ホーム > 報道・広報 > 広報・出版 > 広報誌「厚生労働」 > <身近な危険 食中毒>

広報誌「厚生労働」

<身近な危険 食中毒>

動物:ジビエ

野生の鳥獣の肉を「ジビエ」として食べるのを楽しみにしている人もいるはず。
11月15日の狩猟解禁前に、ジビエを食べる際の注意点を確認しておきましょう。

クイズ! ジビエとして提供され、食中毒の原因となったことがある動物はどれでしょう


解答は、こちら [354KB](リンク先の右下をご覧ください)



ジビエのシーズン到来よく加熱してから食べよう

寄生虫や病原体を保有している恐れがある

  野生のイノシシやシカなどは、畑を荒らすなどの被害をもたらすことがあるため、野生鳥獣被害防止対策が進み、捕獲数は年々増加しています。単に捕獲するだけではなく、それらを調理しジビエ料理として提供することで、新たな観光の目玉にするなどの取り組みも盛んです。そこで今回は、安全にジビエ料理を楽しむためのポイントを紹介します。
 野生の鳥獣は家畜とは違い、飼料や健康状態などの衛生管理が行われていません。そのため、旋毛虫(トリヒナ)、肺吸虫などの寄生虫やE型肝炎ウイルス、病原大腸菌、サルモネラ属菌、カンピロバクター・ジェジュニ/コリなどの病原菌を持っている可能性があります。
 ジビエによる食中毒事件としては、1999年のシカ肉を原因とするサルモネラ属菌による食中毒、2005年のイノシシ肉を原因とするE型肝炎ウイルスによる食中毒、2016年のクマ肉を原因とする旋毛虫による食中毒などがあります。2016年の事例は、野外で捕獲されたクマの肉を、食肉処理業の営業許可を受けた施設ではなく、狩猟者が解体、そのうえ、クマ肉を譲り受けた飲食店が加熱不十分な“クマ肉のロースト”として提供したことが原因とみられています。旋毛虫に感染すると、発熱や筋肉痛、眼の周囲の浮腫、脳炎などが起こり、場合によっては死亡するケースもあります。

ガイドラインに則った野生鳥獣肉の処理と生食を避けることが大切

  野生鳥獣を食品として処理・提供するにはまず、食品衛生法に基づき、都道府県知事等から営業許可を受けなければなりません。安全性を確保するため、厚生労働省では2014年に「野生鳥獣肉の衛生管理に関するガイドライン」を策定し、狩猟から運搬、処理、加工・調理、販売、消費の各過程で気をつけるべき点を示しています。各都道府県では、これを参考にしながら、地域の関係者への指導を実施しています。ジビエを提供する飲食店等は、改めて同ガイドラインを確認しましょう。  また、同ガイドラインは捕獲した野生鳥獣を自家消費する場合も参考にできます。
 調理時に必ずしなければならないのは、十分な加熱です。細菌やウイルス、寄生虫は十分に加熱すれば、死滅します。中心部までしっかり火を通しましょう。
また、ほかの食品の二次汚染を防止するために、器具の使い分けや、使用前の洗浄・殺菌などを徹底しましょう。
 前述したとおり、野生鳥獣は寄生虫や食中毒菌などを保有しており、その肉にはリスクがありますので、ジビエは決して生で食べる食品ではないことを十分に認識してください。

詳しくはこちらへ 


PDFファイルを見るためには、Adobe Readerというソフトが必要です。Adobe Readerは無料で配布されていますので、左記のアイコンをクリックしてダウンロードしてください。

ホーム > 報道・広報 > 広報・出版 > 広報誌「厚生労働」 > <身近な危険 食中毒>

ページの先頭へ戻る