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広報誌「厚生労働」

<身近な危険 食中毒>

細菌:黄色ぶどう球菌・ウエルシュ菌

「加熱すれば食中毒は防げる」と考えている人も多いのではないでしょうか。
細菌による食中毒のなかには、通常の加熱では防げないものもあるので、要注意です。

クイズ! 黄色ぶどう球菌・ウエルシュ菌に共通する事柄について、次の@からBに○×で答えてみましょう。?

解答は、こちら [354KB](リンク先の右下をご覧ください) 

要警戒! 通常の加熱では防げない食中毒もある

手や指に傷がある人は食品に直接触れないように
 黄色ぶどう球菌は、自然界に広く分布している細菌で、人の鼻腔や喉にも存在します。また、化膿菌の一つとしても知られており、化膿巣には本菌が多量に存在しています。調理する人の手や指に傷があったり、その傷口が化膿している場合、そこから食品が汚染され、菌が増えて毒素(エンテロトキシン)がつくられることで、食中毒が発生することもあります。
 潜伏期間は1〜5時間(平均3時間)と短く、吐き気や嘔吐、下痢などの症状が現れます。
 黄色ぶどう球菌自体は熱に強くありませんが、エンテロトキシンは熱に強いので、通常の加熱調理では無毒化されません。従って、黄色ぶどう球菌による食中毒を予防するためには、食品中でエンテロトキシンをつくらせないようにすることが重要です。
 菌が食品につかないよう調理前の手洗いや調理器具の洗浄・殺菌を心がけましょう。手や指に傷などがある人は、食品に直接触れるのを避けてください。
 また、菌を増やさないように、食品の温度管理、迅速な取り扱いを心がけましょう。

菌の増殖を防ぐため保存する際は特に注意を
 ウエルシュ菌も、ヒトの腸管、土壌や下水などに広く分布している細菌です。ウエルシュ菌の特徴としては、熱に強い芽胞をつくること、酸素のない環境を好むことがあげられます。これまでにカレーやシチュー、煮魚、麺のつけ汁など、大量に調理され、そのまま室温で冷まされた食品が原因で食中毒が発生しています。また、1件あたりの患者数が多く、大規模発生になることがあります。
 潜伏期間は6〜18時間(平均10時間)で、腹痛や下痢などの症状が現れます。
 夏(7〜9月)に多く発生しますが、春(3〜4月)や冬(12〜1月)にも起こるので、注意しましょう。
 ウエルシュ菌のうち、芽胞を形成したものは通常の加熱では死滅しません。また、自然界に分布する菌のため、食品への汚染を根絶することは不可能です。そのため、加熱により菌数を減らすことや、菌の増殖を防ぐことが大切です。
 清潔な調理を心がけ、加熱調理をした食品を冷やす際は、小分けにするなどしてすばやく冷やし、室温に長時間放置するのはやめましょう。保存する際は、10℃以下または55℃以上で。再加熱する場合は十分に加熱したうえで、早めに食べるように心がけてください。

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