概要情報
事件名 |
第一小型ハイヤー |
事件番号 |
北海道地労委昭和39年(不)第6号
|
申立人 |
第一ハイヤー労働組合 |
被申立人 |
第一小型ハイヤー株式会社 |
命令年月日 |
昭和41年 7月14日 |
命令区分 |
一部救済 |
重要度 |
|
事件概要 |
1 会社が、違法争議行為を理由に組合幹部X1ら10名を懲戒解雇したことが、不当労働行為に当たるとして、北海道地労委に救済申立てがあった事件である。
2 初審北海道地労委は、全員の原職復帰、バックペイを命じ、その余の申立てを棄却した。 |
命令主文 |
1 被申立会社は、申立組合の組合員X1ら10名に対する昭和38年11月28日付懲戒解雇を取り消して、原職に復帰させ、解雇後原職復帰までの間に同人らが受けるべき諸給与一切を、支払わなければならない。
2 申立組合のその余の申立てを棄却する。 |
判定の要旨 |
1 会社の解雇理由中にあげられるビラはり、本社事務室の占拠、ふとん持出しおよび車輌占有の各行為は、春闘要求をめぐる会社とのきびしい対立抗争のなかでおこなわれたものであって、会社側の組合対策の不手ぎわ等が必要以上に組合を刺げきしたという事情も認められないではないが、いずれも、正当な争議行為の範囲をこえるものと判断され、これを企画、指導、実行した組合の執行委員がその責めに任ずることも、やむをえないと考える。 2 しかし、本件の場合にあっては、昭和38年9月6日争議終結のための確認書が会社、組合間に取り交わされ、会社はロックアウトを解除して、組合員も全員就労し、その稼働状況もきわめて良好であったと認められ、労使の間がようやく正常化をたどろうとしていた矢先きに、会社は突然X1ら10名を解雇したものである。 3 会社は確認書成立の過程では将来の責任追及を留保したと主張するが、これを認めるに足りる証拠はない。
のみならず、これらの行為は、いずれも昭和37年6、7月頃のものであり、会社が違法行為の責任を問うのであれば、X2執行委員長をその違法行為の直後に懲戒解雇したごとくに、その行為のあった時に同人らを処分しえたはずにもかかわらず、これを1年余にわたり放置し、争議終結後社長交代を機としてにわかに処分をおこなった会社の意図は理解できないところである。 4 さらに、同人らが組合執行委員の全部であるが、当時の組合員が25名にしかすぎないことを考えると、執行委員全員の解雇は、争議責任の追及としてもいかにも行き過ぎであって、争議終結後の追い討ちの感を深くし、結局、同人らの解雇は組合のかい滅を企図しておこなわれたものであり、労組法7条1号の不当労働行為であると判断せざるをえない。 5 なお組合の請求する陳謝文の掲示は、その必要を認めないのでこれを棄却する。 |
その他 |
|