国立療養所
長島愛生園

National Sanatorium Nagashima-Aiseien

リハビリテーション室

リハビリテーション室紹介

 

歴史

 昭和37年より職員2名で開始された。当時は物理療法中心で行われていました。現在は職員7名(理学療法士5名、作業療法士2名)で、入所者240名(2014.4時点)を対象に、運動療法・物理療法をはじめ、様々な行事に参加することで交流し、入所者のADL・QOL維持に務めています。

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リハビリテーション室

 リハビリテーション室は、病棟1階北側に位置し、入所者のアクセスが容易となっています。リハビリテーション室は、運動療法・物理療法を行い、運動機能の維持・改善を図るだけでなく、入所者同士の交流の場、健康増進(介護予防)の場にもなっています。対象者は、外来をはじめ、治療センター、各病棟の入所者を対象に理学療法・作業療法を実施しています。入所者の健康寿命維持を可能な限り手助けしていきたいと考えています。

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リハビリテーション室設備

 物理療法では、温熱療法機器(ホットパック、ホットリズミー、ホットマグナー)、低周波治療機器、マイクロ波治療器、自動間欠牽引器を備えています。運動療法では、持久力訓練機器(エルゴメータ、トレッドミル、ニューステップ、エルゴサイザー)、筋力訓練装置(油圧式チェストプレス、大腿四頭筋訓練器)、起立訓練用傾斜ベッド、車いす用ボードトレーナー、その他個別訓練用器具を揃え、入所者に合わせて様々な運動ができる仕様になっています。

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一般理学療法・作業療法

運動療法

 関節運動・伸長運動をはじめ、筋力増強運動や持久力トレーニングなどは、入所者が主体的にマシントレーニングを行えるようになっています。外来で通われてこられている入所者の姿をみると、年齢に反したその元気さに驚くことでしょう。

理学療法

 以前の理学療法は、ハンセン病・ハンセン病後遺症による末梢神経障害(知覚、運動、自律神経)や機能障害による二次的病変や後遺症を予防・軽減することが重要でした。 しかし、現在は入所者が高齢化しているため、後遺症に留意しながらも、他の病院・施設と同様な高齢者に対する治療・運動・訓練を実施しています。大腿骨頸部骨折などの急性期から維持期、健康に過ごすための介護予防(健康増進)の運動・訓練を入所者の必要性に合わせ行っています。変形・欠損等の機能障害については、義肢装具士と連携し、失われた機能の回復訓練等も積極的に行っています。

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物理療法

 入所者にとって物理療法は大変重要なものとなっています。ハンセン病は、手指、足部の変形という二次障害が起きます。その二次障害を予防するために多くの入所者がリハビリ室に通っていました。現在は、牽引・温熱療法が主となっていますが、今でもパラフィン浴、バイブラなど上肢・下肢の機能維持をはかるため、物理療法を行っている入所者もいます。

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作業療法

 リハビリテーション室が開設したときから、作業療法士はいましたが、当時は物理療法、運動療法が中心でした。現在は、リハビリテーションに必要な内容が変化したため、作業療法は重要なものになっています。理学療法士が、運動療法、基本動作訓練、物理療法が中心ですが、作業療法は、応用動作、心のケア(精神的なサポート)、上肢の訓練等、理学療法と異なった役割を果たしています。リハビリテーションチームは、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士が連携して相互協力体制で取り組んでいます。チーム全体で、身体機能維持だけでなく、何気ない会話などをとおして心理面にかかわっています。

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 精神科作業療法

 介護予防精神科作業療法は、H23年より開始しました。近藤医師と作業療法士が中心となり、理学療法士にも参加してもらっています。現在、愛生園の入所者も平均年齢が約83歳と高齢化が進み認知症を患う入所者が以前よりも増加しています。介護予防精神科作業療法は、その様な入所者に対して心理的(精神的)な賦活を図っています。内容は、回想を適宜に入れ込みながら、映画鑑賞、書道、絵画(塗り絵)などを行っています。時々、季節ごとに入所者が花をリハビリ室に持ってきてくれます。愛生園で育ってよく見かける花をプログラムの中で、会話をしながら観賞する事で、入所者の笑顔がよく見られます。何でも色々と取り入れて入所者の心の健康にアプローチしています。

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中央介護棟リハビリ(パワーリハ)

 高齢になると、身体が徐々に動かしにくくなってきます。パワーリハでは、アンチエイジングをコンセプトに不活動の筋肉を活性化させて、良く動ける身体にしようというものです。筋力増強が目的ではないため、低負荷で運動を行っています。

