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−「平成14年度女性雇用管理基本調査」結果概要−

I 育児休業制度等に関する事項

 1 育児休業制度
 (1) 育児休業制度の規定状況
 育児休業制度の規定がある事業所の割合は、事業所規模5人以上では61.4%(平成11年度53.5%)、事業所規模30人以上で81.1%(同77.0%)と前回調査よりそれぞれ7.9%ポイント、4.1%ポイント上昇している。産業別にみると、金融・保険業で94.7%、電気・ガス・熱供給・水道業で91.5%とその割合が高い(事業所規模5人以上。以下、特に断らない限り同じ)。事業所規模別にみると500人以上で99.2%、100〜499人で93.6%、30〜99人で78.0%、5〜29人で57.5%と規模が大きくなるほど規定がある事業所の割合が高くなっている(第1図、第1表)。

第1図 育児休業制度の規定あり事業所の推移

 (2) 育児休業制度の内容
育児休業期間
 育児休業制度の規定がある事業所における育児休業制度の期間は「子が1歳未満」とする事業所が86.1%を占め、「子が1歳以上1歳6ヶ月未満」が6.4%となっている。また、「子が2歳以上3歳未満」とする事業所割合は5.1%と、前回調査(1.6%)よりも3.5%ポイント上昇しているが、「3歳以上」とする事業所割合は0.8%と前回調査(1.4%)よりも0.6%ポイント低下している(第2図、第2表)。

第2図 育児休業期間

育児休業制度の対象労働者
 育児休業制度の規定がある事業所で、育児・介護休業法の適用除外となっていたり、労使協定で除外できることとなっている者について、育児休業制度の対象としている事業所は、「1年以内に退職することが明らかな者」について25.9%(11年度29.7%)、「配偶者が常態として子を養育することができる者」について22.5%(同26.5%)、「期間を定めて雇用される者(その一部を対象とするものを含む)」については、21.2%(同21.3%)、「勤続1年未満の者」について14.3%(同21.3%)となっている(第3表)。
 (3) 育児休業期間中及び復職後の労働条件等の取扱い
育児休業期間中の定期昇給の取扱い
 育児休業期間中の定期昇給の取扱いについては、定期昇給制度のある事業所のうち「定期昇給時期に昇給する」が25.3%、「休業期間中の定期昇給は行わずに復職後の定期昇給に持ち越す」が51.8%、「復職後に昇給する」が23.0%となっている(第4表)。
賞与の算定期間内に休業期間があった場合の賞与の取扱い
 賞与の算定期間内に休業期間があった場合の賞与の取扱いについては、賞与の制度がある事業所のうち「出勤日又は休業期間に応じて支給する」事業所が78.6%、「出勤日又は休業期間にかかわらず一定額又は一定率支給する」事業所が5.4%と、合わせて84.0%が賞与を支給している。事業所規模別に賞与を支給している事業所割合をみると、500人以上で93.5%、100〜499人で88.2%、30〜99人で85.9%、5〜29人で83.5%と、規模が大きくなるほど割合が高くなっている。また、育児休業制度の規定のある事業所では86.3%、規定のない事業所でも79.7%の事業所が賞与を支給している(第5表)。
復職後の賃金の取扱い
 復職後の賃金の取扱いについては、「休業前の賃金又はそれ以上の額を保障する」が70.7%を占めており、「休業前の額を下回ることもある」は7.3%である。「休業前の賃金又はそれ以上の額を保障する」事業所の割合は、規模別では500人以上で90.7%、100〜499人で86.2%、30〜99人で78.4%、5〜29人で68.9%と規模が大きくなるほど割合が高くなっている。また、育児休業制度の規定のある事業所では83.9%となっている(第6表)。
退職金の算定の際の休業期間の取扱い
 退職金の算定の際の休業期間の取扱いについては、退職金制度のある事業所のうち「勤続年数に全く算入しない」事業所は47.4%であり、勤続年数に算入している事業所は「原則として全期間を勤続年数に算入する」事業所37.8%と「原則として一定期間又は一定割合を勤続年数に算入する」事業所14.8%をあわせて52.6%となっている(第7表)。
復職後の職場・職種の取扱い
 復職後の職場・職種の取扱いについては、「原則として原職復帰する」が71.3%、「本人の希望を考慮し会社が決定する」が15.1%、「会社の人事管理等の都合により決定する」は9.7%と原職又は本人の希望が考慮された形での復職とする事業所の割合が高くなっている。育児休業制度の規定のある事業所では、「原則として原職復帰する」が84.1%、「本人の希望を考慮し会社が決定する」が9.9%となっている(第8表)。
職業能力の維持、向上のための措置の状況
 育児休業者に対する職業能力の維持、向上のための措置については、31.6%の事業所が何らかの措置を講じており、平成11年度の16.8%と比べ14.8%ポイント上昇している。産業別では、電気・ガス・熱供給・水道業で73.0%と前回調査(48.4%)より24.6%ポイント上昇しているほか、卸売・小売業,飲食店で33.4%(平成11年度14.7%)と大きく上昇している。事業所規模別では全ての規模で上昇がみられるが、特に、500人以上規模で65.3%(同46.7%)と大きく上昇している。
 措置を講じている事業所における措置の内容(複数回答)をみると、「休業中の情報提供」を行っている事業所割合が68.0%となっており、前回(61.3%)に比べ6.7%ポイント上昇している。(第3図、第9表)。

