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人材育成事例029

株式会社ZORROCompany
職業能力評価基準を活用した人材育成
情報掲載年度 2013年度
情報掲載日 2014/3/1
都道府県 宮城県
資本金 非公開
従業員数 50人未満
産業分類 医療・福祉
株式会社ZORROCompanyウェブサイト
ZORROCompanyは、さまざまな形での介護サービスを通して、利用者される方、そのご家族に安心と喜びを提供し、以って、老人福祉に寄与していくことを目標としている。
そのためには職員全員一丸となって、人格及び技能、知識の向上に向けて、不断の努力を続けていくことが重要である。
デイサービスから出発し、現在、訪問介護事業、リハビリテーション体育事業と業務をひろげ、さらに新たな事業を展開するにあたって、利用者される方及びご家族のさまざま事情に合わせたサービスを益々充実させることにより、さらなる「安心と喜び」を提供していくことを目標としている。
そのビジョンを実現するためには、介護する職員側も、「安心と喜び」に満ちていなければ、ハートフルなサービスの実現はない。
具体的な展開を行うための指針となる計画策定は、年度ごとに、経営基本計画を策定し、その年度の経営目標を掲げ、その目標から、顧客満足度、マーケティング、能力開発、職場環境などの各分野別の目標を設定し、それを行動計画、研修計画にフィードバックするという作業を行なっている。
よって、研修においても、テクニカルな内容から、利用者される方、ご家族のお心持ちなどを推し量るために必要な知識に至るまで、広範な内容を心掛けている。  
職員一人ひとりが適切に行動できるよう基本の心構えは、「みんなの心と身体に寄り添ったあたたかなサービス提供と、心と心をつなぐお手伝いをしていきます。」としている。その心構えをいつでも確認できるよう憶えやすくするため頭文字で「ああたのしい」としている。
(あ:安心・安全 あ:明るい た:楽しい の:のんびり し:幸せ・自立 い:生きがい・意欲)

具体的なキャリア形成支援に関する理念、方針は、

利用者が安心して介護を受けられるための、介護技術の向上
介護の重度、軽度などその程度に合わせたフレキシブルな接遇、サービスの向上
現場サイドにおいても経営に参画しているという意識の醸成
介護以外の社会全般の諸問題など、社会常識の習得
各種コンプライアンス、リスクマネジメントの理解
の5本柱としている。
<キャリア形成支援の導入に至った背景、時期>
経営ビジョンの達成のためには、従業員の経営への参画意識とモチベーションの向上が必要不可欠であると考えていた。
また、一方ではこれまでの技術中心の研修から一人ひとり自ら考え行動していくためには、「みんなの心と身体に寄り添ったあたたかなサービス提供と、心と心をつなぐお手伝いしていきます。」という基本的な心構えとその行動規範に関する研修の必要性を強く感じていた。
加えて、経営基本計画を策定した後の経営目標である顧客満足度、マーケティング、能力開発、職場環境などの各分野別の目標設定、さらに行動計画、研修計画にフィードバックさせるという一連の作業を行ってきた。その結果について能力評価や賞与評価を中心とした1年に2回の管理職による確認面接のための話し合いだけでは目標達成の限界を感じていたことが挙げられる。
このような状況から、会社の目標と個人のキャリア目標とが合致するベストな選択肢と可能なことから実行していく内容の確認のための話し合いを、例えばレクリエーション等の場などで会社側への自由に意見・提案できる風土づくりに工夫を凝らし、随時的に対応するよう改めることとした。
さらに新たな事業を展開するにあたって、利用者される方及びご家族等のさまざま事情に合わせたサービスを益々充実させ、さらなる「安心と喜び」を提供していきたいと考えていたことから、労働時間の長短に関わらず職員の教育が喫緊の課題となっていた。
これら諸課題の解決を本格的に今年度から実施していくこととした。

<支援の内容>
1)経営基本計画を策定と会社の目標と個人のキャリア目標との合致
事業年度ごとに経営基本計画を策定し、分野別の目標の設定を行い、年2回の管理者対話のほか、会社の目標と個人のキャリア目標とが合致するベストな選択肢が可能となるようあらゆる機会を捉え、例えばレクリエーション等の場などで会社側へ自由に意見・提案できる風土づくりに工夫した。

2)研修メニュー基本方針追加と充実
従業員の能力開発及び職場環境の整備は、最重点事項と捉え、その基本計画を行動計画、研修計画に落とし込み、管理者クラス、新入社員など、クラスごとに必要と思われる研修メニューを策定し、実行している。
また、これまでの医療機関や有資格者などが講師となった技術中心の研修から、「まごころの介護」という自社の理念に近づけるため、介護技術はもちろん、接遇、高齢者の心理や認知症知識、経営感覚など、社長自ら講師を務めるほか多岐に渡る研修に改めた。

