V 評価の方法
1 評価の手順
(1)考え方
園長、主任保育士、保育士等が自らサービスを評価した上で、第三者による評価を受けた方が、事業者にとっても第三者にとっても、福祉サービスの問題点や課題の把握が容易になる。
第三者評価において、サービスの質の改善が図られたかどうかを確認することは、事業者のサービスの質の向上という観点から重要である。
特に、児童養護施設、乳児院は、利用施設でなく、措置施設であることから、特に、事業者自らのサービスの質の向上を促進するような評価の方法をとる必要がある。
(2)評価の手順
ア 保育所、母子生活支援施設
評価は次の手順により行う。(別紙11参照)
(ア)受審申込
(1) 施設が第三者評価機関に受審申込を行う。
(2) 第三者評価機関から、受審の手引き、調査票、利用者アンケートを送付する。
(利用者アンケートは利用者から直接第三者評価機関に送付)
(イ)自己評価・利用者アンケート
(1) 施設は調査票に基づき自己評価を行う。
(2) 施設から利用者に利用者アンケートを配布する。
(ウ)書面審査、事前打合せ
(1) 評価調査者は、施設の自己評価、利用者アンケート結果をもとに、書面審査、事前打合せを行う。
(2) 評価調査者と施設との間で実地調査の日程等を調整する。
(エ)実地調査
評価調査者は、施設に出向いて実地調査を行う。
(オ)評価結果の検討
(1) 評価調査者は、ぞれぞれの評価結果について協議する。
(2) 協議の結果を取りまとめ、評価決定委員会に報告する。
(カ)評価の決定
第三者評価機関は、評価決定委員会を開催し、評価を決定する。
(キ)評価結果通知の送付
第三者評価機関から施設に対して、評価結果通知を送付する。
(ク)評価結果の公表
イ 児童養護施設、乳児院
児童養護施設、乳児院は、利用施設でなく、措置施設であることから、事業者自らのサービスの質の向上を促進するため、一次調査実施後に課題等提示した上で、確認調査(二次調査)を行い、最終的な評価を行うこととし、次の手順により行う。(別紙12参照)
(ア)受審申込
(1) 施設が第三者評価機関に受審申込を行う。
(2) 第三者評価機関から、受審の手引き、調査票、利用者アンケートを送付する。
(イ)自己評価・利用者アンケート
(1) 施設は調査票に基づき自己評価を行う。
(2) 施設から利用者に利用者アンケートを配布する。
(利用者アンケートは利用者から直接第三者評価機関に送付)
(ウ)書面審査、事前打合せ(1回目)
(2) 評価調査者と施設との間で実地調査の日程等を調整する。
(エ)実地調査(第1回)
評価調査者は、施設に出向いて実地調査(1回目)を行う。
(オ)評価結果の検討
(1) 評価調査者は、ぞれぞれの評価結果について協議する。
(2) 協議の結果を取りまとめ、評価決定委員会に報告し、中間的な評価を行う。
(カ)実地調査に基づく課題の提示
(1) 評価調査者は、中間評価に基づく課題等を検討する。
(2) 評価調査者は、施設に対して課題等を提示する。
(キ)改善に向けた取り組み(約6か月)
施設は、提示された課題等に応じて改善計画等を作成し、改善のための取り組みを行う。
(ク)書面審査・事前打合せ(2回目)
(1) 評価調査者は、改善計画等に基づき、事前打合せを行う。
(2) 評価調査者と施設との間で実地調査の日程等を調整する。
(ケ)実地調査(第2回)
評価調査者が施設に出向いて実地調査(2回目)を行う。
(コ)最終評価結果の検討
(1) 評価調査者は、ぞれぞれの評価結果について協議する。
(2) 協議の結果を取りまとめ、評価決定委員会に報告する。
(サ)最終評価の決定
第三者評価機関は、評価決定委員会を開催し、評価を決定する。
(シ)評価結果通知の送付
第三者評価機関から施設に対して、評価結果通知を送付する。
(ス)評価結果の公表
2 個々の基準ごとの評価
(1)保育所
「評価項目」については、「判断基準」に基づき、a)、b)、c)の3段階又はa)、c)の2段階評価を行う。
保育の内容に関する項目については、3段階又は2段階といった「判断基準」では評価が難しい。
このため、複数回答方式の「判断基準」をもとに、サービスの内容を確認した上で、それを考慮しながら、a)、b)、c)の3段階の「総合判断基準」により、総合的な判断を行うこととした。