第3図 育児休業者に対する職業能力の維持、向上のための措置

 (4) 育児休業制度の利用者の状況
育児休業取得者
 出産者又は配偶者が出産した者に占める育児休業取得者(平成13年4月1日から平成14年3月31日までの1年間の出産者又は配偶者が出産した者のうち、平成14年10月1日までに育児休業を開始した者(育児休業の申出をしている者を含む)をいう。以下同じ。)の割合(以下、育児休業取得率という。以下同じ。)を男女別にみると、女性は64.0%と前回(11年度56.4%)より7.6%ポイント上昇し、男性は0.33%と前回(0.42%)に引き続き取得率は低かった。これを事業所規模30人以上でみると、それぞれ71.2%(同57.9%)と13.3%ポイントの上昇、0.05%と前回(0.55%)に引き続き低かった。また、育児休業取得者のうちの男女別割合とみると女性は98.1%、男性は1.9%となっている。
 事業所規模別の育児休業取得率を女性についてみると規模が大きいほど取得率が高く(500人以上77.2%(11年度76.3%。以下同じ。)、100〜499人75.9%(71.4%)、30〜99人64.2%(47.2%)、5〜29人55.6%(55.0%))、また、全ての規模で上昇がみられ、特に30〜99人規模では17.0%ポイントも上昇した(第4図、第10表)。

第4図 女性の育児休業取得率

育児休業終了後の復職状況
 平成13年4月1日から平成14年3月31日までの1年間に復職予定であった者のうち、実際に復職した者は88.8%(11年度82.4%)であり、性別にみると、女性は88.7%(11年度82.1%)、男性は100.0%(11年度100.0%)が復職している。(第11表)。
取得した育児休業期間
 平成13年4月1日から14年3月31日までの1年間に育児休業を終了し、復職した女性の育児休業期間は、「10か月〜12か月未満」が41.4%と最も多く、前回(29.2%)と比べ12.2%ポイント上昇しており、6ヵ月以上取得している者も76.1%と前回(62.7%)に比べ13.4%ポイント上昇した。一方「3ヵ月未満」の者は9.6%と前回(21.5%)に比べ11.9%ポイント低下している。
 男性は、「3か月〜6か月未満」が62.8%と最も多く、前回(32.3%)と比べて30.5%ポイント上昇している一方で、「3ヵ月未満」の者は33.0%と前回(63.0%)より30.0%ポイント低下しており、育児休業期間の長期化傾向が見られる(第5図、第12表)。

第5図 取得した育児休業期間 第5図 取得した育児休業期間

 (5) 育児休業取得者があった際の雇用管理
 育児休業取得者があった際の雇用管理については、「代替要員の補充を行わず、同じ部門の他の社員で対応した」事業所は51.7%、「事業所内の他の部門又は他の事業所から人員を異動させた」事業所は19.4%、「派遣労働者やアルバイトを代替要員として雇用した」事業所は39.7%となっている。(第13表)。


 2 働きながら子育てをする労働者に対する援助の措置に関する事項
 (1) 勤務時間短縮等の措置の導入状況
 勤務時間短縮等の措置を導入している事業所は50.6%(11年度40.6%)と措置を講ずる事業所の割合は上昇している。各措置ごとの導入状況(複数回答)をみると、「短時間勤務制度」が38.5%(同29.9%)と前回に比べた導入事業所割合の上昇が大きく、以下、「所定外労働の免除」が24.1%(同22.9%)、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」が21.6%(同21.7%)、「フレックスタイム制度」が7.1%(同8.9%)、「1歳以上の子を対象とする育児休業」が6.1%等となっている(第14表)。
 事業所規模別では、「短時間勤務制度」を導入している事業所が500人以上で63.0%、100〜499人で59.1%、30〜99人で46.4%、5〜29人で36.4%となっており、また、「所定外労働の免除」が500人以上で60.8%、100〜499人で45.3%、30〜99人で32.9%、5〜29人で21.8%となっている等、規模が大きくなるほど各措置を導入する事業所の割合が高くなっている(第6図、第14表)。

