概要情報
事件名 |
ブックローン(継続雇用) |
事件番号 |
中労委平成20年(不再)第16号・17号 |
再審査申立人 |
(16号)ブックローン株式会社・(17号)全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 |
再審査被申立人 |
(16号)全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部・(17号)ブックローン株式会社 |
命令年月日 |
平成21年3月4日 |
命令区分 |
棄却 |
重要度 |
重要命令 |
事件概要 |
本件は、会社が、[1]組合員Aの継続雇用問題について、平成19年1月18日付の団交申入れ(以下「本件団交申入れ」)に対して、改正高齢法(※)にかかる継続雇用制度に関する労使協定の締結資格がないなどとして応じなかったこと、[2]組合員Aに対し、定年後の継続雇用の措置をとらなかったことが、不当労働行為であるとして、救済申立てがなされた事件である。
初審大阪府労働委員会は、上記[1]については不当労働行為に該当するとして、会社に対し文書手交を命じ、[2]については不当労働行為に当たらないとして組合の申立てを棄却したところ、会社は、団体交渉拒否による文書手交の取消を求めて、組合は、団体交渉の応諾及び組合員Aの継続雇用を求めて、それぞれ再審査を申し立てた。
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命令主文 |
本件各再審査申立てを棄却する。 |
判断の要旨 |
(1) 本件団交申入れにかかる拒否について
ア 改正高齢法に規定する継続雇用制度の導入措置にかかる協定締結資格の有無と、会社が組合と組合員の定年到達以降の継続雇用について団体交渉義務を負うか否かとは別個の問題であるから、当該協定締結資格を有しない組合からであっても、その組合員の60歳以降の継続雇用を交渉事項とする団体交渉の申入れがあったときは、会社は誠実に団交に応じなければならない。
イ 本件団体交渉申入れにおいては、従前の交渉議題とは異なり、組合員Aの継続雇用問題という個別の労働条件について交渉を要求したものであって、義務的団体交渉事項に該当するが、仮に本件団体交渉申入れの交渉議題を高年齢者雇用確保措置全般であると解したとしても、会社の継続雇用制度とは異なる形態での雇用確保を求める団体交渉を組合が申し入れることを何ら妨げるものではなく、本件団交申入れに対する会社の対応は、労働組合法第7条第2号の団交拒否の不当労働行為に当たる。
(2) 組合員Aの継続雇用問題について
会社は、継続雇用の申込手続を会社就業規則において、継続雇用の対象者が所定の期限までに所定の方法による申込みをすべきことを明確に定めているのであるから、同手続の規定が単なる訓示規定と解することはできず、また、組合員Aは、従前から継続雇用希望の申込みの手続を熟知し、所定の期限までに継続雇用希望の申込みを行うことが可能であったにもかかわらず、その手続に従わなかったのであるから、会社がAを継続雇用しなかったことは、労働組合の組合員であるがゆえであると認めることはできず、不当労働行為には当たらない。
※改正高齢法:高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律
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│高年齢者の65歳までの安定した雇用を確保するため、定年の引上げ、継続雇用
│制度の導入、定年の定めの廃止のいずれかの措置を会社に義務付ける法律
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掲載文献 |
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