労働委員会命令データベース

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概要情報
事件名 モービル石油(研修)
事件番号 中労委平成10年(不再)第49号
再審査申立人 スタンダード・ヴァキューム石油自主労働組合大阪支部連合会
再審査被申立人 エクソンモービル有限会社
命令年月日 平成20年6月18日
命令区分 棄却
重要度  
事件概要 大阪支店で開催された社内研修(以下「本件研修」)において、支店管理職A(以下「A」)による同和地区等に関する発言に対し、研修リーダーのB(以下「Bリーダー」)が同発言を正さずに本件研修を終了させたことが会社及び大阪支店による支部連に対する支配介入に当たるとして、支部連より救済申立てがあった事件である。
 初審大阪府労委は、大阪支店に対する申立てを却下し、会社に対する申立てを棄却したところ、支部連はこれを不服として再審査を申し立てた。
 
命令主文 本件再審査申立てを棄却
 
判断の要旨 (1) 大阪支店の被申立人適格について
大阪支店は法人たる会社の部分的な組織に過ぎないから、不当労働行為の責任主体たる使用者には当たらず、その救済手続における被申立人として認めることはできない。

(2) 本件研修における会社の対応について
 ア 本件研修におけるAの発言は、Bリーダーの研修の冒頭で「勉強の場だから、どんなことを言っても構いません。」等との発言を受けて、同和問題に関する自らの過去の経験や考えを述べたものであること、Aはいわゆるラインの管理職ではなく、当日は研修を受ける立場で参加し、当該発言が会社の意を体して行ったことを窺わせる事情は認められなかったことから、一従業員としての立場で自己の経験や考えを述べたものとみるのが相当である。
 また、Aの発言は、質問者が支部連組合員であることを理由に無視したものとは認められず、また、言辞自体に支部連など組合に対する敵対的なニュアンスが含まれていたとは認めがたい。
 したがって、Aの言動自体は、支部連など組合への敵対的な行為であったとは認められない。

 イ Bリーダーは、研修のリーダーであったから、本件研修において会社を代表する立場にあったことが認められるが、上記アのとおり、そもそもAの発言自体が支部連など組合への敵対的な行為であったとは認められないことから、仮にBリーダーがAの発言に対する適切な指導をせず、これを放置したとしても、Bリーダーの行為が支部連に対する支配介入に当たると解することはできない。 
 また、Bリーダーは本件研修以降にAに対し補講を行ったが、支部連団交で、その具体的内容等を十分に説明していないことが認められ、BリーダーがAに対して的確な指導を行ったか否かは明らかではないが、仮にそれがなされていなかったとしても、Aの発言が支部連など組合への敵対的な行為であったとは認められないので、補講におけるBリーダーのAに対する対応いかんによって、Bリーダーの行為が支部連に対する支配介入に当たると解することができないとの判断が左右されることはない。

 ウ 本件研修におけるA及びBリーダーの言動については、支部連組合員の組合活動を阻害し、又は組合の団結を破壊するような態様のものであったとは認められないから、会社の社内研修が、支部連組合員を屈服させ、組合の団結を破壊しようとする労務対策の場とされているとの支部連の主張は採用できない。
 
掲載文献  

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顛末情報
事件番号/行訴番号 命令区分/判決区分 命令年月日/判決年月日
大阪地労委平成 7年(不)第20号 棄却・却下 平成10年12月21日
東京地裁平成21年(行ウ)第18号 却下、棄却 平成22年11月29日
東京高裁平成23年(行コ)第5号 棄却 平成23年 8月23日
 
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