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新たに指定薬物8物質を麻薬に指定します(注意喚起)

平成29年7月26

医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課


本日付けで、「麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令」及び「麻薬及び向精神薬取締法施行令」を一部改正し(※1)、新たに8物質を麻薬として指定し、新たに2物質を特定麻薬向精神薬原料として指定しました(政令の施行は本年8月25日) 今回の麻薬指定により、麻薬の総数は186物質になります。

 

新たに麻薬に指定される物質は、現在、厚生労働省が指定薬物(※2)に指定しており、医療等の用途以外の目的での製造、輸入、販売、所持、使用等が禁止されています。同物質は、麻薬と同種の乱用のおそれがあること、麻薬と同種の有害作用をもつことが確認されましたので麻薬に指定し、罰則を強化(※3)することにより規制の強化を図ります。

なお、麻薬に指定される8物質は、指定薬物の指定から外され、指定薬物ではなくなります。

 

※1  麻薬、麻薬原料植物、向精神薬及び麻薬向精神薬原料を指定する政令及び麻薬及び向精神薬取締法施行令の一部を改正する政令(平成29年政令第204号)

※2 中枢神経系への作用を有する蓋然性が高く、かつ、人の身体に使用された場合に保健衛生上の危害が発生するおそれのある物。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第2条第15項に規定。

※3 指定薬物に関する罰則:最高で5年以下の懲役及び500万円以下の罰金。

   麻薬に関する罰則:最高で無期若しくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金

 

 

 

 

1.指定薬物から麻薬に指定される物質

(1)化学名: N—(アダマンタン—1—イル)—1—(5—フルオロペンチル)—1H—インダゾール—3—カルボキサミド

通 称: APINACA N-(5-fluoropentyl) 誘導体

(2)化学名: 2—(エチルアミノ)—1—(4—メチルフェニル)プロパン—1—オン

通 称: 4-MEC,4-Metylethcathinone

(3)化学名: 3,4—ジクロロ—N—[2—(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]—N—メチルベンズアミド

通 称: U-47700

(4)化学名: 2—フェニル—2—(ピペリジン—2—イル)酢酸エチルエステル

通 称: Ethylphenidate

(5)化学名: N—(1—フェネチルピペリジン—4—イル)—N—フェニルブタンアミド

通 称: Butyrfentanyl

(6)化学名: 2—(メチルアミノ)—1—フェニルペンタン—1—オン

通 称: Pentedrone  

(7)化学名: メチル=2—[1—(シクロヘキシルメチル)—1H—インドール—3—カルボキサミド]—3,3—ジメチルブタノアート

通 称: MDMB-CHMICA

(8)化学名: N—メチル—1—(チオフェン—2—イル)プロパン—2—アミン

通 称: Methiopropamine

 

注:麻薬として指定する物には上記物質の塩類及びこれらを含有する物を含む。

2.特定麻薬向精神薬原料に指定される物質

(1)化学名: 4—アニリノ—1—フェネチルピペリジン

通 称: ANPP 

(2)化学名: 1—フェネチルピペリジン—4—オン

通 称: NPP

 

注:特定麻薬向精神薬原料に指定する物には上記物質の塩類及びこれらを含有する物を含む。

3.麻薬向精神薬原料について

麻薬向精神薬原料は、麻薬又は向精神薬の原材料として用いられるものです。

麻薬等の不正製造を防止するため流通や輸出入等に規制がかけられており、盗難や密造に流用される疑いのある場合には届け出る必要があります。

また、麻薬向精神薬原料のうち、より麻薬又は向精神薬への加工が容易であるもの若しくは麻薬又は向精神薬の不正な製造に必要不可欠であるものについては、特定麻薬向精神薬原料に指定し、麻薬向精神薬原料より厳しい規制をかけています。

   今回の指定により、麻薬向精神薬原料は20物質、うち特定麻薬向精神薬原料は12物質となります。

 

アセトン (50%を超えるもの)

・アントラニル酸 (50%を超えるもの)

・エチルエーテル (50%を超えるもの)

・塩酸 (10%を超えるもの)

・トルエン (50%を超えるもの)

・メチルエチルケトン (50%を超えるもの)

・ピペリジン (50%を超えるもの)

・硫酸 (10%を超えるもの)

N-アセチルアントラニル酸 (50%を超えるもの)

4—アニリノ—1—フェネチルピペリジン 50%を超えるもの)

イソサフロール (50%を超えるもの)

エルゴタミン (50%を超えるもの)

エルゴメトリン (50%を超えるもの)

過マンガン酸カリウム (10%を超えるもの)

サフロール (50%を超えるもの)

ピペロナール (50%を超えるもの)

1—フェネチルピペリジン—4—オン 50%を超えるもの)

無水酢酸 (50%を超えるもの)

3,4—メチレンジオキシフェニル—2—プロパノン (50%を超えるもの)

リゼルギン酸 (50%を超えるもの)

                    ※下線の物質は、特定麻薬向精神薬原料。

 

4.特定麻薬向精神薬原料の取扱いについて(注意)

麻薬向精神薬原料を輸入(輸出)する際の手続きは、輸入(輸出)を業とする場合と、業としない場合で異なります。業とする場合とは、反復継続して輸入(輸出)をする場合です。

○ 業とする場合

麻薬等原料輸入(輸出)業者業務届が義務づけられています。さらに特定麻薬向精神薬原料を輸入(輸出)する場合は、麻薬等原料輸入(輸出)業者業務届の届出をした上、さらに輸出、輸入の都度、届出が必要です。

○ 業としない場合

麻薬向精神薬原料ごとに定めた量以下であれば、輸入(輸出)の届出や業務届は必要ありませんが、一定の量を超える麻薬向精神薬原料を輸入(輸出)する場合には届出が必要になります。

 

詳しくは、各地方厚生(支)局麻薬取締部にお問い合わせ下さい。

http://www.ncd.mhlw.go.jp/shinsei2.html

 

5.施行日等

公布日:平成29年7月26日(水)

施行日:平成29年8月25日(金)

6.国民の皆様への注意喚起

     今回麻薬に指定される8物質は、「合法ハーブ」(乾燥植物片状)などと称して販売されていた、いわゆる危険ドラッグ製品から検出されたものです。                                                                                                               
 危険ドラッグにはどのような成分が含まれているか不明なものが多く、使用すると意識障害や呼吸困難など健康被害を引き起こすおそれがあるため、非常に危険です。また、危険ドラッグには指定薬物、麻薬など法によって厳しく規制されている物質が含まれている可能性もあることから、決して購入などせず、使用しないでください。

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