国立療養所
長島愛生園

National Sanatorium Nagashima-Aiseien

義肢装具室

 義肢装具室は、現在1名の義肢装具士が担当しております。医療機関の職種としてはなじみのない方も多いと思いますので業務内容について少々ご紹介したいと思います。愛生園では、高齢化、筋力低下、骨折等により入所者の不自由度が増し、義肢は減少しているものの装具や自助具を使用する方が増えつつあります。愛生園は四方海に囲まれ、気候も温暖で風光明媚な島ですが、一方で山や坂が多いために開園当初は道路の状況も悪く、山や海岸周辺で、ねんざをしたこともあったそうです。こうした地形的な条件も入所者の障害を生んだ一つの要因ではないかと思われます。それでは愛生園で製作している義足、補装具、整形靴、自助具等をご紹介したいと思います。

 現在もっとも多く製作しているのが短下肢装具で、これは下垂足や足関節等に障害のある人に使用しています。皮革製装具とプラスチック製装具の割合は9対1で、皮革製の装具をより多く製作しています。これはプラスチック製装具に比べ皮革製は多少厚みがあるものの足になじみやすく、足関節をしっかり包み込む為、関節を保護してくれます。 当園では入所者の要望に応じて、義足や装具装着者でも履くことができるような長靴、既製靴やスリッパ等の改良に対応しています。下垂手の方の卓球用装具を製作したところ、ラケットが固定できるようになったことで卓球でリハビリに励んでおられます。

 自助具に関しては、主に食事用のスプーン、フォークやボタンかけ等を製作しています。これらの自助具は旅行等にも携帯でき、QOLの向上に役立っています。ラジカセなど家電製品のスイッチ類の改良、電話機の自助具 の取り付け、ナースコール、インターホン、カメラのシャッターボタン、杖の持ち手の改造、カラオケマイク用の自助具製作、鞄、ハンドバッグ、ポーチ、財布、鍵、その他、日常生活用品の改良を行っています。この他、義肢装具および日常生活全般について相談をお受けしています。

平成26年6月

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