第6図 育児のための勤務時間短縮等の措置の導入状況

 (2) 勤務時間短縮等の措置の内容
 勤務時間短縮等の措置を導入している事業所において、各措置の対象となる子の年齢の上限をみると、「短時間勤務制度」、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げの制度」、「所定外労働の免除」については、それぞれの制度を有する事業所のうち1歳以上の利用を可能とする事業所が51.0%、51.5%、59.7%といずれも5割以上となっている。
 また、「1歳以上の子を対象とする育児休業制度」については、「3歳に達するまで」とする事業所が53.9%と最も多く、次いで、「1歳〜2歳」とする事業所が37.6%となっている。
 「短時間勤務制度」を導入している事業所について制度の対象となる子の年齢の上限を「3歳に達するまで」以上としている事業所割合は措置を導入している事業所に対する割合でみて48.8%、全事業所に対する割合では18.8%となっている。これを事業所規模別にみると、規模が大きいほど高く、全事業所を100として、500人以上49.5%、100〜499人36.4%、30〜99人21.9%、5〜29人では17.5%となっている。
 また、「短時間勤務制度」を導入している事業所について平日1日に短縮する時間の長さをみると、「2時間以上3時間未満」とする事業所が50.2%と最も多く、次いで「1時間以上2時間未満」とする事業所が40.2%となっている(第15表)。

 (3) 勤務時間短縮等の措置の利用状況
 勤務時間短縮等の措置を導入している事業所において、各措置の利用状況をみると、平成13年4月1日から平成14年3月31日までの1年間に出産した女性のうち、14年10月1日までに各措置の利用を開始(開始の申出を含む。)した者の割合は、「事業所内託児施設」が52.5%で最も高く、以下、「育児に要する経費の援助措置」が20.9%、「短時間勤務制度」が14.7%、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げの制度」が14.4%、「1歳以上の子を対象とする育児休業制度」が13.9%となっている。配偶者が出産した男性については「育児に要する経費の援助措置」が3.7%、「事業所内託児施設」が2.9%、「フレックスタイム制度」が2.5%となっている(第16表)。

II 介護休業制度等に関する事項

 1 介護休業制度
 (1) 介護休業制度の規定状況
 介護休業制度の規定がある事業所の割合は、55.3%(11年度40.2%)、事業所規模30人以上では73.2%(同62.7%)と前回調査よりそれぞれ15.1%ポイント、10.5%ポイント上昇している。産業別にみると、育児休業制度同様、金融・保険業で94.4%、電気・ガス・熱供給・水道業で90.0%とその割合が高い。事業所規模別にみると500人以上で98.0%(同96.8%)、100〜499人で88.2%(同78.1%)、30〜99人で69.5%(同58.7%)、5〜29人で51.7%(同36.4%)と、500人未満の事業所における上昇が著しい(第7図、第17表)。

第7図 介護休業制度の規定あり事業所割合

 (2) 介護休業制度の内容
最長休業期間
 介護休業制度の規定がある事業所における介護休業制度の期間について「期間の最長限度を定めている」とする事業所は96.1%であり、「必要日数取得できる」とする事業所は3.5%である。期間の最長限度を定めている事業所についてその期間をみると、「3か月まで」とする事業所が73.6%、「1年」が17.7%となっている。1年以上(「1年」と「1年を超える期間」の合計)の割合を事業所規模別にみると、500人以上で55.8%、100〜499人で33.6%、30〜99人で22.5%、5〜29人で16.9%となっており、規模が大きいほど割合が高くなっている(第8図、第18表)。

