労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  文際学園 
事件番号  都労委平成25年不第61号 
申立人  全国一般東京ゼネラルユニオンJCFL支部 
被申立人  学校法人文際学園 
命令年月日  平成27年12月15日 
命令区分  一部救済 
重要度   
事件概要   ①被申立人法人が、その運営する専門学校で非常勤講師として勤務していた組合員X2を雇止めしたこと、②組合員が学校の正門前でビラ配りを行った際に、法人の職員が組合員の前に立つなどの行為をしたことが不当労働行為に当たるか否かが争われた事案である。
 東京都労委は法人に対し、1 組合の行うビラ配りを妨げないこと、2 文書の交付・掲示、3 履行報告を命じ、その余の申立てを棄却した。 
命令主文  1 被申立人学校法人文際学園は、申立人全国一般東京ゼネラルユニオン又は全国一般東京ゼネラルユニオンJCFL支部が行う組合ビラの配布を妨げてはならない。
2 被申立人学園は、本命令書受領の日から1週間以内に、下記内容の文書を申立人組合らに交付するとともに、同一内容の文書を55センチメートル×80センチメートル(新聞紙2頁大)の白紙に楷書で明瞭に墨書して、被申立人学園の日本外国語専門学校の教職員の見やすい場所に10日間掲示しなければならない。
記(省略)
3 被申立人学園は、前項を履行したときは、速やかに当委員会に文書で報告しなければならない。
4 その余の申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 組合員X2を雇止めしたことについて
 被申立人法人は、X2との再契約を拒否した主な理由は学生満足度調査や授業点検の結果が悪かったからであると主張し、専門学校の校長がX2の調査結果を具体的に示して、同人の能力不足や資質の欠如について証言している。また、法人はX2の授業点検の際に、同人が日本語を多用していることや学生を授業に集中させていないなどの問題点を指摘して指導している。
 これに対し、申立人組合らはX2の証人申請を取り下げており、また、上記の校長の証言を覆す証拠を提出してもいない。さらに、X2が学生等から高い評価を受けていたとの主張を裏付けるに足りる証拠はなく、同人の勤務成績が良好であったことを疎明しているとは認められない。
 組合らは、X2の組合加入公然化の11日後に法人が雇止めを通告したことが法人の組合活動嫌悪と組合弱体化の意図の証左であるとも主張する。しかし、X2への雇止め通知は必ずしも不自然な時期に行われたとはいえず、組合らの主張を認めることはできない。
 したがって、法人がX2と再契約をしなかったことは、同人が組合員であるが故の不利益取扱いであると認めることはできない。
2 ビラ配りの際に行った行為について
 法人は、登校する学生の安全を確保するために見守りや誘導を行ったものであり、ビラ配りを妨害した事実はないと主張する。
 しかし、認定した事実によれば、法人の職員が「もらわなくてもいい」と学生に向かって発言したり、組合員らのビラ配りの動きに合わせて自分の手や体を動かしており、また、交通上の危険を回避するための行動をした事実もないのであるから、職員の行為は学生の安全を確保するための見守りや誘導ではなく、ビラ配りを妨害するものであったことは明らかである。
 また、法人は、ビラ配りにおける職員の行動について指示をしていないと主張する。しかし、第1回ビラ配りの際にはX2の雇止めに関する団交が進展しておらず、組合が本件申立てに及ぶなど、労使関係が緊張していたことが認められる。また、ビラ配り当日、複数の職員がビラを配ろうとする組合員らの目前に立つなどの同じ行動をしていたこと等からすれば、これらの職員の行動は法人から何らかの指示を受けて行われていたとみるのが相当である。
 そして、ビラ配りにおいて配布されたビラは法人に対する要求事項や意見を学生や教職員に表明する内容であり、また、ビラ配りが行われたのは公道上であり、その態様も特に混乱を生じさせるものではなかったことが認められる。
 以上のとおりであるから、法人の行為は組合らが公道上で平穏に行っていたビラ配りを妨害したものであり、組合の運営に対する支配介入に該当する。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
中労委平成28年(不再)第8・10号 棄却 平成30年2月21日
 
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