3)多様な勤務形態による経営への参画意識とモチベーションの向上
職員のほとんどが女性であるという職員構成の特徴を生かし、正職員から週あたり1日~数日勤務の職員に至るまで、出産や介護などの職員の多様な事情に対応できる勤務体制を整備した。
一例であるが、安心して働いてもらうため、短時間正社員制度を設けるなど、職員の出産、育児、介護など、さまざまなライフステージに合わせて、労働時間を決めることができるようにした。
また、その時間設定にあたっては、これまで管理者面談など重い雰囲気の場ではなく、例えばレクリエーション等の場などで会社側へ自由に意見・提案できる風土づくりに工夫を凝らし、利用しやすいよう工夫を行なった。
さらに、労働時間設定改善委員会の定期開催により、職員側で起こっているさまざまな事情の把握、改善を労使で議論できるようになってきた。

4)能力評価(レベル)の事業所側と職員で相互確認
能力評価(レベル)について事業所側と職員相互に確認しやすいように工夫した。具体的には、職業能力評価基準の策定にあたって、「職業能力評価基準のレベル1部分」を参考に、事業所側と職員で相互確認を容易にする能力評価基準を作成した。これにより職業能力の段階的な向上を確認し合う機会が作れるようになった。
更に職種別・クラス別に、細分化した職業能力評価基準を作成し、職員に示すことにより、より具体的な自分の、あるべき姿を見せられるようになってくると期待している。
能力評価は、意欲評定を中心とした能力評価を行ってきたが、これを多様な業務形態や労働時間の設定したなかで働く職員のモチベーションの維持、向上を図るうえで、自社独自の評価基準を用いても公正な職業能力評価を行えるようになった。

<支援に対する従業員の反応、満足度等>
1) 会社の目標と自分のキャリア目標が合うようになった。また、自分のキャリア目標のベストな選択が可能となってきた。
2) これまでの年2回の管理者面接だけでは本音が言いづらかったが自分から機会を捉え、会社側へ自由に意見・提案できるようになった。
3) 研修メニューに管理者クラス、新入社員など、職制クラス以外に介護技術はもちろん、接遇、高齢者の心理や認知症知識、経営感覚等ごとに、自己啓発に必要と思われる多岐に渡る研修を受講できるようになった。
4) 1日~数日勤務の短時間でも正社員制度が適用されるなどさまざまなライフステージに合わせて出産や介護などの職員の多様な事情に対応できる勤務体制が整備され、安心して働いていける環境が整いつつある。
またその時間設定にあたっては、これまで管理者面談など重い雰囲気の場ではなく、例えばレクリエーション等の場などで会社側へ自由に意見・提案できるようになった。
5) 労働時間設定改善委員会を定期的に開催し、職員側で起こっているさまざまな事情について事業所側との話し合いを通じて情報共有と改善を労使で議論できるようになった。
6) これまでの能力評価(レベル)の設定、評価は、事業所主導になりがちであったが、事業所側と職員が相互に意見を出しやすくなった。
これにより、自分のあるべき姿が理解しやすくなり、経営参画と仕事に対するモチベーションの維持、向上が図りやすくなった。

<支援による効果、成果(業績との関係など)>
仕事での表情、評価時面接時の自信ある言葉遣い、自分の人生・生活サイクルに合わせた働き方の提案など職員一人ひとりが確実に変わり始めていることを実感している。
そのような中、ZORROCompanyが、さまざまな形での介護サービスを通して、利用される方、そのご家族に安心と喜びを提供し、以って、老人福祉に寄与していくため、デイサービスから出発し、現在、訪問介護事業、リハビリテーション体育事業と業務をひろげ、新たな事業を展開するため、近々本社社屋を建設予定である。
まだ、改善、改革すべきことはあるものの、職業能力の評価を行う必要性を感じてから、紆余曲折し「職業能力評価基準」のレベル1部分を参考にしつつ評価基準を作成しあるべき姿を示せるようになった。職員がやる気を出して、よい方向に展開してきたことが最大の効果、成果であると実感している。

<別添>
・経営基本計画(別紙-1)

・分野別行動計画(別紙-2)

・研修計画(別紙-3)

・自社独自の評価基準(別紙-4)
介護事業は、典型的な労働集約型の産業であり、事業を継続、成長していくためには、全て「人の力」に頼ることから、これまでのOJTを基軸とした人材育成から脱却するため、人材育成の考え方、研修体系の見直しを図っているところである。今後は、今までの能力評価基準のレベル1を、職業能力評価基準を参考にして、レベル2、レベル3へとさらにブラッシュアップして、より職員が自分のキャリアビジョンを持てるように支援できればと思っており、自己啓発支援のための「職業能力開発を図る職員支援規程」を設けるなど、本人の希望するキャリアアップを制度上も支える体制構築も検討し始めている。また、業務の拡大に合わせた能力評価基準が対応できておらず、若干の矛盾が生じているようにも感じられるので、改善の必要性も感じている。これまでの取組で一定の成果は上がっているものの、研修時間の不足を感じる。介護事業は細やかな対応が必要なため研修内容も充実させたい。意識の高い職員による介護により、利用者が「安心、安全、心地よい」介護を受けられ、利用者のご家族も安心して依頼できる介護サービス事業者になることが最終目標として、「今、何が問題か」を問い続けながら日々新たに取り組んでいくこととしている。
【会長奨励】
経営基本計画(別紙-1)
分野別行動計画(別紙-2)
研修計画(別紙-3)
自社独自の評価基準(別紙-4)

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