2.保険料固定方式
(1)基準ケース
【給付総額(給付現価)ベースでみたときの給付の調整割合】
【年金改定率(スライド率)の調整による給付水準の調整割合】
【実績準拠法と将来見通し平均化法の違い】
【名目年金額下限型と物価下限型の違い】
|
【計算の前提(基準ケース)】
○ | 厚生年金の最終保険料率 | 20% | ||||||
○ | 人口推計 | 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39) | ||||||
○ | 経済前提 | ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%) | ||||||
○ | 国庫負担割合 | 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ | ||||||
|
||||||||
○ | 保険料(率)の引上げ計画
|
番号 | 給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
||
1 | 9% | 《(1) 実績準拠法(名目年金額下限型)》 | ||||
総賃金 スライド |
2032 | 52% | 12% | 18,100円 | ||
2 | 《(2) 実績準拠法(物価下限型)》 | |||||
総賃金 スライド |
2036 | 50% | 15% | 18,000円 | ||
3 | 《(3) 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)》 | |||||
一人当たり賃金上昇率 -労働力人口の平均 減少率(0.65%) |
2023 | 53% | 10% | 18,100円 | ||
4 | 《(4) 将来見通し平均化法(物価下限型)》 | |||||
一人当たり賃金上昇率 -労働力人口の平均 減少率(0.65%) |
2027 | 51% | 13% | 18,100円 |
○ 給付総額(給付現価)の調整割合
給付総額(給付現価)でみた給付の調整割合である。これは、仮に、平成17年4月に、既に年金を受給している者も含めて、直ちに給付水準の調整を一度に行うこととした場合の給付水準調整割合を示している。
現実的な政策としては、このような急激な給付水準の調整方法はとり得るものではないが、年金改定率(スライド率)の調整による時間をかけた緩やかな給付水準調整方法との比較対象として示したものである。
○ 年金改定率(新規裁定者)
現行の新規裁定年金の年金改定率(スライド率)は、厚生年金については一人当たり賃金(手取りベース)の上昇率に応じて、年金額の算定基礎となる現役時代の賃金を再評価し、国民年金(基礎年金)については国民生活の動向等を踏まえて政策改定されている。
年金改定率(スライド率)を調整することにより時間をかけて緩やかに給付水準を調整する場合、調整期間中は、現行と異なる年金改定率(スライド率)により年金額が改定されることとなる。この欄では、調整期間中の新規裁定年金の年金水準(厚生年金、基礎年金)がどのような指標で改定されるかを示した。
○ 調整期間(終了年度)
年金改定率(スライド率)の調整により時間をかけて緩やかに調整を行う場合、年金財政が安定する見通しが立つまで給付水準調整を続け、給付水準調整が終了した後は、現行の年金改定率(スライド率)に復帰することとしている。この欄では、給付水準調整が終了した年度を示した。
○ 所得代替率(終了年度時点)
新規裁定者のモデル年金(現行のモデル年金:片働夫婦で基礎年金(夫婦2人)13.4万円+厚生年金(夫)10.4万円で、年金月額23.8万円の場合)について、給付水準調整が終了した時点での所得代替率(現役世代の手取り賃金に対する年金額の比率を示すもの。)を示した。
(参考)現在のモデル年金に関する所得代替率
現行の所得代替率(59%) = | モデル年金月額(23.8万円) 現役世代の手取り賃金(40.1万円) |
○ 給付水準調整割合
給付水準調整終了時の新規裁定者の給付水準が、現行の給付水準に対してどの程度調整がなされているかを示した。
○ 国民年金の最終保険料(平成11年度価格)
年金改定率(スライド率)の調整により時間をかけて緩やかに給付水準を調整する場合、基礎年金部分と報酬比例部分は、同じペースで給付水準調整がなされることとした。すなわち、基礎年金について厚生年金の給付水準調整期間、給付水準調整割合と同じ調整期間と調整割合で給付水準が調整されることとしている。国民年金の最終的な保険料水準は、このようにして給付水準調整された基礎年金給付を賄うために必要となる保険料負担の水準として示した。
(参考)基礎年金国庫負担割合の1/2への引上げを行わなかった場合
【給付総額(給付現価)ベースでみたときの給付の調整割合】
【年金改定率(スライド率)の調整による給付水準の調整割合】 《実績準拠法(名目年金額下限型)により時間をかけて緩やかに給付水準調整を行った場合》
|
【計算の前提(基準ケース)】
○ | 厚生年金の最終保険料率 | 20% | ||||||
○ | 人口推計 | 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39) | ||||||
○ | 経済前提 | ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%) | ||||||
○ | 保険料(率)の引上げ計画
|
《(1) 実績準拠法(名目年金額下限型)》
番号 | 国庫負担の 前提 |
給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
1 | (基準ケース) 1/2 |
9% | 総賃金 スライド |
2032 | 52% | 12% | 18,100円 |
5 | (参考) 1/3 | 16% | 〃 | 2043 | 45% | 24% | 23,100円 |
