を開始した。換気停止時間2分間ぐらい。
・機器の保守点検は定期的に行っている。
・機種はコンパニオン2801で使用時間29,374時間
・業者点検し、1回営業所で同様な事が再現された
・インターフェイスボード等部品交換
・業者で部品交換スミ 呼吸器 コンパニオン2801 タイコヘルスケアジャパン株式会社   企業による調査の結果、要因として二つが考えられた。一つは、医療機関が自作の外部バッテリ及びバッテリケーブルを使用しており、バッテリケーブルの調査から外部バッテリとの接触不良が考えられた。二つめは、動力モータの回転動作を検知する光学エンコーダの取り付け位置、部品の故障によるものが考えられた。
対応としては、外部バッテリの使用については、医療機関へ注意点を説明することとし、光学エンコーダについては、定期点検項目に追加し、取り付け状況、部品の破損を確認することとなった。また、これらについては、医療機関へ情報提供することとされている。
5 管理が不十分だった 医療用具(機器)の不適切使用 患者は経口摂取が不十分であったため持続的に経腸栄養を投与していた。10時間勤務の申し送りでは夜勤帯に入る頃にボトルの更新があると申し送りを受けた。19時訪室すると、経腸のボトルが空になっていたため更新する。ルート内まで空になっていたため、経腸ポンプを一時ストップし、器械からルートを外し、栄養剤をルートに満たす。その後、ルートを器械に取り付けスタートボタンを押した。その時に持続投与にしなければ行けなかったが間違えて、間欠的投与のボタンを押していた。その後滴下の確認、量が減っている事を確認したが間欠的投与になっている事には気付かなかった。 器械操作に対する充分な知識がなかった。正しく操作しているか不安はあったがカルテをみたり、相手チームのスタッフに聞くという行動をとらなかった。 操作内容を充分に理解していない場合や不安に思った時は使用手順を見直したり相手チームのスタッフに聞いたりして、正しく操作する。 経腸ポンプ ゼロメディカル   当該機器は、本体前面の連続投与キーと間欠投与キーのいずれかを押すことで投与方法の選択が出来る機器で、連続投与を選択すると前面パネルに直線のシンボルが表示され、間欠投与時はパルス型のシンボルが表示されるようになっている。
経管栄養開始時の確認が重要であると考える。
6 その他 分析機器・器具管理 Mさんの検体CBC・生化・アンモニアが提出された、RBC290万 Hg8.5g Ht25.6と前回に比べて大きく違っていた、そこでアンモニアの検体(CBCと容器は同じ)で調べたところ、R353万 Hg10.2 Ht30.1となった、採血方法はシリンジで抜き、3本に分け、特に問題はなかった。DIV側での採血もない。 現在よくわからない、ミスはなさそうだがデータは考えられないデータである、機器の点検もしている、再検では問題なかった。 異常値があるときは確認,看護師へのアンケート採血の実施方法について作成 CBC シスメックスK-4500 四国医療器 1994 CBC用の採血管とアンモニア用の採血管のデータ比がほぼ同一であることから、検体などの取り間違えではなく同一検体と考えらられる。
シリンジ採血された検体がしばらく静置されたためシリンジ内の血球が沈降して濃度勾配が生じ、このような不均一な状態で3つの試験管に分けられ検査が行われ、検査結果が違った可能性がある。 
7 その他 分析機器・器具管理 患者より人工呼吸器(オニキス)で呼気弁が詰まっている感じがするとの訴え。呼気が出にくいとのこと。呼吸器の設定を確認したところ、PEEPが5cmH2Oになっていた(通常PEEPは0)。患者より設定は誰もさわっていない。そのままであると、患者の呼吸は苦しくなる(しにくい)。
呼吸器が誤認識し、自動にその設定にしたと思われる。
呼吸器(オニキス)の保守・管理
 オニキス内部にあるサーキットボードといわれる部分が劣化し、設定ダイヤルを動かしていないのに実際はPEEPが勝手にかかっていた。
約3年ぐらい経過すると、サーキットボードが劣化してくる。
この呼吸器はレンタル中で、トラブルがおこって初めて業者から聞いた。
レンタル先の業者に通達
当院で使用中のオニキス呼吸器は、定期点検にだし、サーキットボードを全部交換した
IMI IMI   PEEP設定を行うダイヤルを含むフロントパネル(サーキットボード)の可変抵抗の故障が原因であると考えられる。
同機種のフロントパネルは10000時間または3年で交換する保守点検仕様となっているが、当該機はレンタル器として貸し出された際、業者による3年点検時にフロントパネルの交換を怠ったためPEEP設定が変わったもので、業者によるレンタル器の保守点検管理が不十分であったと考えられる。今後の対応として、保守点検管理体制の強化が行われた。なお、販売品についても、保守点検の必要性を周知徹底していくこととした。
8 欠陥品・不良品だった その他の検査のエラー 血管造影開始、右上腕動脈肘部を穿刺、4FRイントロデューサー留置後、ガイドワイヤーを通した4FRストレートピッグテールカテーテルを上腕から腕頭動脈へ進めていったところ腕頭動脈で本体と頭部に分解した 不良品 医療用具等安全性情報報告を行い、業者へ回収と原因究明をもとめた アンギオカテーテル ピックテールST4.2FR クリエートメディック   該当品のチューブ部については、本体チューブ・中間チューブ・先端チューブの3パーツを自動高周波溶着器で溶着している。
企業による調査で当該ロットのチューブは仕様変更による再溶着製品で、その際、通常の溶着作業とは異なる作業を行ったことで本体チューブと中間チューブに隙間ができたため、溶着が不完全となり破断したものであり、不具合報告書が提出されている。
再溶着した12ロット、969本については自主回収が行われた。


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