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V 試算結果

1.給付水準維持方式

(1)基準ケース

給付水準を維持する場合、最終保険料(率)の水準は、基準ケースにおいて厚生年金が 23.1%、国民年金が20,500円(平成11年度価格)となる。

【計算の前提(基準ケース)】

人口推計 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39)
経済前提 ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%)
国庫負担割合 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ
 ┌
 |
 └
国庫負担引上げ時に厚生年金の保険料率の引上げ幅の抑制(総報酬ベースで0.77%)及び国民年金の保険料の引下げ(平成11年度価格で3,000円)は行わない。

保険料(率)の引上げ計画
 
引上げ頻度 毎年度
引上げペース 平成11年財政再計算と5年間での引上げペースを同じとする。

番号   厚生年金の最終保険料率
(総報酬ベース)
国民年金の最終保険料
(平成11年度価格)
平成11年財政再計算 19.8%(100) 18,500円(100)
新人口対応試算
(H14.5)(中位推計)
22.4%(113) 21,600円(117)
基準ケース 23.1%(117) 20,500円(111)

注:( )内は、平成11年財政再計算を100とした指数である。

新人口推計対応試算(H14.5、中位推計)においては、少子高齢化がこれまでの推計に比べてさらに進行する見通しとなっている新人口推計を反映したことにより、平成11年財政再計算に比べて最終保険料(率)が上昇したが、今回の試算(基準ケース)では、「経済前提」、「国庫負担引上げ時の保険料(率)の取扱い」及び「厚生年金の保険料率の引上げ頻度」の違いにより、新人口推計対応試算(H14.5)と比べ、厚生年金の最終保険料率は0.7%(総報酬ベース)上昇し、国民年金の最終保険料は1,100円(平成11年度価格)低下した。

【新人口推計の反映】

【経済前提の違い】

【その他】

厚生年金の段階保険料率

国民年金の段階保険料

(参考)新人口対応試算(H14.5)

人口の前提 厚生年金の最終保険料率
(総報酬ベース)
国民年金の最終保険料
(平成11年度価格)
国庫負担 人口
1/2 平成11年
財政再計算
19.8%(100) 18,500円(100)
高位 20.6%(104) 19,900円(108)
中位 22.4%(113) 21,600円(117)
低位 24.8%(125) 24,000円(130)
1/3 平成11年
財政再計算
21.6%(100) 25,200円(100)
高位 22.8%(106) 27,100円(108)
中位 24.8%(115) 29,600円(117)
低位 27.5%(127) 33,000円(131)

注:( )内は、平成11年再計算を100とした指数である。

(参考)基礎年金国庫負担割合の1/2への引上げを行わなかった場合

基礎年金国庫負担割合の引上げを行わず1/3にとどめるとすると、基準ケース(国庫負担割合1/2)の最終保険料(率)を100とした場合、厚生年金の最終保険料率は113、国民年金の最終保険料は143となる。

基礎年金国庫負担割合の1/2への引上げの効果は、厚生年金より国民年金の保険料(率)の方が大きい。これは、厚生年金は2階部分があるため、基礎年金国庫負担の全体の給付に占める比率は、国民年金の方が大きいためである。

【計算の前提(基準ケース)】

人口推計 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39)
経済前提 ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%)
保険料(率)の引上げ計画
  ・引上げ頻度 毎年度
  ・引上げペース 平成11年財政再計算と5年間での引上げペースを同じとする。

番号 国庫負担の前提 厚生年金の最終保険料率
(総報酬ベース)
国民年金の最終保険料
(平成11年度価格)
基準ケース
(1/2)
23.1%(100) 20,500円 (100)
(参考)1/3 26.2%(113) 29,300円(143)

注:( )内は、基準ケースを100とした指数である。

厚生年金の段階保険料率

国民年金の段階保険料

(2)人口が変動した場合

基準ケース(中位推計)の最終保険料(率)を100とした場合、少子化の状況が改善する高位推計に変更したときの厚生年金の最終保険料率は91、国民年金の最終保険料は93となる。

基準ケース(中位推計)の最終保険料(率)を100とした場合、少子化がさらに進行する低位推計に変更したときの厚生年金の最終保険料率は115、国民年金の最終保険料は110となる。

【計算の前提(基準ケース)】

経済前提 ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%)
国庫負担割合 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ
 
 ┌
 |
 └
国庫負担引上げ時に厚生年金の保険料率の引上げ幅の抑制(総報酬ベースで0.77%)及び国民年金の保険料の引下げ(平成11年度価格で3,000円)は行わない。

保険料(率)の引上げ計画
引上げ頻度 毎年度
引上げペース 平成11年財政再計算と5年間での引上げペースを同じとする。

番号 人口の前提 厚生年金の最終保険料率
(総報酬ベース)
国民年金の最終保険料
(平成11年度価格)
高位 21.0%( 91) 19,000円( 93)
(基準ケース)
中位
23.1%(100) 20,500円(100)
低位 26.6%(115) 22,500円(110)

