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医療事故調査制度に関するQ&A(Q13)
医療事故調査制度に関するQ&A(Q13)
Q13. 死亡時画像診断(Ai)の対応についてはどうなりますか?
注 死亡時画像診断(Ai)とは、遺体をCTやMRIで撮影・読影することで、体表のみでは分からない遺体内部の情報を得ることをいいます。
A13. 今回の制度では全ての症例に対して、必ずしも死亡時画像診断(Ai)を実施しなければならないこととなっておらず、管理者が選択する事項になっています。
なお、厚生労働省の「死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会 報告書(平成23年7月 座長:門田守人)」では、「外因死に関する先行研究においては、頭部の挫滅、心臓破裂、頸椎骨折といった外傷性変化の解剖所見と死亡時画像診断所見との一致率は比較的高い」ことが報告されています。
しかし、平成20年度~21年度厚生労働科学研究費補助金「診療行為に関連した死亡の調査分析における解剖を補助する死因究明手法(死後画像)の検証に関する研究」報告書(研究代表者:深山正久)では、「診療関連死において重要な内因死における解剖所見と死亡時画像診断所見との一致率は、くも膜下出血、脳出血、大動脈解離、大動脈瘤破裂といった出血性の病態等、死因として検出可能である疾患もありますが、心嚢水、心タンポナーゼや肺炎など、確実な診断ができるとはいえない疾患も多くあります。さらに感染症や血栓症など現時点では死亡時画像診断では診断が困難とされている疾患も30%程度ある」と報告されています。
また、平成26年度厚生労働科学研究費補助金「診療行為に関連した死亡の調査の手法に関する研究」報告書(研究代表者:西澤寛俊)においては、「内因死における死亡時画像診断は限定的な疾患について有用性が認められていますが、現状では全ての死亡について死因を明確にできるものではないことや、発展途上の技術であることを十分に念頭に置く必要があること、また、多くの場合、解剖と異なり生前にCTが撮影されることも多いため必ずしも死亡時画像診断を行わなければならないものではありませんが、死亡までの情報が少ない場合や、死因が不明の場合は撮影を考慮します。ただし、死亡時画像診断で得られるものは、画像所見であり、死因の診断が必ずつくものではないことに留意が必要」と報告されています。
このような知見を参考に、地域の死亡時画像診断(Ai)の体制と遺族への説明状況などを勘案して、死亡時画像診断(Ai)の必要性について考慮してください。
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