第8図 規模別最長介護休業期間

取得回数
 介護休業制度の規定がある事業所で、介護休業の取得回数について、「制限あり」とする事業所は83.8%である。その制限内容をみると、「同一要介護者について」回数を制限している事業所が92.9%、「同一要介護者の同一疾病について」回数を制限している事業所が6.2%であり、それぞれ取得回数を「1回」に制限している事業所がほとんどである(第19表)。
介護休業制度の対象となる家族の範囲
 介護休業制度の規定がある事業所で、対象となる家族の範囲について「制限あり」とする事業所は93.1%であり、そのうち99.1%が育児・介護休業法の対象家族(注)を対象としている(第20表)。
(注)「育児・介護休業法の対象家族」とは、配偶者、父母、子、これらに準ずる者(労働者が同居し、かつ扶養している祖父母、兄弟姉妹、孫)及び配偶者の父母をいう。「祖父母」「兄弟姉妹」には、配偶者の祖父母、兄弟姉妹を対象としている場合も含む。
介護休業制度の対象労働者
 介護休業制度の規定がある事業所で、育児・介護休業法の適用除外となっていたり、労使協定で除外できることとなっている者について、介護休業制度の対象としている事業所は、「3か月以内に退職することが明らかな者」については17.5%(11年度23.2%)、「勤続1年未満の者」については14.0%(同21.0%)、「期間を定めて雇用される者(その一部を対象とするものを含む)」については21.3%(同16.5%)、「所定労働日数が週2日以下の者」については9.4%(同14.6%)となっている(第21表)。
 (3) 介護休業期間中及び復職後の労働条件等の取扱い
介護休業期間中の定期昇給の取扱い
 介護休業期間中の定期昇給の取扱いについては、定期昇給の制度のある事業所のうち「休業期間中の定期昇給は行わずに復職後の定期昇給に持ち越す」が51.6%、「定期昇給時期に昇給する」が26.0%、「復職後に昇給する」が22.5%となっている(第22表)。
賞与の算定期間内に休業期間があった場合の賞与の取扱い
 賞与の算定期間内に休業期間があった場合の賞与の取扱いについては、賞与の制度がある事業所のうち「出勤日又は休業期間に応じて支給する」事業所が79.1%、「出勤日又は休業期間にかかわらず一定額又は一定率支給する」事業所が5.5%と合わせて84.6%が賞与を支給している。事業所規模別に賞与を支給している事業所割合をみると、500人以上で93.4%、100〜499人で88.7%、30〜99人で86.3%、5〜29人で84.1%と、規模が大きいほど割合が高くなっている。また、介護休業制度の規定のある事業所では88.8%、規定のない事業所でも78.7%の事業所が賞与を支給している(第23表)。
復職後の賃金の取扱い
 復職後の賃金の取扱いについては、「休業前の賃金又はそれ以上の額を保障する」が69.9%を占めており、規模別では500人以上で90.2%、100〜499人で85.5%、30〜99人で77.0%、5〜29人で68.1%と規模が大きいほど割合が高い(第24表)。
退職金の算定の際の休業期間の取扱い
 退職金の算定の際の休業期間の取扱いについては、退職金制度のある事業所のうち「勤続年数に全く算入しない」事業所は45.2%であり、勤続年数に算入している事業所は「原則として全期間を勤続年数に算入する」事業所41.2%と「原則として一定期間又は一定割合を勤続年数に算入する」事業所13.6%をあわせて54.8%となっている(第25表)。
復職後の職場・職種の取扱い
 復職後の職場・職種の取扱いについては、「原則として原職復帰する」が70.4%、「本人の希望を考慮し会社が決定する」が15.1%、「会社の人事管理等の都合により決定する」が9.8%となっている。事業所規模別にみると、「原則として原職復帰する」とする事業所の割合は500人以上で88.0%、100〜499人で85.6%、30〜99人で76.8%、5〜29人で68.8%と規模が大きいほど高く、また、介護休業制度の規定のある事業所では85.4%となっている(第26表)。
職業能力の維持、向上のための措置の状況
 介護休業者に対する職業能力の維持、向上のための措置については、何らかの措置を講じている事業所割合は31.1%と平成11年度の15.1%と比べ上昇している。措置を講じている事業所の割合を産業別にみると、電気・ガス・熱供給・水道業で73.0%(11年度47.8%)、卸売・小売業,飲食店で34.1%(同13.3%)と大きく上昇しており、事業所規模別ではいずれの規模でも事業所割合は上昇しているが、特に500人以上規模で63.3%(同43.6%)と大きく上昇している。
 措置を講じている事業所における措置の内容(複数回答)をみると、「休業中の情報提供」が67.1%、「職場復帰のための講習」が26.9%となっている。(第9図、第27表)。