判断基準のみでは評価しえない施設の「特徴」、「特色」などを評価に反映させるため、「評価分類」ごとに特記事項欄を設けた。
(2)児童養護施設・母子生活支援施設・乳児院
複数回答方式の「判断基準」をもとに、サービスの内容を確認した上で、その該当項目数に応じてa)、b)、c)の3段階の「判断基準」により評価を行う。
判断基準のみでは評価しえない施設の「特徴」、「特色」などを評価に反映させるため、「評価対象」ごとに特記事項欄を設けた。
(3)評価マニュアル等
3 総合評価
(1)総合評価の方法
個々の基準ごとの評価結果では反映されにくい施設の特色等を評価するためには、定性的な(「段階評価」ではなく、施設・事業所の特色を文章で表現した)評価も必要である。
このため、「評価対象」若しくは「評価分類」ごとの「総合所見」及び全体の「総合所見」を提示する。
(2)段階又は点数による総合評価
「評価項目」を段階評価(例えば、3段階、あるいは、5段階)するためには、その「評価項目」を構成する各「評価細目」の重要度に応じたウエイト付けが必要である。以下同様に、「評価分類」を段階評価するためには、その「評価分類」を構成する各「評価項目」のウエイト付けが、「評価対象」を段階評価するためには、「評価対象」を構成する各「評価分類」のウエイト付けが、そして最終的に段階、あるいは、点数による「総合評価」を行うためには、各「評価対象」のウエイト付けが必要である。 |
今回の検討では、「評価細目」、「評価項目」、「評価分類」及び「評価対象」の重要度に応じたウエイト付けについては、検討を行うまでには至っていない。
段階又は点数による総合評価については、今後、第三者評価事業が本格実施され、事例や評価実績を積み重ねた上で、第三者評価機関において検討すべきものと考えられる。
(3)認定証の交付や格付け
現時点では、評価基準のウエイト付けを行っていない。このため、第三者評価機関が、ある一定の水準を満たしていることを示すための認定証の交付や「A、AA、AAA」などの格付けまで行うには、さらなる検討が必要である。
認定証の交付や格付けについては、利用者が事業者を選択する際にこれらがあった方が選択しやすいのか、受審事業者が自らのサービス水準を外部に示すためにこれらを望むのか、第三者評価機関自体も最終的にそこまで目指すのか、といった点について、今後の第三者評価事業の実施を通じて、第三者評価機関において検討すべきものと考えられる。
4 評価の決定
(1)評価調査者
ア 要件
評価調査者は、(1)及び(2)の要件をみたす者とする。
(1) 評価調査者は、児童福祉等の学識経験者、児童福祉施設の施設長(経験者)等で、当該業務を5年以上経験していること。
(2) 第三者評価調査者養成研修(VIIで後述する共通研修)若しくはこれに相当する研修及び第三者評価調査者養成研修(VIIで後述する独自研修)を受講していること。
イ 人数、役割分担
評価調査者は、原則として、2人以上のチームにより評価調査を行う。
この場合、例えば学識経験者と児童福祉施設の施設長経験者など職種の異なる者を組み合わせたチーム編成とすることが望ましい。
各委員は、全項目について同時にヒアリングを行い、各自の評価結果について協議、取りまとめの上、その結果を評価決定委員 会へ報告する。
ウ その他
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(2)評価決定委員会
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(3)評価結果の有効期間
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5 第三者評価機関
(1)組織構成及び業務内容
ア 代表者
イ 評価決定委員会
ウ 評価調査者
エ 事務局
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(2)要件
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