Det Norske Veritas
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C7831
改訂第1版
1997年12月
中央獣医学研究所が実施したBSE病原性試験の結果から、脊髄と関係が深い組織の感染性が明らかになった。ただし、英国内で特定ウシ臓器(SBM)として定義される可能性はない。問題の組織は背根神経節で、脊髄除去後も脊柱に残る可能性があり、食肉に混入する可能性がある。海綿状脳症諮問委員会(SEAC)の依頼により、30ヵ月齢未満のウシの当該組織の感染がヒトに及ぼすリスク水準を正式に評価した。
病原性試験の結果、臨床的症候発現前の9ヵ月時点では感染性が見られなかったが、発現前の3ヵ月間には背根神経節を含む中枢神経系組織の感染性が有意な水準で認められた。
屠殺時に中枢神経系に感染性があった可能性がある個体数、背根神経節が除骨作業中に骨とともに廃棄されなかった見込み、骨付き肉に背根神経節が混入し消費された見込みを推定値とし、それらのデータを樹状図化してモンテカルロ法によるリスク評価を実施した。
ヒト経口ID50の摂取量に基づいた2つのリスクが測定されている。一方は1年当りの全英国民の経口ID50総摂取量で、社会的または集団的リスク量である。もう一方は個別リスクであり、経口ID50/年/人の予測摂取量で示される。
感染性の総摂取量
30ヵ月齢未満のウシの中枢神経系感染に伴う背根神経節の感染性に起因する感染性の総摂取量の中央値は、1997年の全英国民については0.05 ID50であり、その95%範囲は0〜11 ID50、総摂取量が1未満である確率は80%である。
確認されたBSE症例の継続的減少に伴って、1998年に関する数値は1997年の数値の約75%にまで低減すると推測される。
感染性の総摂取量の24%は食肉中の骨に起因しており(範囲10%〜45%)、残りは除骨作業後も食肉に残存した背根神経節の割合に起因する。
個別リスク
摂取の個別リスクの中央値は9×10-10ID50/人/年と推測されており、その95%範囲は5×10-12〜 2×10-7ID50/人/年、リスク等級のほぼ4桁分にまたがる。結果を図1の予想リスクスケールで示す。
1. 序論 1.1 背景 1.2 研究の目的 2. 研究方法 2.1 病原性試験 2.2 殺処分された感染個体数 2.3 中枢神経系組織の感染性 2.4 DRGの処理 3. リスク評価 3.1 イベントツリー 3.2 リスク評価 3.3 入力データ 3.4 結論 4. 参考文献 5. 結果の考察 6. 結論 付録 |