第9図 介護休業者に対する職業能力の維持、向上のための措置

 (4) 介護休業制度の利用者の状況
介護休業取得者
 常用労働者に占める介護休業取得者(平成13年4月1日から平成14年3月31日までに介護休業を開始したものをいう。以下同じ。)の割合は0.05%(11年度0.06(11年度は平成11年4月1日から平成11年9月30日まで))であり、性別にみると、女性は0.08%(同0.15%)、男性は0.03%(同0.01%)である。また、事業所規模30人以上でみると、女性は0.06%(同0.10%)、男性は0.01%(同0.01%)となっている。事業所規模別にみると、500人以上で0.04%、100〜499人で0.03%、30〜99人で0.02%、5〜29人で0.07%と、5〜29人規模事業所で最も高くなっている。
 介護休業取得者のうち、女性は66.2%(同90.7%)、男性は33.8%(同9.3%)であり、男性の割合は24.5%ポイント増と大きく上昇している。取得者に占める男性の比率を事業所規模別にみると、500人以上で25.1%、100〜499人で18.4%、30〜99人で19.8%、5〜29人で40.9%と、5〜29人規模事業所で最も高くなっている(第28表)。
介護休業終了後の復職状況
 平成13年4月1日から平成14年3月31日までの1年間に復職予定であった者のうち、実際に復職した者は90.6%であり、性別にみると、女性は89.7%が復職し、男性は92.1%が復職している。事業所規模別にみると、500人以上で87.8%、100〜499人で86.6%、30〜99人で80.2%、5〜29人で93.7%と、5〜29人規模事業所で最も割合が高くなっている(第29表)。

取得した介護休業期間
 平成13年4月1日から平成14年3月31日までの1年間に介護休業を終了し、復職した者の介護休業期間は、「1か月〜3か月未満」が62.9%、「3か月〜6か月未満」が14.1%となっているが、1か月未満の者も19.1%を占め、約8割が3か月未満の取得となっている(第30表)。
 (5) 介護休業取得者があった際の雇用管理
 介護休業取得者があった際の雇用管理については、「代替要員の補充を行わず、同じ部門の他の社員で対応した」事業所は60.4%、「事業所内の他の部門又は他の事業所から人員を異動させた」事業所は30.3%、「派遣労働者やアルバイトを代替要員として雇用した」事業所は15.2%となっている(第31表)。

 2 働きながら家族の介護を行う労働者に対する援助の措置に関する事項
 (1) 勤務時間短縮等の措置の導入状況
 勤務時間短縮等の措置を導入している事業所割合は43.9%(11年度34.1%)と前回に比べて上昇しており、各措置の導入状況(複数回答)は、「短時間勤務制度」が38.5%(同27.7%)、「始業・終業時刻の繰上げ・繰下げ」が18.9%(同19.0%)、「フレックスタイム制度」が6.3%(同8.1%)、「介護に要する経費の援助」が1.3%(同1.3%)と、短時間勤務制度の導入割合が上昇している(第10図、第32表)。
 各措置を利用することができる期間をみると、「フレックスタイム制度」は「3ヵ月未満」が最も多く、その他の措置は「3か月」が最も多くなっている(第33表)。

第10図 介護のための勤務時間短縮等の措置の導入状況

 (2) 勤務時間短縮等の措置の利用状況
 勤務時間短縮等の措置を導入している事業所における、各措置の利用状況をみると、平成13年4月1日から平成14年3月31日までの1年間に各措置の利用を開始(開始の申出を含む。)した者の割合は、いずれも0.01%ないし0.02%にとどまっている(第34表)。

III 時間外労働・深夜業の制限に関する事項

 1 時間外労働の制限に関する事項
   時間外労働がある事業所は80.0%で、そのうち、育児を行う労働者のための時間外労働の制限の規定がある事業所は31.6%である。規定のある事業所の割合は、産業別では金融・保険業で79.0%、電気・ガス・熱供給・水道業で77.0%と高く、事業所規模別では、500人以上で73.8%、100〜499人で51.7%、30〜99人で38.5%、5〜29人で29.3%と規模が大きいほど高くなっている。規定のある事業所のうち、対象となる子の年齢については「小学校就学始期まで」とする事業所が93.9%を占めている(第35表)。
 また、時間外労働がある事業所のうち、家族の介護を行う労働者のための時間外労働の制限の規定がある事業所は29.3%となっている。(第36表)。

 2 深夜業の制限の制度に関する事項
   深夜業がある事業所は39.7%で、そのうち「所定内労働にある」ものが56.1%、「所定外労働にのみある」ものが43.9%となっている。深夜業がある事業所のうち、育児を行う労働者のための深夜業の制限の規定がある事業所は49.0%で、規模が大きいほど規定のある事業所の割合が高くなっている。
 また、家族の介護を行う労働者のための深夜業の制限の規定がある事業所は50.1%で、規模が大きいほど規定のある事業所の割合が高くなっている。(第37表)。