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その他のリハビリ

運転リハビリ

 運転リハビリはH26年3月から開始しました。近年、高齢者の交通事故が多発しており、愛生園でも交通事故予防対策として、試験的に開始しています。運転リハビリといっても、実際に運転の練習をするのではなく、ゲームをとおして判断力・身体機能の向上を図っています。楽しく行うことがモットーで入所者に気軽に参加してもらっています。

 

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転倒予防教室

 楽しい運動で『転びにくい身体作り』を目指して開催しています。

 「運動」といえば、きつい・つらいといったイメージを持たれることが多いと思いますが、転倒予防教室では、遊んでいたら、気付かないうちに運動機能が向上していた!そして転倒数が減少していた!!をコンセプトに運営しています。

 運動内容は、マシンを使った筋力トレーニング、ラジオ体操、遊び運動ですが、参加者に特に大人気なのが、遊び運動の一つ『キックボーリング』です!

 ボーリングのように10本のピンを立てて、ボールを手ではなく足で蹴ってピンを倒します。チームを組んで対戦形式で行うので、皆さんストライクやガーターが出るたびに大盛り上がりしながら楽しんでいます。

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リハビリカンファレンス

 各病棟の患者(入所者)について、他職種間で話し合い、共通理解・認識をもって治療に取り組めるように実施しています。様々なスタッフの意見を参考にしながらチーム医療を行っています。

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看護学校講義

 毎年、看護学校の講義・実習を行っています。リハビリテーションの内容を主に講義しています。将来的には、チーム医療の仲間として働いてもらえるよう、必要な情報を提供しています。愛生園看護学校の学生は、いつも真面目に授業に参加してくれています。講義をするこちらがその熱気で負けそうになります。

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余暇活動

サッカー

 医師・看護師長を中心に週1回、入所者のグランドゴルフ場を借りて行っています。看護学生も参加してくれています。リハビリスタッフも体力が必要です。そのため、経験を問わず参加しています。女性も参加していますが、サッカーをしているときは真剣勝負です。スポーツを通じて医療に欠かせないチームワークを養っています。

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学術活動及び研修参加

 瀬戸内集談会をはじめ、国立病院総合医学会、ハンセン病コメディカル学会等に積極的に参加することで、情報を更新し、後期高齢化に即したリハビリを行うよう心がけています。

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リハビリの関連する愛生園イベント紹介

 入所者との交流・QOLの向上を図るため、リハビリ部門からも様々な園内イベントに参加しています。

日出茶屋

 お茶やコーヒーを飲みながら、お話ができる入所者さんの癒しの場です。リハビリスタッフも接客係として参加しています。接客をしつつ、普段なかなかお会いする機会のない入所者さんと交流を深められる場でもあります。

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老人会カラオケ

 入所者、職員にかかわらず、カラオケ大会に参加し、親睦・交流を深めています。互いに笑い・楽しむ時間を共有することは入所者さん達にとってはいきがいのひとつとなっています。リハビリからも有志が笑いを提供することで、入所者さん達を元気づけます。

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愛生園夏まつり

 リハビリスタッフは神輿を担いで、祭りを盛り上げています!神輿は相当に重く、担いでいる肩が痛くなりますが、祭りを盛り上げるために頑張っています!また、キッズコーナーのお手伝いをしたりして、地域の方々とのコミュニケーションを図っています。

 神輿を担いだあとは、盆踊りに参加したり、花火を眺めながら、入所者さんと共にたい焼き、焼きそばなどを食べて談笑したりしています。

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バレーボール大会

 バレーボール大会は愛生園職員対抗で開催されています。入所者さんは応援団となり、精一杯プレーする職員を応援しています。

 リハビリ室は毎年参加していますが、残念ながら毎回1回戦負けです・・・。

 去年は『もっと練習しま賞』という名誉ある?賞を頂きました。

 応援して下さる入所者さんのためにも、次は1回戦突破を目指します!!

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合同レクリエーション

月見の会

 園では毎年9月の中旬に月見の会を開催しています。リハビリ室も参加しており、手足の体操を提供したり、カラオケでデュエットして歌ったりと、入所者さんに楽しい時間を過ごして頂こうと、毎回工夫を凝らしています。

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年忘れ会

 毎年12月初めに開催しています。

 リハビリ室はピアノ・キーボードでジングルベルやアメージンググレイスを弾きました。(ちなみに音楽初心者)

 決して上手とは言えない演奏でも、入所者さんは大変喜んでくださり、数週間くらい前から練習してきた甲斐がありました!

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