労働委員会命令データベース

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概要情報
事件番号・通称事件名  中労委令和元年(不再)第22・24号
東日本環境アクセス会社外1社不当労働行為再審査事件 
再審査申立人  Y1会社(第22号)、組合(第24号) 
再審査被申立人  Y1会社(第24号)、Y2会社(第24号)、組合(第22号) 
命令年月日  令和2年11月18日 
命令区分  一部変更 
重要度   
事件概要  1 本件は、Y1会社が、①Y1会社のパート社員であるA組合員をパート社員から契約社員に登用(以下「契約社員への転換」)しなかったこと、②A組合員による退職の申出の撤回を認めなかったこと、③平成28年1月27日、同年3月9日及び同年4月27日の団体交渉(以下「団交」)で不誠実に対応したこと等が、①及び②は労働組合法(以下「労組法」)第7条第1号及び第3号に、③は同条第2号及び第3号に該当する不当労働行為として、また、Y2会社が、労組法第7条の使用者に当たることから、Y2会社との関係においても上記①及び②については、同条第1号及び第3号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てがされた事件である。
2 初審神奈川県労委は、上記1の①及び③のY1会社の対応について不当労働行為の成立を認め、Y1会社に対し、A組合員を27年10月1日から契約社員に登用されたものとして取り扱い、同年12月31日までの間の賃金差額等を支払うこと及び文書掲示を命じ、その余の救済申立てを棄却する旨の命令(以下「本件初審命令」という。)を交付した。Y1会社及び組合は、これを不服として再審査を申し立てた。
3 再審中労委は、初審命令を一部変更し、その余の再審査申立てを棄却した。 
命令主文  (1)初審命令を次のとおり変更する。
 Y1会社に対し、28年1月27日及び同年4月27日の各団交に係る不当労働行為(契約社員への登用について十分な説明を行わなかったこと)ついて、文書交付を命じる。
 その余の救済申立てを棄却する。
(2)その余の再審査申立てをいずれも棄却する。 
判断の要旨  (1) Y1会社が、パート社員であったA組合員の契約社員への転換を認めなかったことについて
 Y1会社は、結成して間もない組合の組合活動に比較的頻繁に対応を迫られている状況にあり、組合活動を警戒していたことは認められるものの、A組合員の勤務状況に鑑みると、同人が組合員でなければ契約社員への転換が認められたとは認め難い。したがって、Y1会社が、A組合員の契約社員への転換を認めなかったことは労組法第7条第1号の不当労働行為には当たらない。また、組合を弱体化するものとは認められないから、同条第3号の不当労働行為にも当たらない。
(2) Y1会社が、A組合員の退職の申出の撤回を認めなかったことについて
 Y1会社は、A組合員自身と複数回にわたり同人の意思を確認した上で、期間満了退職をするものとして手続を進めたのであって、その後になされた同人からの退職の申出を撤回する旨の申入れを認めないことは、小田原事業所の勤務表の作成等円滑な業務運営の観点からすると不合理とはいい難い。Y1会社の対応が組合員であることを理由としたものとは認められないから、労組法第7条第1号の不当労働行為には当たらない。また、組合を弱体化するものとは認められないから、同条第3号の不当労働行為にも当たらない。
(3) Y1会社が、28年1月27日、同年3月9日及び同年4月27日に実施した各団交において、組合に対し、契約社員への転換について十分な説明を行わなかったことについて
ア Y1会社は、28年1月27日及び同年4月27日の団交において、A組合員を契約社員に転換しなかった理由につき具体的な説明をせず、一般論の説明にとどまっているが、契約社員への転換の判断要素として挙げるもののうちA組合員の場合はどの要素に問題があるのかを指摘する等して具体的説明をなし得たはずである。Y1会社の対応は、誠実な団交を行ったとは認められないから、労組法第7条第2号の不当労働行為に当たる。
イ 他方、同年3月9日の団交については、団交当日になって、契約社員への転換制度一般についての説明が求められたものであること、契約社員への転換制度の説明については組合も次回の説明を求めるとして即答を強く要求しているわけではないことからすると、Y1会社の対応が不誠実なものとまでは認められないから、労組法第7条第2号の不当労働行為には当たらない。
ウ Y1会社の上記各団交における対応は、いずれも組合の弱体化や、組合の運営・活動の妨害を図るような行為とは認められない。したがって、上記の各団交におけるY1会社の対応は、労組法第7条第3号の不当労働行為には当たらない。
(4) Y2会社は、組合との関係で、労組法第7条の「使用者」に当たるかについて
 Y1会社の従業員の雇用の開始、終了についてはY1会社が決定しているものと認められ、その他Y1会社の従業員の基本的労働条件について、Y2会社が雇用主と同視できる程度に現実的かつ具体的な支配があったと認めるに足りる証拠はない。
 したがって、Y2会社は、組合との関係で労組法第7条の「使用者」には当たらない。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
神奈川労委平成28年(不)第20号 一部救済 令和元年5月29日