IV 子の看護のための休暇の措置に関する事項

 1 子の看護休暇制度の導入状況
   子の看護休暇制度がある事業所は10.3%で、平成11年度の家族の看護休暇制度のある事業所割合8.0%より上昇している。そのうち、就業規則等で明文化しているものは78.5%である。また、事業所規模30人以上ではそれぞれ9.8%、90.0%となっている。制度がある事業所の割合は、産業別では電気・ガス・熱供給・水道業で29.1%と高くなっており、事業所規模別では500人以上で20.8%、100〜499人で14.5%、30〜99人で8.6%、5〜29人で10.4%と、概ね規模が大きいほど高くなっている(第11図、第38表)。
 子の看護休暇制度がある事業所のうち、子以外の家族についても看護休暇制度の対象としている事業所は61.0%で、その対象者をみると(複数回答)、「配偶者」を対象とする事業所は83.1%、「本人の父母」を対象とする事業所は85.7%、「配偶者の父母」を対象とする事業所は79.2%となっている(第39表)。

第11図 子の看護休暇制度あり事業所割合

 2 子の看護休暇制度の内容
 (1) 対象となる子の年齢
 子の看護休暇制度のある事業所のうち、対象となる子の年齢については「小学校卒業以降も利用可能」とする事業所が42.5%、「小学校就学前(3歳、4歳などとしている場合)」とする事業所が30.8%、「小学校の就学の始期に達するまで」とする事業所が22.0%となっている(第40表)。

 (2) 休暇日数
 子の看護休暇制度のある事業所のうち、休暇日数について「制限あり」とする事業所は78.9%で、その制限の内容は、「同一の労働者につき」が41.3%、「同一の子につき」が28.8%、「失効年次有給休暇で」が11.5%となっている。
 制限がある場合の1年間で取得できる休暇日数については、「同一労働者につき」、「同一の子につき」のいずれも「5日」とする事業所の割合が最も高く、それぞれ46.0%、44.3%となっている(第41表)。

 (3) 賃金の取扱い
 子の看護休暇制度のある事業所のうち、休暇を取得したときの賃金の取扱いが「有給」である事業所は33.9%、「一部有給」は13.5%、「無給」は49.6%である(第42表)。

 (4) 子の看護休暇制度の利用状況
 子の看護休暇制度のある事業所で、平成14年4月1日から9月30日までの間にその取得者のいた事業所は6.2%である。産業別には、サービス業で20.2%と高くなっており、事業所規模別には、500人以上で33.2%、100〜499人で9.8%、30〜99人で12.3%、5〜29人で5.1%と500人以上規模事業所で特に高くなっている(第12図、第43表)。

第12図 子の看護休暇取得者あり事業所割合

V 配偶者出産休暇制度に関する事項

 1 配偶者出産休暇制度の導入状況、内容
   配偶者出産休暇制度(注)のある事業所は33.1%で、産業別では電気・ガス・熱供給・水道業で85.0%と高くなっており、事業所規模別では500人以上で67.2%、100〜499人で57.3%、30〜99人で42.4%、5〜29人で30.7%と規模が大きいほど制度のある事業所の割合が高くなっている(第13図、第44表)。
 取得できる休暇日数については、配偶者の出産1回につき「1〜5日」とする事業所が97.1%を占めている(第44表)。
 休暇中の賃金については、「有給」とする事業所が92.6%を占めている(第45表)。
(注)配偶者出産休暇制度とは、労働基準法に規定する年次有給休暇以外の休暇制度であって、配偶者の出産の際に、病院の入院・退院、出産等の付添い等のために男性労働者に与えられる休暇をいう。

第13図 配偶者出産休暇制度あり事業所割合

 2 配偶者出産休暇制度の利用状況
  配偶者出産休暇制度のある事業所で、平成13年4月1日から平成14年3月31日までの間にその取得者のいた事業所は22.8%であり、事業所規模別では500人以上で64.2%、100〜499人で54.1%、30〜99人で33.1%、5〜29人で18.1%と規模が大きいほど割合が高くなっている(第46表)。
 また、同期間内に配偶者が出産した男性に占める休暇取得者の割合は61.6%であり、事業所規模別では500人以上で50.4%、100〜499人で65.6%、30〜99人で61.3%、5〜29人で62.6%となっている(第47表)。


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