注:( )内は、基準ケースを100とした指数である。

厚生年金の段階保険料率

国民年金の段階保険料

(3)経済が変動した場合

基準ケース(ケースB)の最終保険料(率)を100とした場合、経済状況が好転するケースAに変更したときの最終保険料(率)は厚生年金、国民年金ともに97となる。

基準ケースの最終保険料(率)を100とした場合、経済状況が悪化するケースCに変更したときの厚生年金の最終保険料率は113となり、国民年金の最終保険料は109となる。

【計算の前提(基準ケース)】

人口推計 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39)
国庫負担割合 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ
 
 ┌
 |
 └
国庫負担引上げ時に厚生年金の保険料率の引上げ幅の抑制(総報酬ベースで0.77%)及び国民年金の保険料の引下げ(平成11年度価格で3,000円)は行わない。

保険料(率)の引上げ計画
引上げ頻度 毎年度
引上げペース 平成11年財政再計算と5年間での引上げペースを同じとする。

番号 経済の前提 厚生年金の最終保険料率
(総報酬ベース)
国民年金の最終保険料
(平成11年度価格)
22.4%( 97) 19,800円( 97)
(基準ケース)
23.1%(100) 20,500円(100)
26.0%(113) 22,300円(109)

注:( )内は、人口:中位推計、経済:ケースBを100とした指数である。

(参考)【長期的な経済前提(平成20(2008)年度以降)】

  実質賃金
上昇率
実質運用
利回り
備考
ケースA 1.0% 1.5% 名目賃金2.5%、物価上昇率1.5%、名目利回り4.0%
ケースB 1.0% 1.25% 名目賃金2.0%、物価上昇率1.0%、名目利回り3.25%
ケースC 0.5% 1.0% 名目賃金1.0%、物価上昇率0.5%、名目利回り2.0%

厚生年金の段階保険料率

国民年金の段階保険料

(4)基礎年金国庫負担割合引上げ時の保険料(率)の取扱いを変更した場合

平成11年財政再計算では、基礎年金国庫負担引上げ時に、厚生年金については保険料率の引上げ幅を0.77%(総報酬ベース)抑制し、国民年金については保険料を3,000円(平成11年度価格)引き下げることとしているが、基準ケースでは、このような措置をとらず、さらに、厚生年金については保険料率の引上げを毎年小刻みにすることとした。

厚生年金について、平成11年財政再計算の取扱いに準拠し、保険料率の引上げを5年に1度とした上で、国庫負担引上げ時に保険料率の引上げ幅を0.77%(総報酬ベース)抑制することとした場合、最終保険料率は基準ケースとほぼ同水準となる。

国民年金について、平成11年財政再計算の取扱いに準拠し、基礎年金国庫負担引上げ時に保険料を3,000円(平成11年度価格)引き下げることとした場合、基準ケースの最終保険料を100とした場合、国民年金の最終保険料は107となる。

【計算の前提(基準ケース)】

人口推計 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39)
経済前提 ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%)
国庫負担割合 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ
保険料(率)の引上げ計画
引上げ頻度 毎年度
引上げペース 平成11年財政再計算と5年間での引上げペースを同じとする。

番号 保険料(率)引上げの前提 厚生年金の最終保険料率
(総報酬ベース)
国民年金の最終保険料
(平成11年度価格)
引上げ
頻度
国庫負担引上げ
時の保険料(率)
(基準ケース) 23.1%(100) 20,500円(100)
毎年 引下げ等なし
厚年:5年に1度
国年:毎年
引下げ等 23.0%(100) 22,000円(107)

注:( )内は、基準ケースを100とした指数である。

厚生年金の段階保険料率

国民年金の段階保険料

(5)保険料(率)の引上げ計画を変更した場合

基準ケースの最終保険料(率)を100とした場合、保険料(率)の引上げペースを早めて引上げ幅を2割増加させたとき(前倒しケース)、厚生年金の最終保険料率は98、国民年金の最終保険料は99となる。

基準ケースの最終保険料(率)を100とした場合、保険料(率)の引上げペースを遅らせて引上げ幅を2割減少させたとき(後倒しケース)、厚生年金の最終保険料率は103、国民年金の最終保険料は101となる。

【計算の前提(基準ケース)】

人口推計 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39)
経済前提 ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%)
国庫負担割合 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ
 
 ┌
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 └
国庫負担引上げ時に厚生年金の保険料率の引上げ幅の抑制(総報酬ベースで0.77%)及び国民年金の保険料の引下げ(平成11年度価格で3,000円)は行わない。


番号 保険料(率)引上げ
ペースの前提
厚生年金の最終保険料率
(総報酬ベース)
国民年金の最終保険料
(平成11年度価格)
(基準ケース)
平成11年財政再計算(毎年度引上げ)
23.1%(100) 20,500円(100)
前倒し
(引上げ幅2割増加)
22.6%( 98) 20,300円( 99)
後倒し
(引上げ幅2割減少)
23.9%(103) 20,700円(101)

注:( )内は、基準ケースを100とした指数である。

厚生年金の段階保険料率

国民年金の段階保険料



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