労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名  シオン学園 
事件番号  中労委平成22年(不再)第2号 
再審査申立人  株式会社シオン学園(「会社」) 
再審査申立人   
再審査被申立人  全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方労働組合(「本部」) 
再審査被申立人  全国自動車交通労働組合総連合会神奈川地方労働組合三共自動車学校支部(「支部」、本部と併せ「組合ら」) 
命令年月日  平成23年3月23日 
命令区分  一部変更 
重要度   
事件概要   自動車教習所を経営する会社が、指導員らに対する平成19年度上期から20年度下期までの各一時金額(「本件各一時金」)について、支部組合員に対して非組合員と比べて低額に支給したことが労組法7条1号および3号に該当する不当労働行為であるとして、組合らが救済を申し立てた事件である。
 神奈川県労委は、会社は、本件各一時金の支払について、支部組合員らを差別しており、これは労組法7条1号および3号の不当労働行為に該当するとして、会社に対し、支部との一時金協定所定の平均支給額を基礎とした既支給額との差額の支払およびこれに関する文書手交を命じた。
 会社は、上記救済命令を不服として再審査を申し立てた。 
命令主文  初審救済命令を取り消し、組合らの本件救済申立てを棄却する。 
判断の要旨  1 ①支部組合員集団の一時金支給額は非組合員集団に比して全体的に低い傾向にあったとみることができるものの、会社が支部組合員集団をおしなべて低く査定して低額な一時金を支給する一方で、非組合員集団をおしなべて高く査定して高額な一時金を支給しているとはみることはできないこと、②支部組合員集団は非組合員集団に比べ稼働時間数が相当に少ないなど、支部組合員と非組合員とが集団として同質性を有するかについては大きな疑問があること、③会社は一時金の交渉を含め組合らとの団体交渉において相応の対応をしていたことなどにかんがみれば、会社が支部組合員であるが故をもって、支部組合員の一時金支給額を非組合員に比して低額にしたものと推認することはできない。
 本件各一時金について、支部組合員のうち考課上のランクないし一時金支給額が平均未満である者が多いという状況は、会社が一定程度合理的な基準に則した評価を行った結果生じたものとみるのが相当であって、会社が支部組合員の査定に当たって差別的な取扱いを行った結果、生じたものとみることはできない。
2  したがって、指導員に対する本件各一時金の支給において、会社が支部組合員の一時金支給額を非組合員に比して低額にしたことは、支部に所属していることないしは支部役員であることを理由とする不利益な取扱いであるとはいえず、また、支部に対する弱体化工作の一環として行われた支配介入であるともいえないから、労組法7条1号、3号の不当労働行為には当たらない。 
掲載文献   

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
神奈川県労委平成20年(不)第14号
神奈川県労委平成20年(不)第31号
神奈川県労委平成21年(不)第9号
一部救済 平成22年1月20日
東京地裁平成23年(行ウ)第680号 全部取消 平成25年5月23日
東京高裁平成25年(行コ)第251号 棄却 平成26年4月23日
 
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