《(3) 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)》
番号 | 国庫負担の 前提 |
給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
2 | (基準ケース) 1/2 |
9% | 一人当たり 賃金上昇率 - 労働力人口 の平均減少率 |
2023 | 53% | 10% | 18,100円 |
6 | (参考) 1/3 | 16% | 〃 | 2042 | 46% | 21% | 23,100円 |
(2)人口が変動した場合
【給付総額(給付現価)ベースでみたときの給付の調整割合】
【年金改定率(スライド率)の調整による給付水準の調整割合】 《実績準拠法(名目年金額下限型)により時間をかけて緩やかに給付水準調整を行った場合》
|
【計算の前提(基準ケース)】
○ | 厚生年金の最終保険料率 | 20% | ||||||
○ | 経済前提 | ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%) | ||||||
○ | 国庫負担割合 | 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ | ||||||
|
||||||||
○ | 保険料(率)の引上げ計画
|
《(1) 実績準拠法(名目年金額下限型)》
番号 | 人口の前提 | 給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
7 | 高位 | 3% | 総賃金 スライド |
2020 | 57% | 4% | 18,200円 |
1 | (基準ケース) 中位 |
9% | 〃 | 2032 | 52% | 12% | 18,100円 |
9 | 低位 | 15% | 〃 | 2040 | 45% | 23% | 17,900円 |
《(3) 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)》
番号 | 人口の前提 | 給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
8 | 高位 | 3% | 一人当たり 賃金上昇率 -労働力人口 の平均減少率 |
2013 | 57% | 4% | 18,200円 |
2 | (基準ケース) 中位 |
9% | 〃 | 2023 | 53% | 10% | 18,100円 |
10 | 低位 | 15% | 〃 | 2032 | 48% | 19% | 18,000円 |
(3)経済が変動した場合
【給付総額(給付現価)ベースでみたときの給付の調整割合】
【年金改定率(スライド率)の調整による給付水準の調整割合】 《実績準拠法(名目年金額下限型)により時間をかけて緩やかに給付水準調整を行った場合》
|
【計算の前提(基準ケース)】
○ | 厚生年金の最終保険料率 | 20% | ||||||
○ | 人口推計 | 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39) | ||||||
○ | 国庫負担割合 | 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ | ||||||
|
||||||||
○ | 保険料(率)の引上げ計画
|
《(1) 実績準拠法(名目年金額下限型)》
番号 | 経済の前提 | 給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
11 | A | 7% | 総賃金 スライド |
2029 | 54% | 9% | 18,100円 |
1 | (基準ケース) B |
9% | 〃 | 2032 | 52% | 12% | 18,100円 |
13 | C | 16% | 〃 | 2048 | 45% | 24% | 17,800円 |
注: | ケースCの場合、2080年度に積立金がなくなり、一定規模の資金を借入れることが必要となる。借入れを行うことを仮定しなければ、2080年ごろに「一時的に若干の保険料率の引上げ(保険料率の引上げ幅は総報酬ベースで0.8%程度)又は「一時的に若干の給付水準の調整(給付水準調整割合は4%程度)」が必要となる。 |
《(3) 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)》
番号 | 経済の前提 | 給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
12 | A | 7% | 一人当たり 賃金上昇率 - 労働力人口 の平均減少率 |
2016 | 54% | 8% | 18,100円 |
2 | (基準ケース) B |
9% | 〃 | 2023 | 53% | 10% | 18,100円 |
14 | C | 16% | 〃 | 2047 | 46% | 22% | 17,800円 |
注: | 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)により時間をかけて緩やかに給付水準調整を行った場合には、経済状況が悪化するケースCの場合でも、将来の借入れの必要はない。 |
(4)基礎年金国庫負担割合引上げ時の保険料(率)の取扱いを変更した場合
|
【計算の前提(基準ケース)】
○ | 厚生年金の最終保険料率 | 20% | ||||||
○ | 人口推計 | 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39) | ||||||
○ | 経済前提 | ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%) | ||||||
○ | 国庫負担割合 | 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ | ||||||
○ | 保険料(率)の引上げ計画
|
《(1) 実績準拠法(名目年金額下限型)》
番号 | 保険料(率)引上げの前提 | 給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | |||||
引上げ 頻度 |
国庫負担引上げ 時の保険料(率) |
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
||
1 | (基準ケース) | 9% | 総賃金 スライド |
2032 | 52% | 12% | 18,100円 | |
毎年 | 引下げ等なし | |||||||
15 | 5年 | 引下げ等 | 9% | 〃 | 2032 | 52% | 12% | 19,200円 |
《(3) 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)》
番号 | 保険料(率)引上げの前提 | 給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | |||||
引上げ 頻度 |
国庫負担引上げ 時の保険料(率) |
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
||
2 | (基準ケース) | 9% | 一人当たり 賃金上昇率 - 労働力人口 の平均減少率 |
2023 | 53% | 10% | 18,100円 | |
毎年 | 引下げ等なし | |||||||
16 | 5年 | 引下げ等 | 9% | 〃 | 2023 | 53% | 11% | 19,200円 |
(5)保険料負担を変更した場合
(1) 保険料(率)の引上げ計画を変更した場合
【給付総額(給付現価)ベースでみたときの給付の調整割合】
【年金改定率(スライド率)の調整による給付水準の調整割合】 《実績準拠法(名目年金額下限型)により時間をかけて緩やかに給付水準調整を行った場合》
|
【計算の前提(基準ケース)】
○ | 厚生年金の最終保険料率 | 20% | |||
○ | 人口推計 | 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39) | |||
○ | 経済前提 | ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%) | |||
○ | 国庫負担割合 | 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ | |||
|
《(1) 実績準拠法(名目年金額下限型)》
番号 | 保険料(率)引上げ ペースの前提 |
給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
1 | (基準ケース) 平成11年財政再計算 (毎年度引上げ) |
9% | 総賃金 スライド |
2032 | 52% | 12% | 18,100円 |
17 | 前倒し (引上げ幅を2割増加) |
8% | 〃 | 2031 | 53% | 11% | 18,200円 |
19 | 後倒し (引上げ幅を2割減少) |
10% | 2033 | 51% | 13% | 18,000円 |
《(3) 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)》
番号 | 保険料(率)引上げ ペースの前提 |
給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
2 | (基準ケース) 平成11年財政再計算 (毎年度引上げ) |
9% | 一人当たり 賃金上昇率 - 労働力人口 の平均減少率 |
2023 | 53% | 10% | 18,100円 |
18 | 前倒し (引上げ幅を2割増加) |
8% | 〃 | 2021 | 53% | 10% | 18,200円 |
20 | 後倒し (引上げ幅を2割減少) |
10% | 2025 | 52% | 12% | 18,000円 |
(2) 厚生年金の最終保険料率を18%とした場合
【給付総額(給付現価)ベースでみたときの給付の調整割合】
【年金改定率(スライド率)の調整による給付水準の調整割合】 《実績準拠法(名目年金額下限型)により時間をかけて緩やかに給付水準調整を行った場合》
|
【計算の前提(基準ケース)】
○ | 人口推計 | 中位推計(2050年の合計特殊出生率 1.39) | ||||||
○ | 経済前提 | ケースB(実質賃金上昇率1.0%、実質運用利回り1.25%) | ||||||
○ | 国庫負担割合 | 次期制度改正時に安定した財源を確保し、1/2に引上げ | ||||||
|
||||||||
○ | 保険料(率)の引上げ計画
|
《(1) 実績準拠法(名目年金額下限型)》
番号 | 厚生年金の 最終保険料率 の前提 |
給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
1 | (基準ケース) 20% |
9% | 総賃金 スライド |
2032 | 52% | 12% | 18,100円 |
21 | 18% | 15% | 〃 | 2043 | 45% | 24% | 16,400円 |
《(3) 将来見通し平均化法(名目年金額下限型)》
番号 | 厚生年金の 最終保険料率 の前提 |
給付総額 (給付現価) の調整割合 |
スライド調整 | ||||
年金改定率 (新規裁定者) |
調整期間 (終了年度) |
所得代替率 (終了年度時点) |
給付水準 調整割合 |
国民年金の 最終保険料 (平成11年度価格) |
|||
2 | (基準ケース) 20% |
9% | 一人当たり 賃金上昇率 - 労働力人口 の平均減少率 |
2023 | 53% | 10% | 18,100円 |
22 | 18% | 15% | 〃 | 2042 | 47% | 21% | 16,500円 |